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39【コープスモール①】
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金髪の騎士が遂げ付きメイスでスケルトンの頭を打ち砕き、巨漢の騎士がハンマーでスケルトンの上半身を凪払う。そして、デズモンド公爵が自慢の長剣でスケルトン数体の首を同時に斬り落とす。
その戦況は圧倒的だった。スケルトンたちではデズモンド公爵の足元にも及ばない。武装しているスケルトンですら子供扱いで打ち破って行くのだ。
「脆い脆い脆いぞ!」
「ヒャッハー!」
「ソニックブームッ!」
三人がはしゃぐようにスケルトンたちを蹴散らしていると、スケルトンの群れが二つに割れた。真っ直ぐな道を一本作り出す。その一本道の果てに軍馬に乗った騎士の姿があった。
騎士はスケルトン。馬もスケルトンだった。手にはランスを構えてカイトシールドまで装備している。このまま一本道を直進してランスチャージを仕掛けてくるつもりだろう。
『ヒヒィ~~ン!』
蹄で土を蹴る骸骨騎馬が魂で鳴いていた。鼻息も荒い。骸骨騎馬も殺る気満々だ。
「面白い、スケルトンナイトライダーか。ならば騎士として受けて立とうぞ!」
言いながらデズモンド公爵が長剣を頭の上まで振りかざす。上段の構えだ。その構えのままナイトライダーが攻めてくるのを待っていた。
ガイルとグランドールは、そんな主の両サイドに立って他のスケルトンたちが手出し出来ないように守っている。そのホーメーションは完璧だ。
そして、始まる一騎討ち。
馬上のナイトライダーが手綱で骸骨騎馬の首筋を叩いた。それを合図に骸骨騎馬が走り出す。その速度は一瞬でトップスピードまで上昇していた。流石は死んだ馬である。生きた存在の理を越えていた。
『ヒヒィ~~ン!』
『ホネホネホネッ!!』
「斬ッ!」
太い首を斜めにランスの突きを躱したデズモンド公爵が力強い踏み込みと同時に長剣を真っ直ぐに振るった。その一撃はナイトライダーを脳天から股間まで真っ二つに両断すると骸骨騎馬まで真っ二つに両断してしまう。
そして、二つに別れた騎馬がデズモンド公爵の両脇を過ぎて後方で崩れ落ちる。一撃必殺だった。
「良い突きだったぞ。だが、我と競うにはまだまだ未熟。転生してもう一度修行してまいれ。我なら逃げも隠れもせずに待っておるぞ!」
アンデッド相手に言い放つデズモンド公爵は本気だった。本気でそう思っているのだ。その辺が天然で怖いところである。まさに戦闘狂だ。
そして、俺が呆れながら武人たちの背中を眺めていると、隣に立っていたシソンヌ隊長が俺に声を掛けてきた。
「アトラス殿は、ネクロマンサーたる魔術師クラスをご存じですか?」
口髭を撫でる騎士団の隊長。話し掛けられるのも初めてだったが、人当たりの良い紳士に伺えた。
「ああ、知ってるよ。ゾンビやらスケルトンを死体から召喚して操る死人使いだろ」
ネクロマンサーとは死体を媒体に使い魔を召喚して操る根暗で陰気な魔術師だ。その魔術形態から負の魔術師代表各で、同じ魔法使い中までも評判が悪いクラスである。俺が歩んでいるゴーレムマスターよりも不人気だ。だが、不老不死に憧れる曲がった精神の変態魔術師には人気なクラスである。
「おそらく、このスケルトンの群れはネクロマンサーの仕業だと思うのですが」
確かにその可能性は高い。高いが疑問もあった。
「ネクロマンサーの仕業でも、これだけの数をいきなり壁の中に召喚できますかね?」
そうなのだ。ネクロマンサーがアンデッドモンスターを召喚するには死体が必須だ。その生け贄がここにはない。これだけのスケルトン軍団を召喚できるだけの死体がこの辺にあるわけがないのだ。
「では、コープスモールと言うネクロマンサーをご存じですか?」
「コープスモール……?」
直訳して死体安置所である。
「最近闇社会で襲撃を得意とする殺し屋が居ましてね。そいつの手口が唐突にスケルトンの集団を召喚して襲わせる手口なのですよ」
今回の襲撃に類似している。だが、大きな疑問があった。
「ですが、アンデッドモンスターの召喚には死体が必須。近くに墓場があればともかく、ここら辺には墓地は無いですよ。墓地は町の反対側だ。ここまでスケルトンを引き連れて来るにしても、それでは町の警護に見付かってしまう」
「だから、不思議なのですよ。どうやってコープスモールが複数の死体を用意しているかが不思議で」
「あっ」
俺は閃いた。だが不効率な閃きである。それは死体がなければ異次元宝物庫で運んで来れば良いのでは無いだろうか、と考えたのだ。ブルジョアの発想である。
だが、大型の異次元宝物庫で運べるサイズは大きめのタンスサイズだ。そこに死体を詰め込んでも精々数体だけだろう。いや、かさばらないスケルトンならばもっと運べるかも知れない。5体、否、7体は運べるか?
でも、それでもこの数は運べないだろう。だとすると、幾つもの異次元宝物庫が必要となる。しかし、それだけの数の異次元宝物庫を使えば運べるのではないか?
それに超大型の異次元宝物庫を使えばもっと運べるはずだ。超大型はちょっとした倉庫並みに大きいと聞いたことがある。しかし高価で珍しいマジックアイテムだ。そもそもそうそう売ってないし手にも入らない。
ならば、今回の黒幕は、超大型の異次元宝物庫を持っている可能性が高い。少なくても複数の異次元宝物庫を持っているのは間違いないだろう。ブルジョア作戦だね。
だとするならば、討伐したら異次元宝物庫が手に入るのではないだろうか?
勝者が敗者の金品を奪う。それは荒くれ者が蔓延るこの異世界では常識的な鉄則だ。悪でもなんでもない行為。
俺は貪欲に微笑んだ。
「アビゲイル、俺たちも参戦するぞ」
『畏まりました、マスター』
その戦況は圧倒的だった。スケルトンたちではデズモンド公爵の足元にも及ばない。武装しているスケルトンですら子供扱いで打ち破って行くのだ。
「脆い脆い脆いぞ!」
「ヒャッハー!」
「ソニックブームッ!」
三人がはしゃぐようにスケルトンたちを蹴散らしていると、スケルトンの群れが二つに割れた。真っ直ぐな道を一本作り出す。その一本道の果てに軍馬に乗った騎士の姿があった。
騎士はスケルトン。馬もスケルトンだった。手にはランスを構えてカイトシールドまで装備している。このまま一本道を直進してランスチャージを仕掛けてくるつもりだろう。
『ヒヒィ~~ン!』
蹄で土を蹴る骸骨騎馬が魂で鳴いていた。鼻息も荒い。骸骨騎馬も殺る気満々だ。
「面白い、スケルトンナイトライダーか。ならば騎士として受けて立とうぞ!」
言いながらデズモンド公爵が長剣を頭の上まで振りかざす。上段の構えだ。その構えのままナイトライダーが攻めてくるのを待っていた。
ガイルとグランドールは、そんな主の両サイドに立って他のスケルトンたちが手出し出来ないように守っている。そのホーメーションは完璧だ。
そして、始まる一騎討ち。
馬上のナイトライダーが手綱で骸骨騎馬の首筋を叩いた。それを合図に骸骨騎馬が走り出す。その速度は一瞬でトップスピードまで上昇していた。流石は死んだ馬である。生きた存在の理を越えていた。
『ヒヒィ~~ン!』
『ホネホネホネッ!!』
「斬ッ!」
太い首を斜めにランスの突きを躱したデズモンド公爵が力強い踏み込みと同時に長剣を真っ直ぐに振るった。その一撃はナイトライダーを脳天から股間まで真っ二つに両断すると骸骨騎馬まで真っ二つに両断してしまう。
そして、二つに別れた騎馬がデズモンド公爵の両脇を過ぎて後方で崩れ落ちる。一撃必殺だった。
「良い突きだったぞ。だが、我と競うにはまだまだ未熟。転生してもう一度修行してまいれ。我なら逃げも隠れもせずに待っておるぞ!」
アンデッド相手に言い放つデズモンド公爵は本気だった。本気でそう思っているのだ。その辺が天然で怖いところである。まさに戦闘狂だ。
そして、俺が呆れながら武人たちの背中を眺めていると、隣に立っていたシソンヌ隊長が俺に声を掛けてきた。
「アトラス殿は、ネクロマンサーたる魔術師クラスをご存じですか?」
口髭を撫でる騎士団の隊長。話し掛けられるのも初めてだったが、人当たりの良い紳士に伺えた。
「ああ、知ってるよ。ゾンビやらスケルトンを死体から召喚して操る死人使いだろ」
ネクロマンサーとは死体を媒体に使い魔を召喚して操る根暗で陰気な魔術師だ。その魔術形態から負の魔術師代表各で、同じ魔法使い中までも評判が悪いクラスである。俺が歩んでいるゴーレムマスターよりも不人気だ。だが、不老不死に憧れる曲がった精神の変態魔術師には人気なクラスである。
「おそらく、このスケルトンの群れはネクロマンサーの仕業だと思うのですが」
確かにその可能性は高い。高いが疑問もあった。
「ネクロマンサーの仕業でも、これだけの数をいきなり壁の中に召喚できますかね?」
そうなのだ。ネクロマンサーがアンデッドモンスターを召喚するには死体が必須だ。その生け贄がここにはない。これだけのスケルトン軍団を召喚できるだけの死体がこの辺にあるわけがないのだ。
「では、コープスモールと言うネクロマンサーをご存じですか?」
「コープスモール……?」
直訳して死体安置所である。
「最近闇社会で襲撃を得意とする殺し屋が居ましてね。そいつの手口が唐突にスケルトンの集団を召喚して襲わせる手口なのですよ」
今回の襲撃に類似している。だが、大きな疑問があった。
「ですが、アンデッドモンスターの召喚には死体が必須。近くに墓場があればともかく、ここら辺には墓地は無いですよ。墓地は町の反対側だ。ここまでスケルトンを引き連れて来るにしても、それでは町の警護に見付かってしまう」
「だから、不思議なのですよ。どうやってコープスモールが複数の死体を用意しているかが不思議で」
「あっ」
俺は閃いた。だが不効率な閃きである。それは死体がなければ異次元宝物庫で運んで来れば良いのでは無いだろうか、と考えたのだ。ブルジョアの発想である。
だが、大型の異次元宝物庫で運べるサイズは大きめのタンスサイズだ。そこに死体を詰め込んでも精々数体だけだろう。いや、かさばらないスケルトンならばもっと運べるかも知れない。5体、否、7体は運べるか?
でも、それでもこの数は運べないだろう。だとすると、幾つもの異次元宝物庫が必要となる。しかし、それだけの数の異次元宝物庫を使えば運べるのではないか?
それに超大型の異次元宝物庫を使えばもっと運べるはずだ。超大型はちょっとした倉庫並みに大きいと聞いたことがある。しかし高価で珍しいマジックアイテムだ。そもそもそうそう売ってないし手にも入らない。
ならば、今回の黒幕は、超大型の異次元宝物庫を持っている可能性が高い。少なくても複数の異次元宝物庫を持っているのは間違いないだろう。ブルジョア作戦だね。
だとするならば、討伐したら異次元宝物庫が手に入るのではないだろうか?
勝者が敗者の金品を奪う。それは荒くれ者が蔓延るこの異世界では常識的な鉄則だ。悪でもなんでもない行為。
俺は貪欲に微笑んだ。
「アビゲイル、俺たちも参戦するぞ」
『畏まりました、マスター』
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