【完結】壊死回生〜寝てたら異世界に転移しちゃってた!?ならここでスローライフ始めます~

都築稔

文字の大きさ
25 / 62
第2章

元カノ?!

しおりを挟む

次の日、ジェイドは畑仕事を終えて森へ出かけた。そろそろ狩りに行って肉を卸さないといけないらしい。私は狩りについて行っても足手まといなので、家でハンカチの刺繍作業をすることにした。

現在、午後の2時。昼ごはんを食べ終えて、先程ジェイドが家を出たばかりだ。
今日はティータイムの時間はとれないだろう。それを残念に、寂しく思っている時だった。

コンコンコンッ!

玄関を叩く音がした。

誰だろうか。
ジェイドからは誰かが来ると聞いていないし、ブティックの従業員も来る予定ではない。誰かわからない時は危険だから出ないように言われている。私自身が剣術も護身術も使えない上、ここは村とは違って周りに助けてくれる人がいない。突然の訪問客を対応するのはかなりのリスクがあるのだ。

気にはなったが、訪問客が名乗る様子もない。とりあえずそのままやり過ごすことにした。

コンコンコンッ!!

しばらくして、また玄関を叩く音が聞こえた。
なんかヤダなぁ。誰だろう。
知り合いならわかっているから名乗ってくれる。ということは私の知らない人なのだ。

コンコンコンッ!!!

「ちょっと!ジェイド、いないの!?」

女性の声だった。しかも、若めの。
やはり、この声に覚えがない。村の人でもないようだ。

「居留守を使わないでくれる?居るのはわかってるんだから!」

なんだか、私が立てた物音をジェイドだと勘違いしているようだ。まぁ、ジェイドしか住んでいないと思っていたらそうなるだろう。ということは、学生時代の知り合いだろうか。

突然入ってこられても困るので、鍵が閉まっているかをそっと確認する。

「もぉ!!ジェイドったら、開けなさいよ!」

ドンドンドンッ!!

びっくりした!ちょっとこの人、図々し過ぎない?うるさいんだけど。

リビングにいたら仕事に集中できなそうだ。2階の自室へと移動した。
そして窓からそっと様子を見てみる。薄茶色のロングヘアの女の人だというのはわかった。

「もう!本当にいないの?誰かいる気がしたのは勘違いだったかしら。」

2階にいるのに、女性の声は丸聞こえだった。

諦めて帰ろうとしているところ・・・

あ、しまった!目が合ってしまった!なんてタイミングの悪さ。なんで、すぐ窓から離れておかなかったんだろう。

「誰よあなた!!ちょっと、降りてきなさいよ!居留守使ってんじゃないわよ!!」

えぇぇぇ、嫌だよ。怖すぎる。何あの人。

このままでいるとキャンキャンとうるさくて仕事にならないので、仕方なく1階へ降りて扉を開けた。

「やっと出てきた。あなたね、人の家で何してるの?不法侵入だってわかってる?警察を呼びましょうか?」

ん????ちょっと待って、私は何を疑われてるの?

「いや、ここに住んでますけど・・・。」

女性は眉を寄せて、顔を歪めた。

「何言ってるの?ここはジェイドの家でしょ?彼が女の子と住むわけないじゃない。」

「そう言われても、住んでるんですよ・・・。」

「わかった、あなたストーカーでしょ。」

「違いますって。ジェイドは先程家を出たばかりなので、おそらく夕方まで帰ってこないですよ?」

「なに、あんたジェイドの帰り時間までわかるなんてやっぱり普段から見張ってるんじゃない!」

なんでそうなるかな・・・。ジェイドさん、この人誰ですか?早く帰ってきて・・・。

「とにかく!あなた1人でこの家に居させるなんて、何をするかわからなくて危険だわ!」

そう言うとズカズカと家に入ってきた。
マジで図々しいよ、この人。

我が物顔でリビングの椅子に腰をかけた。
仕方がない。おそらくジェイドの知り合いなんだろう。とりあえず、お茶でも出すか。そして飲んだら帰ってもらおう。

キッチンに行って紅茶を作り始めた。そんな私を厳しい目線で見ている。

「モノの位置まで把握してるなんて、どれだけ通い詰めてるの?ジェイド、早く帰ってきてくれないかしら。この女、危険すぎるわ。」

そのお言葉、そっくりそのままお返ししますねっと。

心の中で返事(ツッコミ)を返しながら、紅茶を彼女を出した。

「変なもの入れてないでしょうね?逃げるために、何か企んでるんじゃないの?」

やたらと疑いにかかってくる彼女に、だんどん腹が立ってきた。突然、訪問してきたのはそっちなのにその態度はなんなんだ。

彼女の向かい側に腰を下ろし、どうにか紅茶を飲んで気持ちを落ち着かせようとする。

「で、あなたはいつからこんなことをしているの?どこの誰なの?」

「ジェイドから、知らない人は出なくていいと言われています。無理に押し入ってきたあなたに答える義理はありません。それに、人に尋ねる時は自分から言ってもらわないと。」

目も合わせず、淡々と答えた。顔を見ていないから表情はわからないが、なんとなく怒っていることだけは伝わってきた。しかし、私が彼女の機嫌を取る必要性を感じない。だから放置した。

「あなた、こんなことして残念な人ね。ジェイドはあなたなんて相手にしないわよ?付き合ったことのある私が言うのだから間違いないわ。あなたはジェイドの好みじゃない。わかったらさっさと出ていきなさいよ。」

追い出されても文句言えない立場で何を言い出したのだろう。
ジェイドと付き合っていた?本当に?それこそ勘違いじゃないの?本当にこんな人と付き合っていたとしたら、ショックだな。見る目がなさすぎる。

彼女とは目も合わせないまま、答えないまま無視を決行することにした。

「諦めの悪い女ね。」

哀れみを含んだ声色で言われたが、哀れなのは何も分かっていないのにそんなことを言えるあなただと思う。
舌打ちをしたい衝動を抑える。

2階の自室へ戻ろうかな?でも放っておいたら、それこそ何をするかわからないし・・・。そもそも2階へ行かせてくれないかもしれない。厄介な客が来てしまった。

深く、大袈裟気味にため息をついた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった

仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...