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空間の歪み
しおりを挟む「何これ!嘘でしょ?!」
自分のいる場所が図書館だということも忘れて叫んでしまった。それも無理はないと思う。だって扉を開けて出たはずなのに、扉からまた図書館に入ったことになっているんだもの。意味がわからない。
試しにもう一度してみる。
扉を開けたまでは違和感がない。開けた向こうにいつもの景色が広がっている。でも扉から一歩踏み出すと、踏み出した先が図書館なのだ。一歩戻って見ても戻った先が図書館という、なんとも不思議なことになってしまった。
もしかして、ラナはいなくなったわけじゃないのかしら?私が異空間に飛ばされたのに気づいてないパターンなんじゃないの?
仕方なく図書館に戻って、他に違和感のあるところがないか探すことにした。
カウンターに行くと、さっきはいた職員の方がいなかった。バックヤードに行ってしまったのかもしれない。
できたら話を聞きたかったのに、どこに行ったのかしら。まぁ、いいわ。
サッと図書館の1階部分を回ったのに、人気が全くない。いつもならそこのテーブルで誰かが勉強しているし、本棚の方にも1人くらいはいるのに。
まさかと思い2階も3階も回ったのに、やっぱり誰にも会わなかった。
これは、もしかしなくても私を狙ったものだわ。
ゲームとは違い、人といい関係を気づいていたと思っていたのは私だけだったのかしら?それとも、悪役令嬢を全うしない私は用済み、むしろ邪魔で作者(神)に除外されてしまったのかしら?
どちらにしたってヤバすぎるじゃない。
「どうしよう・・・。」
ここなルカ様はいない。自分の身は自分で守らなくちゃいけないが、私は魔法が下手だ。ゲームのアメリアも凄腕とは書かれていなかったから、キャラ的に魔法の才能があまりないのかもしれない。
私の今の持ち物は、さっき借りた本と図書カード。基本はラナが持ってくれていたから、ハンカチすら持ってない。ハンカチがあったところで、何か変わるとは思えないけど。
「誰か~!!私の声が聞こえたら返事してくださ~い!!誰かいませんか~!!」
大きな声で叫んでみても反応は返ってこない。
ポケットの飴玉くらい入れておけばよかった。ラナに食い意地張ってるって言われるかもしれないけど。
「泣き言言っていても、変わらないわよね・・・。どうにかして戻る方法を探さなきゃ。」
人が1人もいないなら、気にせずカウンターの内側にも入ってしまおう。何か見つかるかもしれないわ。
「お邪魔しま~す・・・。」
カウンター裏、デスクの中、奥の部屋。隅々まで漁ってみた。司書として働いたことは、前世も合わせてないけど怪しいものはない。
ここじゃないみたいね。
館内を回った時も変わったものはなさそうだったけど・・一冊ずつ確かめていかないといけないとしたら、かなり骨の折れる作業になる。
ルカ様、心配してるだろうな。ラナだって、いきなり私がいなくなって顔を青くしてるだろう。
どんどん心細くなる。
このまま閉じ込められたまま、白骨死体になったらどうしよう。そんなの、ぜーったい嫌!
窓の外を見て、ため息をついた。
窓にうっすらと自分の姿が映っている。外は少し薄暗くなっていた。
意味がないとわかっていて、窓に息を吹きかけた。
『助けて。私はここ。』
そこまで書いて消そうとした。
「え・・・」
消す前にスッと消えてしまった。最初から何もなかったかのように。
「もう、どういうこと・・・?」
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