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パーティーのそのあと

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「で?ライトの婚約者は決まったわけ?」

パーティーが終わった後、すぐに私たちは王妃様のティールームに集合していた。パーティーに参加していなかった王妃様は少しでも早く本日の結果を聞きたかったらしく、前々から終わった後にここへ来るように伝えられていた。

「まぁ、リアンったらせっかちね。でもそうね。私も知りたいわ。ライト、気になるご令嬢はいたかしら?」

まぁるいテーブルを5人で囲んでいる。王妃様から右へライト様、リアン様、ルカ様、私と順に座っている。
王妃様の1番近くに私が座るのはどうかと思うのだけど、他の男の横には座らせないとルカ様が譲らないのでこの配置。

「マリアンヌ嬢が気になっています。今日はあまりお話はできなかったのですが友だち想いの、とても心優しいご令嬢です。」

少し恥ずかしそうに俯いて、話すライト様は乙女みたいです。いや、天使かな?なんだかこう・・・周りがキラキラと輝いて見えるのよね。

「へぇ、あの子か。賢そうだったし、いいんじゃない?」

聞いたくせに、あんまり興味なさそうね。頬杖なんかついちゃって。

「そう言うリアンは?どなたか興味を惹かれる令嬢は見つけられたか?」

「そうだね。面白そうな令嬢を見つけたよ。」

「なんだか、リアンに見染められる令嬢が気の毒だ。」

「酷い言い草だな。」

ライト様、私もその気持ちわかる気がします。

それにしても、ライト様は王太子なのに両陛下は寛大よね。末子のルカ様だけじゃなくて、どの子どもにも自分で婚約者を選ばせるなんて。こういうのって、政略結婚で好きでもない相手と結婚させられるものじゃないの?私が本の読みすぎなのかしら。

というか、ここに私がいてもいいものなの?婚約者ではあるけど、まだ家族ではないし破棄される可能性がゼロではないわけで。
貴族社会の噂って怖いのよ?まだ婚約発表していない内容を私が一緒に聞いてもいいのかしら。

「リア、難しい顔してる。紅茶が口に合わなかった?他のを用意させようか?」

「いいえ、少し考え事をしていただけです。紅茶はとっても美味しいわ。」

「あら、エミリアちゃん。私もこの紅茶が大好きなのよ。お花の香りが広がる感じがいいのよね。」

「はい!まるで、口の中でお花が咲いたみたいです。」

「可愛いこと言うわね!」

王妃様、貴女も充分チャーミングでお可愛らしいです。多分、年齢を聞いたらびっくりしちゃうんだろうと思ってます。

「母様、リアはいつも可愛いんです。」

ルカ様、貴方は何を言ってるんですか。

「真顔で言うことじゃないだろ。恥ずかしいやつだな。」

「仲が良いのはいいことじゃないか。僕もマリアンヌ嬢とそうなりたいよ・・・。」

「はいはい。母様、ライトは頭に花が咲いたみたいだから早く話を進めてあげた方がいいみたいですよ。」

「ふふふ、そうねぇ。いい人が見つかったみたいで安心したわ。陛下にもお話ししておきますね。」

ライト様のお相手だけじゃなく、リアン様もいい人?を見つけられたようなので王妃様はとっても機嫌がいいようです。

「お菓子は食べないの?ほら、リアが好きなフィナンシェもケーキもあるよ。」

「ルカ様、パーティーの間もそうやって色々勧めてくださったじゃないですか。もう、お腹いっぱいですよ。」

「ルカ、あんまり食べさせると太るぞ。」

な、なにおう!ここに来て、確かに少し太ったかもしれないけど・・・。

「リアン、失礼だぞ。」

「口が悪いですよ。」

うぅぅ、みんな優しい。

「え、太ったらなんなんだよ。何か問題なのか?」

「本気で言ってる?」

「当たり前だろ。どんな体型だろうが、リアはリアだ。」

ルカ様・・・・・・!一生、ついて行きます!もう、婚約してるけど。

「リアン、ルカを見習った方がいい。」

「バカにされるのは本人だぞ。傷つくのも。」

あー、リアン様はリアン様なりに心配なさってくれてるのね。確かにそれも一理あるわ。なんてったって噂好きの貴族たちだし、王子の婚約者だしね。

「そんなバカな奴らを相手にする必要はない。外に出たくないなら、出る必要もないしな。」

あのぅ、それは私を監禁する口実にするおつもりなのでは?

「ルカ、エミリアちゃんの気持ちを大事にしてあげてね。」

「もちろんです。離れていかれると困るので。」

王妃様、心配しなくてもこの人は私に嫌われるようなことはしないと思います。いや、嫌っても追いかけてくるのか。

「こんなこと言われても引かないなんて・・・。」

「ルカはいい相手を見つけたよね。」

お二人さん、コソコソ言ってるつもりかもしれませんが聞こえてますよ。

「エミリアちゃん。ルカをよろしくね?」

「はい、喜んで。」

私はルカ様に執着されること、嬉しいことだと思ってるからね。何考えてるかわからない人よりも、わかりやすくていいと思わない?

「母様、今日はもう失礼してもいいですか?」

ルカ様がこの場を去ろうと、王妃様に声をかけた。お二人の婚約も話が進みそうだし、今日のパーティーは成功したと言えるだろう。

「そうね。パーティーの後だから疲れているでしょうし。」

いや、王妃様。私とルカ様はずっと2人で座ってましたよ。誰の相手もしてません。

「ありがとうございます。リア、行こう。」

「え?あ、お誘いありがとうございました。」

「ええ。また、お茶しましょうね。」

「はい。」

「ほら、行くよ。」

急かすように、立ち上がるのに合わせて椅子を引いてくれる。腕を差し出して、エスコートをするのも忘れない。

「本当に、エミリア嬢はよくやってるよね。」

「お似合いだよね。運命の相手って感じ。」

「・・・・・・はいはい。」

後ろで王子様たちに何か言われているようだけど、気にしないでおこう。

エスコートされるまま、部屋を後にした。

「ルカ様、どこへ行かれるのですか?」

「僕の部屋だよ。」

「お疲れですか?」

「いや?早く2人きりになりたかっただけだけど。」

んんっ、あー、この人はほんとに!嬉しいけど!キュンとしたけど!パーティーでも、実質2人きりでしたよ!

彼の言葉に簡単に振り回される私は、きっと一生、この人に敵わないんだろう。
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