将来、悲運な結末を迎える令嬢は幸せに生きる

都築稔

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解決のための推理

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「これは、お婆様が考えたおとぎ話が予言書のようになっていた場合の話なんだけど・・・」

僕は自分の推理を話した。

アメリア嬢が犯人なら、リアを狙うんじゃなくて今1番邪魔な人物であるだろう、マリアンヌ嬢をどうにかするだろうこと。
協力者がいたとしても、この世界の、この学園の者ならアメリア嬢がよく思っていないのはマリアンヌ嬢だと知っている。
しかし、シナリオを知っている学園の部外者ならアメリア嬢をいじめる者=リアと理解する可能性があること。

精霊は人間より神に近い存在だ。リアをこの世界に連れてきた神にシナリオを説明されていたのではないだろうか。いわば、アメリア嬢の共犯者というより神の悪戯の共犯者である可能性。

どれも僕の憶測に過ぎないが、面白いほどお婆様の書いたおとぎ話とこの世界がマッチしすぎている。だからといってお婆様がこの世界の創設者というわけではなさそうだ。それならば、たとえおとぎ話をこの世界に広めたとしても運命は変わらないはずだ。

「恐ろしい話だね。その話が正解だとすると、今の僕達は神の意志に背いていることになる。」

「そうだね。じゃあ、ライトは神の意志に沿ってアメリア嬢と結婚するの?」

「それは、嫌だね。僕が好きなのはマリアだ。他の人ではない。」

「僕だって、その相関図のように妹を嫌う兄などになりたくない。」

「・・・あの鳥がただの鳥という可能性はないのか?」

「その可能性はほぼないね。あの鳥を千里眼で見たんだよ。」

「千里眼?とはなんでしょうか?」

「鑑定みたいなものだね。少し違うけど。」

「それで?」

「羽の内側に光の紋様があった。精霊の特徴だ。」

「なるほどね・・・」

サイラスの頭には少し?が浮かんでいるようだが、
リアはついてきているようだ。まだ僕はこの魔法について話したことはなかったけれど、おとぎ話を通して知っていたのだろう。

「とにかく、あの白い鳥をどうにかしないと今回みたいなことがまた怒るということだね。」

理解が早くて助かるよ。

「でも、神に頼まれてるとしたら、あの鳥をどうにかするのは危なくないか?」

そう、問題はそこだよね。

僕の魔法で対抗できるだろうか。

「あの、私、ピィちゃんの弱点を知っているんです。」

「え?本当に?」

リアの発言に皆が目を丸くする。

お婆様の書物にそんな記載はなかった。

「ピィちゃんは光と風の精霊見習いなんです。」

「見習いということは、まだ正式な精霊ではないと?」

「はい。」

「精霊に見習いとかあるんだな。」

「普通はないらしいんですけど、少し特殊な事情があるみたいで。・・・その事情というのは、私も知らないんですけど。」

リアの隣の席に腰を下ろす。

「知ってることだけでいい。教えてくれないか?僕はリアを護りたい。あんな目にもう合わせたくない。」

両手をぎゅっと握り締めると、少し握り返してくれた。少し微笑んでいるのが可愛い。

どこかにさらって閉じ込めたくなる笑顔だな。

「あの鳥と戦えるのはルカ様だけです。」

「え、僕?」

そんな僕においしい展開ある?

「ピィちゃんは光の精霊。相性が悪いのは闇の魔法や精霊です。相性が悪いのはお互いですが、相手は見習いで、ルカ様は魔法の塔の長。」

確かに。そう考えると僕しかいないじゃないか。

「もしかして、おとぎ話にルカが白い鳥を倒す場面もあるのかい?」

「はい。」

なるほど、実績もあるということだ。

「じゃあ、僕がその白い鳥を倒してもシナリオを大きく外れた、というわけでもないわけだね。」

「そうか!確かに、実際にそのシーンがあるからな。」

「僕はどんな魔法でその鳥を倒していたかわかる?」

リアは少し考え込んだ。

「魔法の名前までは出てこないのです。でも、黒い球体がピィちゃんを襲っていたかと。」

黒い球体・・・あの魔法かな?強力だからあまり使ったことはないけれど、だからこそ見習いとはいえ精霊にも効いたのだろう。

「ありがとう。」

チュッと頬に口付けると、リアの顔は真っ赤になった。

そうそう。さっきみたいにプルプル震えてるのも仔犬みたいで可愛かったけど、僕のことで頭いっぱいにしてくれた方が嬉しいな。

「バカップルめ。」

リアンのお決まりになりつつある台詞が聞こえたけど、無視だ無視。

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