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犯行3
しおりを挟む「あらあら、何かと思ったわ。」
私、エミリアは早速実家に帰っている。あまりに突然帰ったものだから、学園から出した文より先に私が着いてしまった。それはもう、大騒ぎ。
「ごめんなさい、突然帰ってきて。」
「それはいいのよ。ここはあなたの家なんだから、いつでも帰ってきていいの。遠慮する必要はどこにもないわ。ただ、少しだけ心配しただけよ。」
安心したらお腹が減ったわ~と、空気を変えてくれようとするお母様。
「やぁ、マイ・リトルレディ。久しぶりだね。」
「あら、お兄様。久しぶりすぎて忘れるところだったわ。」
「ひどいなぁ。」
お兄様は私と違って優秀。正式な卒業はまだだけど、数ヶ月前に必要な単位は取り終えた。
それを知ったお父様が領地経営を学ぶのは早い方がいいと呼び戻した。まぁ、お兄様は私と離れることを嫌がっていたけど。
それでいうと、ルカ様は私といたいからいるだけでもう学園で学ぶことは特にないそうだ。私の周りがチートすぎる。これもゲーム補正だろうか?なら、悪役である私もチート能力欲しかったんだけど…その代わりにルカ様という世界最強が味方ということで均等を保ってるつもりなんだろうか?
「よくエミィ1人でここに来れたね。」
うん、お兄様の言いたいことはわかる。
そっと左手の模様を見せた。
「わぁお…流石だね。」
「見ただけでわかるの?」
「専門知識はないけど、簡単にならわかるよ。まぁ、それで済んでよかったな。」
お兄様のいうこれ以上が何かわわからないけど、ゲームのバッドエンドのこともあるのでなんとなく理解してしまう。
「愛されてるでしょ?」
「…あぁ、それはもう残酷なほどに。」
言い方が大袈裟というか、ひどい気もするけどルカ様相手なら仕方ない。
「それで、なにかあった?」
「え?」
「何もないのに、お前が殿下から離れるわけないじゃないか。殿下も相当だけど、エミィもだろ?」
「まぁね…。」
心配をかけたくないので、家族にはあまり言いたくないけど…お兄様にならいいかしら?今までのこともあるし。
私の雰囲気を察したのか、「場所を変えようか。僕の部屋にしよう。エミィの部屋はまだ片付けがあるだろうから。」と手際よく部屋に案内されてしまった。
「お母さんお手製の焼き菓子があるんだ。食べるだろ?」
「うん、いただくわ。」
お兄様は私を溺愛しているが、お父様ほど過剰ではなく丁度いい。おかげで私は“兄に嫌われている”と思ったことはないし、何かことあるごとに頼りにしてきた。今回のことも伝えて、きっと損はない。
私は今回の噂のことを兄に伝えることにした。
「なるほどねぇ...聞けば聞くほど、よくここに来たね。殿下なら手元に置いて守りたいタイプだろうに。」
「それは...殿下があまりにも頑固だから。」
「ふぅん?」
「...わかってるわ、お互い様だって。でも...。」
「黙って見守るのも辛いよな。」
ヨシヨシ、と頭を撫でなられる。
「...子ども扱いしないで。」
「子ども扱いなんてしてない。妹扱いしてるのさ。」
なにそれ、屁理屈だわ。
顔をしかめた私を見て、頭を撫でていた手が離れる。
「好きなだけいるといい。次期当主が許可しよう。」
少しおどけたようね口調。誤魔化そうとしてるわね。
「もう......でも、ありがとう。」
お兄様には大好きなんて言わない。調子に乗りそうだし、後で面倒なことになりそうだから。でも、心の底からこの人が家族で、兄でよかったと何度も思っている。
きっと、お兄様には一生敵わない。
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