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第4章

対面

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「あぁ、アカリちゃん。着いたんだね。」

家に入ると、ノアさんが迎えてくれた。

「・・・ジェイドはどこですか?」

「部屋にいるよ。行こうか。」

そう言うと、案内するように先導して歩き始めた。私も場所なんてとっくにわかっているのに、初めての場所に行くように後についていった。

廊下はシンとしていて、2人の歩く音だけが響いている。

「ここだよ。」

なんて、言われなくてもわかった。

ジェイドの部屋の扉は蔦と呼ぶには太い、枝と呼ぶには柔らかな植物が覆っていた。ノアさんに視線で促され、そっと植物に触れると

キィィッ・・・

私たちを招き入れるように、部屋の扉が開いた。それに応えるように、恐る恐る足を前に出した。

「・・・っ!」

室内にある植物の太さは、扉の比ではなかった。ほれに上下左右あちこちから伸びていて、近寄ることができない。この植物もジェイドの一部だと思うと無理に進めない。しかし、ここからでも顔は見えそうだ。

少し背伸びして見てみた。

顔の左半分だけを見れば、ただ眠っているようだ。右側は植物と同化してどうなっているのか、よくわからない。ベットに縛り付けられているというより、ベッドに絡みついてどこがどう伸びて、どう絡まっているのか検討がつかない。

「ジェイド・・・」

これは、ドッキリじゃないの?勝手に出て行った私を懲らしめようと、驚かせようとしたんじゃないの?

それくらい、目の前の光景が信じられなかった。

「アカリちゃん、僕は下で待ってるね。」

気を利かせてくれたのだろう。ノアさんが部屋から出て行った。

目の前の植物を触ると、覚えのある温もりを感じて涙が出た。硬さだって、人の腕と同じなのではないだろうか。

「ねぇ、ジェイド。貴方が龍って本当?私、まだ信じられないよ。」

話しかけたって、返事があるわけじゃない。他の物語みたいに涙が触れたからって目覚めてはくれない。キスは近づけない時点で可能性が消えた。

私にどうしろって言うのよ。異世界から来たからといって、私に変わった能力はない。どこぞの物語みたいに聖力なり、なんなりあればよかったんだけど。ごめんね、ジェイド。私には何もできないみたいだ。

私がここから離れようとしたから、こんなことになった。もう遅いけど、どうにもならなくても、私は貴方から離れない。

彼に寄り沿うように、植物に寄りかかった。
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