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23【メイド服に統一】
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初冒険から帰還した翌日。俺は自室の工房に籠っていろいろな作業に励んでいた。そんな俺をアビゲイルとアンジュがまったりと眺めている。
アビゲイルは部屋の隅に直立で立ち尽くしており、アンジュは本棚にタオルを敷いて寝そべりながらくつろいでいた。
アビゲイルは無表情だが、アンジュは詰まらなそうに欠伸をしていた。呑気な妖精である。
そして、俺はこの日の午前中に破損していたアビゲイルの指をスペアに取り替えたあと、今度はアンジュが着れる小型の洋服を編んでいたのだ。
小人の洋服を作るのは初めてだったが、裁縫は小さなころにお袋から習っていたから問題ない。それに小人サイズの物を作るのはフィギュアのお陰でなれている。
そして、昼を過ぎたぐらいでアンジュの洋服が出来上がった。
「よし、出来たぞ!」
俺が小さな洋服を広げながら声を張ると本棚からアンジュが飛んでくる。アンジュは嬉しそうだった。
「出来たのか、あたいの服が!?」
「ああ、早速着てみろ、アンジュ」
俺がアンジュに出来上がったばかりの洋服を手渡すと彼女はボロボロの服を脱ぎ捨てて裸になった。そして、小さな胸を隠しながら照れた口調で俺に言う。
「見~る~な~よ~、アトラス。恥ずかしいじゃないかぁ~」
「何が恥ずかしいだ。普段からビッチな発言ばかり飛ばしているくせに、こんな時だけ可愛い子ぶっても騙されないぞ、俺は」
「で~も~、裸を観られるのは恥ずかしいんだよ~」
「なら、ここで脱ぐな。どこかに隠れながら着替えろよ」
「ええ~。折角なんだから観たいとか思わないのか、妖精のストリップとかをさ~」
「なんだお前は! 見せたいのか見せたくないのかハッキリしろ!」
「じゃあ、見せてあげないよ~っだ」
そう言うとアンジュは本棚の陰に隠れてしまう。
「糞ッ。あのビッチ妖精め、焦らしやがって!」
本当は少し観たかったのだ。妖精のストリップって奴を……。
おちょくられた俺が一踏み地団駄を踏むとアビゲイルが側に寄ってきた。そして無表情のまま俺に言う。
『マスター、そんなに裸が御覧になりたいのなら、アビゲイルがお見せいたします』
「いいから、お前も黙っててくれないか……」
『畏まりました、マスター』
そう述べるとアビゲイルが部屋の隅に戻っていく。その背中は少し寂しそうである。まあ、気のせいだと思うけれどね。
そして、本棚の陰で着替え終わったアンジュが飛んで戻ってきた。それから着替えた服をヒラヒラさせながら見せびらかす。
「どうだ、アトラス。あたいは可愛いか?」
ミニスカートの両端を持ってヒラヒラさせるアンジュはメイド服姿である。アビゲイルに合わせて衣装を統一したのだ。
「むむ、妖精のメイド服って、侮れないな……」
なかなか可愛いかった。
黒い下地に白いエプロン。半袖にミニスカート。その下にロングニーソを履いている。それにカチューシャも妖精の可愛さを強調していた。マジで侮れない。でも、貧相な胸元だけが少し寂しかった。
そして、メイド服が気に入ったのかアンジュが上機嫌で訊いてきた。
「もしかして、アトラスってさ、メイド服がラブなのか?」
「いや、そんなことはないぞ。もちろん嫌いでもないがな」
「なるほどね。それでアビゲイルちゃんにもメイド服を着せて、あたいにもメイド服を着せたのか」
「だから違うってば……」
「でもさ、ドロシー婆さんにメイド服を着せるのは、かなりマニアックな趣味だとおもうぞ、あたいは」
「お前は総代な勘違いをしているぞ、アンジュ……」
そう、勘違いだ。俺のストライクゾーンはそこまでだだっ広くない。流石に70歳を越えた婆さんにはムラムラはできないがな。
「さてと、次は買い物にでも出るか」
俺が背伸びをしながら言うとアンジュがはしゃぎ出す。
「ええ、町に出るのか。どこにいくのさ。楽しいところか?」
「アビゲイルの武器を見に行くんだよ。やはりアビゲイルがいくら強くっても武器は要りそうだからな」
アビゲイルには戦闘での戦力を期待している。なので戦う度に指を破損されていたら堪らない。スペアにだって限りがあるし、人形の指を作るのはかなり時間がかかるのだ。だからやはり武器が必要だろう。それを探しに行くのだ。
「な~んだ、アビゲイルちゃんの買い物か~」
「嫌だったらアンジュは付いてこなくって構わないぞ。留守番でもしてるか?」
「あーたーいーもー、行くよー。人間の町とかをゆっくり観たいからね!」
まったく、この妖精は素直じゃない。面倒臭い妖精だ。使い魔にしたのは失敗だったかも知れない。
まあ、なんにしろだ。
「よし、行くぞアビゲイル」
『畏まりました、マスター』
こうして俺はアビゲイルとアンジュを引き連れて町に繰り出した。行き先は決まっている。武器屋のジンさんの店である。
ジンさんのフルネームは、ジンゴローなんたらかんたらうんたらかんたらと言う凄く長い名前である。正直名前が長すぎて覚えられない。とにかくジュゲムジュゲムのように長いのだ。
何故にそのように長い名前なのかと説明すれば、ジンさんがドワーフだからだ。
ジンさん曰く、ドワーフの鍛冶屋は、腕利きほど名前が長くなるらしいのだ。種族あるあるらしい。
でも、ジンさんは心の広いドワーフなのだ。名前を覚えていないぐらいは気にも止めていないのである。
そんなこんなで俺はギランタウンの武器屋であるジンさんの店にやって来ていた。
店頭には様々な武器が並んでいる。剣や戦斧、ハンマーやスピアなど。更には盾や甲冑まで揃っている。そのような商品の後ろで一人のドワーフが鍛冶仕事に励んでいた。熱々の竈の前で鋼を鍛えている。このドワーフがジンさんだ。
アビゲイルは部屋の隅に直立で立ち尽くしており、アンジュは本棚にタオルを敷いて寝そべりながらくつろいでいた。
アビゲイルは無表情だが、アンジュは詰まらなそうに欠伸をしていた。呑気な妖精である。
そして、俺はこの日の午前中に破損していたアビゲイルの指をスペアに取り替えたあと、今度はアンジュが着れる小型の洋服を編んでいたのだ。
小人の洋服を作るのは初めてだったが、裁縫は小さなころにお袋から習っていたから問題ない。それに小人サイズの物を作るのはフィギュアのお陰でなれている。
そして、昼を過ぎたぐらいでアンジュの洋服が出来上がった。
「よし、出来たぞ!」
俺が小さな洋服を広げながら声を張ると本棚からアンジュが飛んでくる。アンジュは嬉しそうだった。
「出来たのか、あたいの服が!?」
「ああ、早速着てみろ、アンジュ」
俺がアンジュに出来上がったばかりの洋服を手渡すと彼女はボロボロの服を脱ぎ捨てて裸になった。そして、小さな胸を隠しながら照れた口調で俺に言う。
「見~る~な~よ~、アトラス。恥ずかしいじゃないかぁ~」
「何が恥ずかしいだ。普段からビッチな発言ばかり飛ばしているくせに、こんな時だけ可愛い子ぶっても騙されないぞ、俺は」
「で~も~、裸を観られるのは恥ずかしいんだよ~」
「なら、ここで脱ぐな。どこかに隠れながら着替えろよ」
「ええ~。折角なんだから観たいとか思わないのか、妖精のストリップとかをさ~」
「なんだお前は! 見せたいのか見せたくないのかハッキリしろ!」
「じゃあ、見せてあげないよ~っだ」
そう言うとアンジュは本棚の陰に隠れてしまう。
「糞ッ。あのビッチ妖精め、焦らしやがって!」
本当は少し観たかったのだ。妖精のストリップって奴を……。
おちょくられた俺が一踏み地団駄を踏むとアビゲイルが側に寄ってきた。そして無表情のまま俺に言う。
『マスター、そんなに裸が御覧になりたいのなら、アビゲイルがお見せいたします』
「いいから、お前も黙っててくれないか……」
『畏まりました、マスター』
そう述べるとアビゲイルが部屋の隅に戻っていく。その背中は少し寂しそうである。まあ、気のせいだと思うけれどね。
そして、本棚の陰で着替え終わったアンジュが飛んで戻ってきた。それから着替えた服をヒラヒラさせながら見せびらかす。
「どうだ、アトラス。あたいは可愛いか?」
ミニスカートの両端を持ってヒラヒラさせるアンジュはメイド服姿である。アビゲイルに合わせて衣装を統一したのだ。
「むむ、妖精のメイド服って、侮れないな……」
なかなか可愛いかった。
黒い下地に白いエプロン。半袖にミニスカート。その下にロングニーソを履いている。それにカチューシャも妖精の可愛さを強調していた。マジで侮れない。でも、貧相な胸元だけが少し寂しかった。
そして、メイド服が気に入ったのかアンジュが上機嫌で訊いてきた。
「もしかして、アトラスってさ、メイド服がラブなのか?」
「いや、そんなことはないぞ。もちろん嫌いでもないがな」
「なるほどね。それでアビゲイルちゃんにもメイド服を着せて、あたいにもメイド服を着せたのか」
「だから違うってば……」
「でもさ、ドロシー婆さんにメイド服を着せるのは、かなりマニアックな趣味だとおもうぞ、あたいは」
「お前は総代な勘違いをしているぞ、アンジュ……」
そう、勘違いだ。俺のストライクゾーンはそこまでだだっ広くない。流石に70歳を越えた婆さんにはムラムラはできないがな。
「さてと、次は買い物にでも出るか」
俺が背伸びをしながら言うとアンジュがはしゃぎ出す。
「ええ、町に出るのか。どこにいくのさ。楽しいところか?」
「アビゲイルの武器を見に行くんだよ。やはりアビゲイルがいくら強くっても武器は要りそうだからな」
アビゲイルには戦闘での戦力を期待している。なので戦う度に指を破損されていたら堪らない。スペアにだって限りがあるし、人形の指を作るのはかなり時間がかかるのだ。だからやはり武器が必要だろう。それを探しに行くのだ。
「な~んだ、アビゲイルちゃんの買い物か~」
「嫌だったらアンジュは付いてこなくって構わないぞ。留守番でもしてるか?」
「あーたーいーもー、行くよー。人間の町とかをゆっくり観たいからね!」
まったく、この妖精は素直じゃない。面倒臭い妖精だ。使い魔にしたのは失敗だったかも知れない。
まあ、なんにしろだ。
「よし、行くぞアビゲイル」
『畏まりました、マスター』
こうして俺はアビゲイルとアンジュを引き連れて町に繰り出した。行き先は決まっている。武器屋のジンさんの店である。
ジンさんのフルネームは、ジンゴローなんたらかんたらうんたらかんたらと言う凄く長い名前である。正直名前が長すぎて覚えられない。とにかくジュゲムジュゲムのように長いのだ。
何故にそのように長い名前なのかと説明すれば、ジンさんがドワーフだからだ。
ジンさん曰く、ドワーフの鍛冶屋は、腕利きほど名前が長くなるらしいのだ。種族あるあるらしい。
でも、ジンさんは心の広いドワーフなのだ。名前を覚えていないぐらいは気にも止めていないのである。
そんなこんなで俺はギランタウンの武器屋であるジンさんの店にやって来ていた。
店頭には様々な武器が並んでいる。剣や戦斧、ハンマーやスピアなど。更には盾や甲冑まで揃っている。そのような商品の後ろで一人のドワーフが鍛冶仕事に励んでいた。熱々の竈の前で鋼を鍛えている。このドワーフがジンさんだ。
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