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【第四章】ショートシナリオ集パート①
4-10【チャリオッツ】
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平原には乾いた激しい風が吹き荒れていた。
「風が強いな……」
砂が顔に当たると痛いから俺はフードで顔を隠していた。
俺は背高い岩場の上にたち片足を岩の出っぱりに乗せて望遠鏡を覗いている。
なんとも決まったポーズだぜ!
俺ってばカッコイイ!
吹き荒れる突風が羽織っているローブを靡かせ、俺が下に着ているビキニアーマーを露にさせた。
「いやん、まいっちんぐ!」
ちょっといろいろな場所がスースーするな。
特に股間とか……。
まあ、それはさておいて──。
俺の前方500メートルほど先にアイアンシップが見える。
「確かに鉄の船だわ。俺が予想していた船より大きいな」
おそらく全長100メートルはありそうだ。
てか、あれってタンカーじゃあねえか?
なんらかの天然燃料の運搬とかで使われる大型タンカー船だよね?
なんであんなものがこの異世界にあるんだろう?
あの大型タンカー船ごと転移して来たのかな?
まあ、いいか。
だいぶ長い期間放置されているんだろうか、かなり錆び付いているけど、姿は完全に保たれている。
船底の土手っ腹に、魚雷でも撃ち込まれたかのような大きな穴が開いていた。
あれだけ大きな穴が開いていれば沈没するだろうさ。
たぶんオークどもは、あそこから船内に出入りしているんだろうな。
今この位置から観察している限り、オークの姿は見えない。
船内に居るのだろうか?
てか、あんな物が陸地のド真ん中に放置されてたら、見た目はほとんど要塞だわな。
オーク十匹程度が占領するには広すぎるだろう。
でも、あれが本当にタンカーならば、中はほとんど空洞なのかな?
とりあえずもうちょっと接近して観察してみよう。
ランドワームにも気を付けないとな。
そう考えながら俺はアイアンシップに接近して行った。
すると周辺の乾いた地面を見ていてあることに気付く。
蹄と車輪の跡がある。
馬車かな?
しかも一台二台の跡じゃあないな。
その複数の跡は真っ直ぐアイアンシップに続いていた。
商人を襲って強奪した荷物を馬車で運び込んだ跡だろうか?
だとすると、たんまり貯め込んでいそうだな。
俺は岩や草に隠れながら進み、随分とアイアンシップに近付いた。
あと100メートルほどだ。
それでもオークたちの姿は見えない。
見張りすら立っていない様子だ。
オークって警戒心が低いのかな?
見張りが居ないから、俺は接近を続けた。
そして、アイアンシップの船尾側に到着する。
そこから土手っ腹に開いた穴に向かってソローリソローリと近付いて行った。
周囲は静かだった。
突風に煽られて船体が軋む鉄の音しか聴こえてこない。
穴に到着すると、俺は中を覗く。
船内は大きな空洞だった。
まだ、昼ごろだったからうっすらと明かりが入って来て、中の様子がぼんやりと伺えた。
しかし、静かだ。
本当に静かだった。
なんの気配も感じられない。
俺は調子に乗って中に侵入して行く。
船内は埃と鉄臭さのほかに、独特の獣臭さがあった。
あと、う◯こ臭い……。
ここにオークが巣くっているのは間違いないだろう。
俺は壁際に階段を見つけたので登って行く。
それを登り通路を進むと甲板にでた。
周囲が見渡せる高さだった。
ここまで来てもオークの姿は見えない。
でも、この船内にオークの住居スペースがあるはずだ。
たぶんオークどもは留守だな。
これだけ広いと俺一人ぐらいが隠れて潜むスペースは幾らでもありそうだわ。
んん?
なんだ?
俺が甲板から遠くを見ると砂煙が上がっているのが見えた。
なんだろう?
そう思いながら俺は望遠鏡で砂煙を見る。
すると砂煙を上げている正体が分かった。
オークだ。
なんかバッファロー二頭立ての馬車の手綱を甲冑でガッチガチのオークが引いている。
否。あれは馬車って代物じゃあないな。
ギリシャローマで盛んに使われていた戦車だぞ。
チャリオッツだわ。
しかもそんなのが10機は居るぞ。
あんな代物で襲われたら小さなキャラバンならイチコロだわな。
大津波に一瞬で飲み込まれるようなものだ。
流石に商人ギルドが殲滅を依頼してくるわけだな。
あいつらオークどもは、大戦争にでも参加するつもりだろうか。
戦車を引っ張ってる牛も乗り手も完全装備のフル甲冑だ。
だから、矢は通らないぞ、こりゃあ。
正面から堂々と戦うのも難しいだろう。
ちょっと作戦を変えないとならんな。
だとすると、あいつらが戦車を降りている時を狙わなくてはならないか。
「んー……」
俺は甲板の上から船体を見回した。
この船内に潜んで一匹ずつ襲うか。
生活中なら、あの甲冑も脱ぐだろうからさ。
そして、急遽作戦変更である。
この広い船内を生かしたゲリラ作戦で行きます。
おっと、凄い地響きが迫る。
ヤツらが穴から船内に入っていったぞ。
おそらくチャリオッツをどこかに停車させたら甲板に上がって来るだろうさ。
俺も早速隠れよう。
幸いこのビキニアーマーには潜伏の向上能力が付いている。
本当に使えるビキニアーマーだぜ!
恥を忍んで着こんだかいがあったってもんだ。
「風が強いな……」
砂が顔に当たると痛いから俺はフードで顔を隠していた。
俺は背高い岩場の上にたち片足を岩の出っぱりに乗せて望遠鏡を覗いている。
なんとも決まったポーズだぜ!
俺ってばカッコイイ!
吹き荒れる突風が羽織っているローブを靡かせ、俺が下に着ているビキニアーマーを露にさせた。
「いやん、まいっちんぐ!」
ちょっといろいろな場所がスースーするな。
特に股間とか……。
まあ、それはさておいて──。
俺の前方500メートルほど先にアイアンシップが見える。
「確かに鉄の船だわ。俺が予想していた船より大きいな」
おそらく全長100メートルはありそうだ。
てか、あれってタンカーじゃあねえか?
なんらかの天然燃料の運搬とかで使われる大型タンカー船だよね?
なんであんなものがこの異世界にあるんだろう?
あの大型タンカー船ごと転移して来たのかな?
まあ、いいか。
だいぶ長い期間放置されているんだろうか、かなり錆び付いているけど、姿は完全に保たれている。
船底の土手っ腹に、魚雷でも撃ち込まれたかのような大きな穴が開いていた。
あれだけ大きな穴が開いていれば沈没するだろうさ。
たぶんオークどもは、あそこから船内に出入りしているんだろうな。
今この位置から観察している限り、オークの姿は見えない。
船内に居るのだろうか?
てか、あんな物が陸地のド真ん中に放置されてたら、見た目はほとんど要塞だわな。
オーク十匹程度が占領するには広すぎるだろう。
でも、あれが本当にタンカーならば、中はほとんど空洞なのかな?
とりあえずもうちょっと接近して観察してみよう。
ランドワームにも気を付けないとな。
そう考えながら俺はアイアンシップに接近して行った。
すると周辺の乾いた地面を見ていてあることに気付く。
蹄と車輪の跡がある。
馬車かな?
しかも一台二台の跡じゃあないな。
その複数の跡は真っ直ぐアイアンシップに続いていた。
商人を襲って強奪した荷物を馬車で運び込んだ跡だろうか?
だとすると、たんまり貯め込んでいそうだな。
俺は岩や草に隠れながら進み、随分とアイアンシップに近付いた。
あと100メートルほどだ。
それでもオークたちの姿は見えない。
見張りすら立っていない様子だ。
オークって警戒心が低いのかな?
見張りが居ないから、俺は接近を続けた。
そして、アイアンシップの船尾側に到着する。
そこから土手っ腹に開いた穴に向かってソローリソローリと近付いて行った。
周囲は静かだった。
突風に煽られて船体が軋む鉄の音しか聴こえてこない。
穴に到着すると、俺は中を覗く。
船内は大きな空洞だった。
まだ、昼ごろだったからうっすらと明かりが入って来て、中の様子がぼんやりと伺えた。
しかし、静かだ。
本当に静かだった。
なんの気配も感じられない。
俺は調子に乗って中に侵入して行く。
船内は埃と鉄臭さのほかに、独特の獣臭さがあった。
あと、う◯こ臭い……。
ここにオークが巣くっているのは間違いないだろう。
俺は壁際に階段を見つけたので登って行く。
それを登り通路を進むと甲板にでた。
周囲が見渡せる高さだった。
ここまで来てもオークの姿は見えない。
でも、この船内にオークの住居スペースがあるはずだ。
たぶんオークどもは留守だな。
これだけ広いと俺一人ぐらいが隠れて潜むスペースは幾らでもありそうだわ。
んん?
なんだ?
俺が甲板から遠くを見ると砂煙が上がっているのが見えた。
なんだろう?
そう思いながら俺は望遠鏡で砂煙を見る。
すると砂煙を上げている正体が分かった。
オークだ。
なんかバッファロー二頭立ての馬車の手綱を甲冑でガッチガチのオークが引いている。
否。あれは馬車って代物じゃあないな。
ギリシャローマで盛んに使われていた戦車だぞ。
チャリオッツだわ。
しかもそんなのが10機は居るぞ。
あんな代物で襲われたら小さなキャラバンならイチコロだわな。
大津波に一瞬で飲み込まれるようなものだ。
流石に商人ギルドが殲滅を依頼してくるわけだな。
あいつらオークどもは、大戦争にでも参加するつもりだろうか。
戦車を引っ張ってる牛も乗り手も完全装備のフル甲冑だ。
だから、矢は通らないぞ、こりゃあ。
正面から堂々と戦うのも難しいだろう。
ちょっと作戦を変えないとならんな。
だとすると、あいつらが戦車を降りている時を狙わなくてはならないか。
「んー……」
俺は甲板の上から船体を見回した。
この船内に潜んで一匹ずつ襲うか。
生活中なら、あの甲冑も脱ぐだろうからさ。
そして、急遽作戦変更である。
この広い船内を生かしたゲリラ作戦で行きます。
おっと、凄い地響きが迫る。
ヤツらが穴から船内に入っていったぞ。
おそらくチャリオッツをどこかに停車させたら甲板に上がって来るだろうさ。
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