【完結】壊死回生〜寝てたら異世界に転移しちゃってた!?ならここでスローライフ始めます~

都築稔

文字の大きさ
12 / 62
第1章

アカリは何着ても可愛い! 〜ジェイドsaid〜

しおりを挟む

「お待たせ。」

ノアに女性への気遣いについてやこれからを色々と相談していると、ビオレットがアカリを連れて客室にやって来た。

俺の心は既にバキバキに折れていたので、少しホッとした。

「そっちは終わったのか?」

「バッチリよ!」

「じゃあ、こっちも始めますか。」

ノア付きの従業員が、厳選し終えた服を部屋に運び込む。
うん、やっぱりセンスがいいな。どれを着てもアカリの魅力が引き立ちそうだ。

「好きなものを選んでくれ。試着もできるからな。」

並べられた服に目を輝かせるアカリ。
あぁ、こういう楽しみを僕は我慢させてしまっていたんだ・・・。

いくつか服を手に持ったまま、彼女の視線があちらこちらへと移動する。
きっと、どれを見ようか決めかねているんだな。

「このブラウスも似合うんじゃない?」

ビオレットが助け舟を出した。というより、一緒に選びたくてうずうずして、我慢できなくなったんだろう。

「可愛い!!でも、似合いますかね?」

「不安なら試着すればいいのよ。もちろん、私は似合うってわかってるけどね。時には、服を着るのにも自信がいるでしょ?」

服を着るのに自信がいるのか?
僕は特に服へのこだわりがない。いつも、ノアが選んでくれるものから適当に選んでしまう。
でも、ノアやビオレットは自分の好きな服を好きなように着ていると思っていたのだが、違うのか?

試着室の前でビオレットとアカリが何か話しているが、ここからでは聞き取れない。
僕は自分が思っているより気が遣えないみたいなので、ここは大人しく座って待っておく。女子同士の話かもしれないしね。

ここでアカリが選ぶものをちゃんと見ておこう。好みを把握しておいて、今後のプレゼントに役立てたい。
さっきノアに聞いたんだけど、「なんでもいい」とか「気持ちが嬉しい」って言われても鵜呑みにしちゃいけないらしい。使わないものを買ってこられても困るって言われたら、確かにそうだよね。僕だって同じことされたら困る。善意だと余計にね。

僕はまだ、アカリの"すうぇっと"姿と僕の服を着た姿しか見ていない。
僕の服を着ているのは、なんか可愛かったけど。

「ちょっと落ち着けよ。」

「え??」

「お前、さっきからそわそわしてるの気付いてないの?」

全然、気付いてなかった。恥ずかしい。

「うふふ。楽しみなのね。」

ビオレットはいいおもちゃを見つけたとでも言わんばかりに笑っている。

しまった。これから何度でもネタにされるぞ。
・・・・・・まぁ、楽しみなのは否定しないけどさ。

「あの、着替えました。」

「あら、じゃあ出てきてもらえるかしら。」

おずおずと試着室から出てくるアカリ。

「とっても似合ってる!!可愛い!!」

前ボタンの横あたりにフリルが付いた白ブラウスに茶色いシフォンスカート。
ノアの言う僕の好みとは、アクセサリーや飾りをゴテゴテつけたりしていないということだろうか?
確かにケバケバしいのは好きじゃない。今のアカリみたいな服は似合ってるし、可愛いと思う。

僕の顔を見て恥ずかしそうに微笑むアカリ。
あぁ、なんて可愛いんだ!

それから何度か着替えてもらったが、どれも可愛くて僕の語彙力では同じようなことしか言えなかった。でも、適当に言ってるわけじゃないから!

僕の懐を気にして、どれを買うか悩んでいる様子。
全部買ってもいいって言ってるのに、納得できないようだ。気にしなくていいのに。

最終的に最低限、て感じの量を選んでいた。

「アカリ、今着ている服はそのまま着て帰ろう。下で待っててくれるかい?支払いを終えたら、僕も直ぐに降りるよ。」

「わかりました。あの、ありがとうございます。」

もう、アカリは律儀だなぁ。本当に気にしなくていいのに。

ノアがアカリを下へ案内して降りていく。

「ビオレット、相談があるんだけど女性用のズボンはあるのかい?」

「ズボン?」

「アカリはズボンが好きな気がするんだ。僕が着ているようなデザインで構わない。女性用を作ってもらえないだろうか?」

「作ることは可能よ。着ている女性はいないけど・・・アリね。既存のものばかり作っていても味気ないもの。新しいものに挑戦しなくちゃね。」

「ありがとう。恩に着る。それと、先程着ていた他の服ももらえるだろうか?」

「そんなことしても、アカリは喜ばないと思うわよ?」

「でも、これからの服にしては最低限すぎる。どちみち買うなら、今でもいいでしょう?」

「まぁ、確かに少ないわね。わかったわ。」

料金を支払って、包んでもらう。

「直接家に届けてもらえるだろうか?アカリはこの街が初めてだから、少し回って行きたいんだ。」

「もちろん!そういうことなら大歓迎よ。しっかり楽しませてあげて。」

「ありがとう、助かるよ。」

ビオレットもノアも、こういう時は頼りになる。

下に降りると、ノアとアカリがフロントで話しているようだった。

「お待たせ、アカリ。」

「初めての街なんでしょう?服は家に届けておくわ。折角だから他にも行ってみたら?」

おい、それを言い出したのは僕だぞ。
ここで言い合っても仕方ないから合わせるけどさ。

「そうしようか。どこか行きたいところはある?」

「見ながら決めてもいいでしょうか?街の雰囲気を楽しみたくて。」

そういえば、さっきも馬車から街を見てるだけで楽しそうだったな。

「もちろん、いいよ。そうしようか。ノア、ビオレット、世話になったね。また来るよ。」

「楽しんできてね。」

2人のニヤニヤした顔に少し睨みを利かせて、店を後にした。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった

仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...