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大騒ぎ
しおりを挟む「・・・・・・お嬢様?」
ほんの一瞬の出来事。まさか瞬きしたことを後悔する日がくるなんて。
「・・・お嬢様?隠れているなら出て来てください。」
そう言っても、お嬢様が出てくる気配はない。
本当はわかっているのだ。お嬢様は魔法が得意ではない。なのに瞬きした合間に雲隠れできるはずがないと。たとえ隣の棚に移動したとしても、本と棚の隙間から姿を確認できる。
「悪ふざけはよくありませんよ・・・?」
慌てて館内を回って見たが、やはり見つからない。索敵の魔法にも引っかからない。
サァッと血の気が引いたのがわかった。
慌ててルカ様がいる生徒会室へ走った。
廊下は走っちゃいけない?侍女がはしたないことするな?
そんなこと、言ってる場合じゃないの!!
すぐに入れないことをもどかしく思いながら扉を叩いた。
「今は会議中です。急用でなければ後にしてください。」
この声は、サイラス様だ。
「サイラス様!!ラナです。お嬢様が連れ去られました!」
バァァッン!!!
最後まで言い終わる前に扉が勢いよく開いた。
ルカ様だ。私の声で何かあったと察してくれたようだった。
顔色は土のようで、今にも死にそうな顔をしている。
「ラナ、もう一回言ってみろ。リアが、なんて?」
「図書館で連れ去られました。申し訳ございません。」
「ラナ!どういうことだ!!!エミィは誰に連れ去られた??」
サイラス様に胸ぐらを掴まれた。
「ルカ、サイラス。君たちの気持ちはわかるけど、状況を確認するためにもラナに説明する時間をあげないとだろ?」
ライト様のお言葉に少しだけ救われる。
リアン様が私を椅子に座らせてくださった。紅茶が用意され、走って喉が渇いていたのですぐに飲み干した。
「ラナ、それで?」
イライラした様子を隠しきれないルカ様が、催促する。私だってのんびりするつもりはない。
「簡単に申し上げますと、誰に攫われたのか全くわかりません。つい先程まで隣にいたはずでしたのに、瞬きをした瞬間に姿が見えなくなったのです。」
「そんなわけないだろ!!」
サイラス様にジロリと睨まれた。
そう言われましても、事実です。他にどう言えばいいのでしょうか?
「場所は図書館だと言ったな?どうしてそこに?」
「お嬢様の元気がなかったので、気分転換にと私が提案いたしました。」
「なんだよそれ。ラナ、自分の首を絞めてるのをわかってるのか?」
「自分の首を気にしてお嬢様が返ってくるのなら、私だってそういたしました。でも今、目撃者は私だけです。私が嘘をつけば、お嬢様の発見も遅くなります。違いますか?」
自分が仕えている家の次期当主にこんな発言、普通は許されない。
「・・・ラナの判断は正しかったよ。」
少し落ち着いた様子のルカ様。何か心当たりでもあるのでしょうか?
「何か変わったことや気づいたことはないか?なんでもいいんだ。」
私が裏切り者なら、嘘をつく可能性もある。それなのにルカ様は私の発言を、お嬢様探しに役立てようとしている。
お嬢様、いいお相手を見つけましたね。
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