60 / 69
60・糞爺
しおりを挟む
長い顎髭を撫でる蜥蜴の老人は腰の曲がった体を支えるように木の枝で出来た背の高い杖をついている。
体型は矮躯で薄汚いローブを纏っていた。
ツルツル鱗肌の蜥蜴老人は、戦士と言うよりも魔術師に見える。
そう言えば、ハートジャックが最初に偵察してきた際の報告では長老は老体の魔法使いだと言っていた。
確かに外見は魔法使い風である。
あるが──。
先程キングに奇襲を仕掛けてきた動きを見る限り、あれは魔法使いの動きではなかった。
ってか、魔法なんて使っていなかった。
余所見をしているキングにスタッフで殴りかかり、ドスで腹を刺し、更には背後から金的を蹴り上げてきた。
あれは魔法ではない。
明らかに武術の攻撃だ。
この蜥蜴ジジイは、背中こそ曲がっているが、若いころは間違いなく武術家だっただろう。
しかも、ルールに縛られない型で、なんでもありの実戦タイプの格闘術だ。
言うなれば、戦場格闘技かも知れない。
まあ、この村の訓練度を見ていれば分かる。
このジジイは武術の達人だろう。
しかも、卑劣な達人だ。
厄介である。
だが、この一癖も二癖もありそうな爺さんを相手にキングがどう戦うかが楽しみではあるな。
リアルを超え過ぎて、エンタメっぽくなってるもの。
俺は口角を釣り上げながらキングにアドバイスを飛ばした。
「キング、隙を見せるな。余所見をするなよ、目を外すなよ。隙を見せれば躊躇なく攻めてくるぞ、このジジイはよ」
「わ、分かっています、エリク様……」
まだ蹴られた股間が痛むのか、キングは苦痛の表情で脂汗を流していた。
苦痛のあまりに背を丸めている。
そして、表情を憤怒に引きつらせながらキングがムサシに質問を投げ掛けた。
「長老ムサシ殿、あなたが三者目の相手ですな……」
ムサシが笑いながら返した。
「カッカッカッカッ、左様。この老戦士ムサシがお相手いたす」
背を丸めた両者が向かい合う。
でも、睨み合う姿が少し間抜けに見えた。
『魔王様、一つ質問していいですか?』
「なんだ、キルル?」
『男の人って、股間を蹴られると死ぬほど痛いのですか?』
「キルル、男は女と違って二つの心臓を持っているんだ。一つが胸に、もう一つは股間にある」
『本当ですか!?』
本当のわけがない。
「だが、二つあるが、一つでも潰れれば男は死んでしまうんだよ……」
嘘である。
『男の人って大変ですね!』
信じるのかよ!
「ああ、だから、間違っても女の子が男のキャンタマを攻撃してはいけないぞ!」
『そんなところは狙いませんよ。ばっちい……』
「ばっちいとか言うな!!」
俺とキルルが楽しく会話を楽しんでいると、ダメージから回復したキングが姿勢を正して直立した。
胸を張り、深呼吸の後に言う。
「ムサシ殿、相手が老体でも手加減はいたしませんぞ」
「カッカッカッカッ。構わんぞ。だが、儂はハンデをやろう」
「ハンデ?」
「持っているポーションを飲みなされ。腹の傷を癒すことを許しますぞ」
キングの腹は合い口で刺されて流血している。
この卑劣なジジイが不意打ちを仕掛けて刺したのだ。
「そのようなハンデをくれてでも、私に勝てると言うのですか?」
「三打の攻撃で悟れましたわい。儂のほうが上だと。カッカッカッカッ」
ムサシが余裕に笑う。
キングが鼻の頭に深い皺を寄せながら言った。
「ならばこちらも傷を癒して、全力でお相手いたしましょうぞ!」
言いながらキングがズボンのポケットからポーションが入った小瓶を取り出した。
蓋のコルクを口で抜くとポーションを上を向いて飲み干そうとする。
だが──。
「またまた隙有り!」
「くほっ!!」
キングがポーションを飲もうと上を向いた瞬間にムサシが杖で攻撃してきた。
杖の先がキングの喉にめり込む。
「くはぁぁああ!!」
キングは飲み掛けていたポーションを吐き散らしながらダウンした。
喉を押さえながらのたうち回る。
「ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ!」
ムサシはポーションを飲ませる気はないようだ。
『あー……、また不意打ちですね……』
「だから油断するなって言ったのに……」
俺とキルルが呆れていると、喉を押さえながらキングが立ち上がる。
「お、おのれ、この糞ジジイが、ぶっ殺してやる!!」
ついにキングが本気で吠えていた。
怒りのあまりに本音が出たようだ。
「ガルルルルル!!!」
憤怒に任せてキングがシミターを抜くと∞の字を画くように頭身を振るう。
そこから大きく振りかぶった。
「覚悟っ!!」
キングが光るシミターで袈裟斬りを狙う。
「気が荒いのぉ~」
しかし、その一振りをムサシは軽い一歩のバックステップで回避した。
背中が曲がっているのに身軽な動きである。
更にムサシは回避しただけでない。
シミターの袈裟斬りを回避した直後に手にした杖を振るってキングの額を叩いた。
「えやっ」
ガツンと重い音がなる。
「ぐっ!!」
すると衝撃にキングの首が縮む。
それは、華奢な棒斬れで叩いた音ではなかった。
例えるならば、杖と言うより大きな棍棒で殴り付けたような重い音だった。
そして、頭を杖で殴られたキングの体がよろめいた。
千鳥足でふらつきながら倒れそうである。
「おの、れぇ……」
キングは受けたダメージの目眩から膝の力が緩んだのだろう。
膝間接がカクンっと折れて倒れそうになる。
「ぬぬなななっ……!」
それでもキングは倒れないで体勢を保とうと試みる。
転倒を凌ぐ。
「ほほう、堪えたか。ならば──」
更にムサシが杖を振るってキングの片足を横から叩いた。
足首を内から外に払うように叩き飛ばしたのだ。
「かっ!?」
片足を払われ股を開くように体制を崩したキングの姿勢が深く落ちる。
「もう、ええじゃろ」
次の瞬間、横一線に光が煌めいた。
ムサシが懐から出した合い口でキングの喉を切りつけたのだ。
バランスを崩していたためにキングはその攻撃を回避できなかった。
もろに食らう。
「がはっ!!」
咳と共に鮮血を吐き散らすキングの首から大量の流血が飛び散った。
『キャ!』
「切られたか!」
キングが首をザックリと切られた。
傷は深そうだ。
「マズイっ!!」
それを見て俺はキングの頭を越えてムサシに飛び掛かる。
「おりゃぁああ!!」
俺は飛び蹴りで乱入したが、ムサシは後方に長く飛ぶと距離を作る。
逃げられた。
「キング!?」
俺が振り返りキングの様子を伺うと、首を刈られたキングは噴水のように鮮血を吹上ながら仰向けに倒れ混んでいた。
ヤバイ!
「キルル、キングにポーションを飲ませろ、早くだ!!」
『は、はいっ!!』
ドツ!!
すると俺の背中に痛みが走る。
「本当に余所見が多い連中だわい」
「き、きさま……」
俺は背後からムサシに合い口で刺されていた。
背中に熱い痛みが走る。
「キッ!!」
しかし、振り返ると同時に裏拳を振るった。
即座の反撃である。
だが、ムサシは合い口を俺の背中に残したままスェーバックで回避すると距離を作って間合いを築く。
「口程にもない連中よのぉ~。隙だらけだわい。カッカッカッカッ」
老蜥蜴は顎髭を撫でながら笑っていた。
「ぺっ!」
俺は足元に唾を吐き捨ててから愚痴る。
「この爺、マジで糞ジジイだぜ……」
体型は矮躯で薄汚いローブを纏っていた。
ツルツル鱗肌の蜥蜴老人は、戦士と言うよりも魔術師に見える。
そう言えば、ハートジャックが最初に偵察してきた際の報告では長老は老体の魔法使いだと言っていた。
確かに外見は魔法使い風である。
あるが──。
先程キングに奇襲を仕掛けてきた動きを見る限り、あれは魔法使いの動きではなかった。
ってか、魔法なんて使っていなかった。
余所見をしているキングにスタッフで殴りかかり、ドスで腹を刺し、更には背後から金的を蹴り上げてきた。
あれは魔法ではない。
明らかに武術の攻撃だ。
この蜥蜴ジジイは、背中こそ曲がっているが、若いころは間違いなく武術家だっただろう。
しかも、ルールに縛られない型で、なんでもありの実戦タイプの格闘術だ。
言うなれば、戦場格闘技かも知れない。
まあ、この村の訓練度を見ていれば分かる。
このジジイは武術の達人だろう。
しかも、卑劣な達人だ。
厄介である。
だが、この一癖も二癖もありそうな爺さんを相手にキングがどう戦うかが楽しみではあるな。
リアルを超え過ぎて、エンタメっぽくなってるもの。
俺は口角を釣り上げながらキングにアドバイスを飛ばした。
「キング、隙を見せるな。余所見をするなよ、目を外すなよ。隙を見せれば躊躇なく攻めてくるぞ、このジジイはよ」
「わ、分かっています、エリク様……」
まだ蹴られた股間が痛むのか、キングは苦痛の表情で脂汗を流していた。
苦痛のあまりに背を丸めている。
そして、表情を憤怒に引きつらせながらキングがムサシに質問を投げ掛けた。
「長老ムサシ殿、あなたが三者目の相手ですな……」
ムサシが笑いながら返した。
「カッカッカッカッ、左様。この老戦士ムサシがお相手いたす」
背を丸めた両者が向かい合う。
でも、睨み合う姿が少し間抜けに見えた。
『魔王様、一つ質問していいですか?』
「なんだ、キルル?」
『男の人って、股間を蹴られると死ぬほど痛いのですか?』
「キルル、男は女と違って二つの心臓を持っているんだ。一つが胸に、もう一つは股間にある」
『本当ですか!?』
本当のわけがない。
「だが、二つあるが、一つでも潰れれば男は死んでしまうんだよ……」
嘘である。
『男の人って大変ですね!』
信じるのかよ!
「ああ、だから、間違っても女の子が男のキャンタマを攻撃してはいけないぞ!」
『そんなところは狙いませんよ。ばっちい……』
「ばっちいとか言うな!!」
俺とキルルが楽しく会話を楽しんでいると、ダメージから回復したキングが姿勢を正して直立した。
胸を張り、深呼吸の後に言う。
「ムサシ殿、相手が老体でも手加減はいたしませんぞ」
「カッカッカッカッ。構わんぞ。だが、儂はハンデをやろう」
「ハンデ?」
「持っているポーションを飲みなされ。腹の傷を癒すことを許しますぞ」
キングの腹は合い口で刺されて流血している。
この卑劣なジジイが不意打ちを仕掛けて刺したのだ。
「そのようなハンデをくれてでも、私に勝てると言うのですか?」
「三打の攻撃で悟れましたわい。儂のほうが上だと。カッカッカッカッ」
ムサシが余裕に笑う。
キングが鼻の頭に深い皺を寄せながら言った。
「ならばこちらも傷を癒して、全力でお相手いたしましょうぞ!」
言いながらキングがズボンのポケットからポーションが入った小瓶を取り出した。
蓋のコルクを口で抜くとポーションを上を向いて飲み干そうとする。
だが──。
「またまた隙有り!」
「くほっ!!」
キングがポーションを飲もうと上を向いた瞬間にムサシが杖で攻撃してきた。
杖の先がキングの喉にめり込む。
「くはぁぁああ!!」
キングは飲み掛けていたポーションを吐き散らしながらダウンした。
喉を押さえながらのたうち回る。
「ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ!」
ムサシはポーションを飲ませる気はないようだ。
『あー……、また不意打ちですね……』
「だから油断するなって言ったのに……」
俺とキルルが呆れていると、喉を押さえながらキングが立ち上がる。
「お、おのれ、この糞ジジイが、ぶっ殺してやる!!」
ついにキングが本気で吠えていた。
怒りのあまりに本音が出たようだ。
「ガルルルルル!!!」
憤怒に任せてキングがシミターを抜くと∞の字を画くように頭身を振るう。
そこから大きく振りかぶった。
「覚悟っ!!」
キングが光るシミターで袈裟斬りを狙う。
「気が荒いのぉ~」
しかし、その一振りをムサシは軽い一歩のバックステップで回避した。
背中が曲がっているのに身軽な動きである。
更にムサシは回避しただけでない。
シミターの袈裟斬りを回避した直後に手にした杖を振るってキングの額を叩いた。
「えやっ」
ガツンと重い音がなる。
「ぐっ!!」
すると衝撃にキングの首が縮む。
それは、華奢な棒斬れで叩いた音ではなかった。
例えるならば、杖と言うより大きな棍棒で殴り付けたような重い音だった。
そして、頭を杖で殴られたキングの体がよろめいた。
千鳥足でふらつきながら倒れそうである。
「おの、れぇ……」
キングは受けたダメージの目眩から膝の力が緩んだのだろう。
膝間接がカクンっと折れて倒れそうになる。
「ぬぬなななっ……!」
それでもキングは倒れないで体勢を保とうと試みる。
転倒を凌ぐ。
「ほほう、堪えたか。ならば──」
更にムサシが杖を振るってキングの片足を横から叩いた。
足首を内から外に払うように叩き飛ばしたのだ。
「かっ!?」
片足を払われ股を開くように体制を崩したキングの姿勢が深く落ちる。
「もう、ええじゃろ」
次の瞬間、横一線に光が煌めいた。
ムサシが懐から出した合い口でキングの喉を切りつけたのだ。
バランスを崩していたためにキングはその攻撃を回避できなかった。
もろに食らう。
「がはっ!!」
咳と共に鮮血を吐き散らすキングの首から大量の流血が飛び散った。
『キャ!』
「切られたか!」
キングが首をザックリと切られた。
傷は深そうだ。
「マズイっ!!」
それを見て俺はキングの頭を越えてムサシに飛び掛かる。
「おりゃぁああ!!」
俺は飛び蹴りで乱入したが、ムサシは後方に長く飛ぶと距離を作る。
逃げられた。
「キング!?」
俺が振り返りキングの様子を伺うと、首を刈られたキングは噴水のように鮮血を吹上ながら仰向けに倒れ混んでいた。
ヤバイ!
「キルル、キングにポーションを飲ませろ、早くだ!!」
『は、はいっ!!』
ドツ!!
すると俺の背中に痛みが走る。
「本当に余所見が多い連中だわい」
「き、きさま……」
俺は背後からムサシに合い口で刺されていた。
背中に熱い痛みが走る。
「キッ!!」
しかし、振り返ると同時に裏拳を振るった。
即座の反撃である。
だが、ムサシは合い口を俺の背中に残したままスェーバックで回避すると距離を作って間合いを築く。
「口程にもない連中よのぉ~。隙だらけだわい。カッカッカッカッ」
老蜥蜴は顎髭を撫でながら笑っていた。
「ぺっ!」
俺は足元に唾を吐き捨ててから愚痴る。
「この爺、マジで糞ジジイだぜ……」
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる