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第二章
新たな攻略対象2
しおりを挟む「んふ、んふふふ…」
静まった図書館の中で私の笑い声が響く。
隣に座るアリスが訝しげな顔で私を見た。
「エミーさん…?」
「ごめんなさい、違うの。思い出し笑いしただけだわ」
んんっと軽く咳払いをし、私は姿勢をなおして目の前のノートと向き合う。
現在私とアリスは、出された課題を自習時間に行っている。自習時間は何をしていてもいいのだ。中にはお茶会を開いている令嬢もいるし、乗馬を行っている子息もいる。私はといえば、課題など家に帰ってやるのはごめんだと考える主義で図書館に向かっている最中だった。そこへアリスが訪れ、一緒に課題をすることにした。
「エミーさん、思い出し笑いなんて珍しいですね。何を思い出したんですか?」
ふふふと鳥がさえずるような声でアリスは笑う。
「今朝のことを少し」
「今朝?何かいいことがあったんですか?」
「いいえ、良いことではないのよ。ただ、自分の気持ちを理解してしまって、なんだかそれが気恥ずかしくて笑ってしまっただけなの」
今朝私はアルへの気持ちがなんなのか理解してしまった。理解したあとはなんだか気恥ずかしくて、私はアルを見ることができないまま学校へ着いた。そんな私をアルはおかしな奴だと思っただろうな、そう思うと自然と気恥ずかしさから笑みがこぼれるのだ。
だから今日自習時間があって本当に良かったと思う。授業中に今のように笑えば、私は本当におかしな奴認定されてしまうだろう。
「アルフレッドさん、ですか?」
にやりと口角をあげ、アリスが目を細める。なんとも色気の漂うその表情に私は、同じ女なのが惜しいなんて思ってしまった。
いやいや、そんなことよりも、
「な、なんでそこでアルが出てきますの!」
「え?違うんですか?だったらラルク様?」
「むしろ先にそっちが出てくるでしょう、全くアリスさんたら」
「今朝のお話なんですよね?だったらアルフレッドさんしかいないかなって!」
「もう、アリスさんには適わないわ」
2人で目を合わせてくすくす笑う。こんな風にアリスと笑い合えることに幸福を感じ、ふと私は口がゆるくなってしまった。
「実はね、そう、アルのことなのよ」
「アルフレッドさん…」
私の雰囲気に何かを感じ取ったのか、アリスは真面目な顔をして私の顔をじっと見つめる。
「わたくしね、アルのこと、お慕いしているようなの」
「アルフレッドさんをですか」
「ええ、そうね。今朝わたくしも気づいたばかりなのだけれど…」
「…ラルク様のことはどうするのですか?」
いつになく真剣な瞳をしたアリスの瞳は、キラキラ輝いてみえてそこだけ別世界のようだ。彼女はやはり主人公なのだと私はそう思った。
「どうすることもないわ」
そう、どうすることもない。私の中で答えがはっきりとした。
「アルのこと慕っていたとしても、どうってことではないわ。貴族の結婚なんてそんなものだもの」
彼女は主人公で、私はただのお助けキャラ。
私がなにか願ったとしても、世界は変わらないんだわ。たとえこの世界が似ている世界だとしても、ただのお助けキャラの私が主人公になれるわけないもの。
「どうするつもりもないんですね…。じゃあもしも、どうにかなるとしたら、エミーさんはどうしたいと思いますか?」
どうにかなるとしたら、考えたこともなかった。
「そうね…アルと一緒になりたいわね。アルさえ良ければだけれど」
元は庶民だったわけだし、駆け落ちして2人でお店でもするかしらね、なんて。ありえないような妄想をして、少しだけ微笑んだ。
「…エミーさんの気持ち、よく分かりました」
やけに真剣な顔をしたアリスの瞳が何かを決意したように輝いた。
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リリーさんがリリーさんになったあと一番大事な場面が欠落してそのまま攻略対象話に突入。おや?もう1話閑話アリスが合っても良かったのでは
それもそうかもしれません!
少し考えてみます( ´∀`)
ご指摘ありがとうございます(*´▽`*)
楽しく読んでいます。
アルって何歳位ですか?
ありがとうございます(*'ω' *)
アルは11歳の設定です。
ですが、エミリーが勝手に同じ歳だと思い込んでいるため、エミリーがアルの年齢を知るのはまだ先のことになると思われます…(笑)