将来、悲運な結末を迎える令嬢は幸せに生きる

都築稔

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ピアスと嫉妬

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「はぁ、リアは優しすぎる。」

ルカ様は、わざとらしくため息をついた。

「そんなこと・・・」

「あるんだよ。僕が何もわかってないと思ってる?」

私大好き人間のルカ様なら、私に向けられた僅かな敵意も気付きそうではあるけども。

「カエラ嬢だっけ?今日は遠慮してもらえる?ほら、この場で僕と一緒にいられると困るんだ。側室とか愛人を作るタイプだと思われたくないし。」

いや、誰もルカ様のことをそんな風に思わないと思いますけどね?まぁでも確かに、わかっていてもわかっていないふりして近寄ろうとする輩は出てくるかもしれませんね。

「承知いたしました。お2人のお邪魔をしてしまい、申し訳ございません。」

「カエラ、また話そうね。」

「えぇ、今日はありがとう。」

綺麗なカーテシーをして、カエラは会場の中央へ戻っていった。

「リア。」

「なぁに?」

「こっち向いて。」

カエラが去っても、その方向をずっと見ていたから拗ねてしまったようだ。
2人きりになる為にカエラを下がらせたくらいだからね。

横を向いた瞬間に、軽くキスされた。

あ、あの?!私たち、まだ6歳なんですよ?いや、幼いからこそできるんでしょうか?

「あっかい顔。」

ニヤァって効果音がつきそうなくらい、ルカ様のお顔が悪くなってます。

「ダメだよ。こんな可愛い顔、パーティー中にしてちゃ。」

いや、そうさせたのはどこの誰よ。

「もう・・・むくれたって可愛いだけなんだから。」

初めて会った時はツンデレ感あったのに、もはやデレッデレじゃないですか?そんなルカ様も好きですけど!

「わぁお!ルカもそんな顔するんだね。」

突然、声をかけられてビクッとしてしまった。

こんなバカップルみたいな場面を見られてたのは恥ずかし過ぎる。

「イル兄、来てたんだ。」

イル兄・・・・・・?
ルカ様にお兄様はいない設定だったはずなんだけど。

「やっほー、ルカ。」

「リア、これはうるさくてチャラい僕の従兄弟。」

「え、紹介の仕方が酷くない?"これ"ってなにさ。」

従兄さん、引っ掛かるところはそっちなんですか。じゃなくて、従兄弟?ということは、えぇっと・・・。

「ワーカイラ公爵だよ。」

「あぁ、ワーカイラ公爵!・・・って、私、口に出してましたか?」

「いや、リアはわかりやすいから。」

クツクツと笑った後、イリシャ・ワーカイラ様はご挨拶をしてくださった。

キラキラとしているけどセンスのいい装飾品を惜しみなく身につけている。嫌味じゃないのがすごい。

あぁ、あのピアスとかいいっ!
シルバーのリングを片耳だけとか、前世でもカッコいいなぁって思ってたんだよ。実は耳フェチだったりするんだよね。

「エミリア嬢、そんなに見つめられたら照れちゃうじゃん!」

そう言われてハッとした。

「え!ち、違います。見惚れてなんかないです。」

「えぇー!でも、さっきからずっと俺のこと見てたじゃん?」

クネクネしないでください!あぁ、もう!

あばばばばば。
横から殺気が流れてきている気がするのですが・・・これは絶対、気のせいじゃない。

「ルカ様!ほんとの本当に違うんです!」

「なにが?え、何が違うの?」

「あー、あー、あー。ルカ、悪かった!俺、退散するからさ。な?」

イル様、空気読んでくれてありがとう!もしかしたら、ただこの殺気から逃げただけかもしれないけど。

横にいるルカ様はじいっと地面を見つめて、ただ殺気を放っている。

あぁ、もう、これは仕方ない。

「あの、ルカ様。お尋ねしたいことがあります。」

「・・・・・・。」

「ピアスをつけたいと思ったことは?」

無言だけど、やっとこっちを向いてくれた!

「ちょっと、失礼いたします。」

耳辺りの髪を耳にかける。突然、耳を触られたルカ様はビクッとしてたけど大人しく触らせてくれる。

はぁ、ゲームの時から思ってた。ルカ様の耳の形がどタイプなのよ。でもルカ様はあまり装飾品をつけないから、もったいないなぁって思ってた。

「つけてほしいの?」

私の発言と、イル様の耳を思い出して合点がいったのだろう。

「あ、あの。私、実は耳フェチでして・・・」

「フェチ?」

「はい。形も大事ですけど、」

「ピアスがついてるとより好みだと?」

「・・・はい。」

「はぁ、なんだ。そんなこと?」

そんなこと?って、好みすぎたら耳を舐め回すように見ちゃうから気をつけてるのに。前世で好きな人に引かれて、トラウマなのに!

「いいよ、開ける。リアの好みは逃したくない。フェチだっていうなら尚更。あ、リアが開けてよ。」

「えええぇ、無理ですよ!鼻血噴いちゃうかもですし、痛くしちゃうかもしれないですよ?」

だって、どタイプの耳に近付いて触って・・・あぁ、萌える。変態だって嫌われなくてよかった。

「リアになら痛くされたっていいよ。」

「えぇぇぇ。」

「痛くされても、リアにされるなら最高。」

そうだ、ルカ様ってこういう人だったわ。私のフェチの話だって、喜びはしても引いたりなんかしないわ。

「ルカ様はないんですか?」

「フェチ?そうだなぁ、強いて言うならリアフェチ。リアの匂いの香水とかあったら、ずっと嗅いでたい。」

「変態!!」

「あははっ。」

こんなの、好きでもない人に言われたらトラウマものだよ。いや、好きな人に言われても引くわ、普通。

でも、ルカ様相手だと許しちゃう自分がいる。許すどころかキュンとしてるから重症。

「僕がつけるピアスは、リアが選んでくれたものだけにするよ。」

すっかり機嫌が直った模様。

どタイプの耳をプロデュースできるなら、もちろん気合を入れてやらせていただきますとも!

あぁぁ、早くパーティーが終わらないかしら?
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