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犯行6
しおりを挟む「・・・様、私です。・・・です。」
2つの影が上層階にある部屋にたどり着いた。
「待っていたわ。お入りなって。」
招き入れた者が女性であることは間違いない。ただ、扉の近くにはいないようで、その姿は見えなかった。
「さぁて、どうしようかな。」
この国に僕が解けない鍵はない。ただ、その部屋にいるだろう人物が問題なのだ。
「仕方ないか。これが証明されたら、彼女も今の地位にいるかわからないだろう。
「お邪魔しますよっと。」
監視魔法と透明魔法など、あらゆる高度な魔法をかけた器具を室内に忍び込ませる。
中にいる者たちの声が聞こえてくるようになった。
『無理はしちゃダメよ。他の人にも聞いてみる予定だから。』
『いいえ、私にさせてください!・・・様には本当に感謝しているんです。』
『そう?じゃあ、お願いしようかしら?』
『はい!任せてください!』
「くそ、少し遅かったか。』
彼女は一体何を頼んだんだ?きっと、リアにとっていいことではないだろう。この後、この部屋にも継続的に監視を入れるか。何か情報が得られるかもしれない。
『さぁ、もう夜も遅いわ。こんな時間に呼び出してごめんなさいね。こんな話、誰にも聞かれるわけにはいかないから…あなたにしか相談できる人がいなくて。』
『光栄ですわ!これからも、なんでもお話しくださいね!』
『ありがとう。気をつけて帰ってちょうだいね。』
『はい。・・・様も良い夢を。』
まずい、もう二手に別れるのか。
「でも、廊下の方なら…よし。」
校内にも寮内にも何かあった時のために監視魔法と記録魔法がかかっている器具が設置されている。
呼び出しを受けた令嬢の方は、一旦はそちらで監視を続けられそうだ。
それにしても、やはり黒幕は別にいたか。あの令嬢を動かせるなんて、上位貴族だろうとは思っていたけど…。
「ライトになんて言うかなぁ。…まぁ、もうしばらくは様子見か。」
あぁ、疲れた。リアに会って癒されたい…。
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