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学校一の美少女
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ある日、間田が爆弾発言を俺にかましてくれやがった。
「堀塚ァ~! 山川さんって知ってる?」
「んぐぅッッ」
ジュース飲んでる時に破滅呪文唱えないでほしい。俺にその名前は何よりもキく。
「知、らないけど、間田の友だち?」
十五歳の俺は知らない。そんな名前聞いたこともない。ぜ~~~~~んぜん知らない。
「ん~ん。山川さんっていう美少女がいるらしいってことだけ噂で聞いたんだぁ」
「へー」
生温い返事をしておく。
この高校に山川が何人いるのか調べたことないけど、山川で可愛いってなると多分一人なんだなぁ……。由奈の名字なんだなぁ……。
やる気が無さ過ぎて、間田に体をがくがく揺らされた。止めてジュース吐いちゃう。
「見に行こうよ!」
「うーん、俺は興味ないかな」
「俺はあるぅッ。行こ行こ!」
強引だね間田! 普段ならついていってもいいけど、山川案件だけはやむを得ない事情があるんだよ! 言えないけど!
ズルズル引っ張られていく俺を道端が不安気に見送る。道端としょっちゅういるようになって、真顔の感情理解できるようになったんだよね。って言ってる場合じゃない。
「ごめん。ちょっと用事が」
「さっきまで暇だって言ってたじゃぁん」
「そうだけどぉ」
言っちゃってたわ。会話をやり直したい。気軽にループ出来たらいいのに。でもそういうのってオチがたいていホラーだよね。一日だけのループが止まらなくなってその日に閉じ込められるとか、死ぬ瞬間死ぬ前に戻って死ぬまでをやり続けるとか。
「えーとね、確か上の階だったって聞いたような聞いてないような。忘れちゃった。とりあえず上だ~」
「適当人生楽しそうで何より」
間田はきっとこのまま大人になるんだろう。大学は別で仕事は都内じゃないって言ってたから、卒業してからはあまり会ってない。久々に会いたいと思うけれども、すでに本人に会ってた。若くても間田だもんな。なんか変な感じ。
うわ~うわ~ッ由奈がいる階に来ちゃった。誰だよ間田に由奈情報与えた奴。出てこい、やっつけてやる。ほら、あの、次の定期テストの良い点勝負で。ヒーローやらせて頂いておりますがケンカの経験はゼロです。
「あ」
あって何? 日本語の文章で説明して? 「あ」だけじゃ何かあったかと思うじゃん。
「あれじゃない!?」
ほら何かあった~~~~!
間田君、「あ」はダメだよ。それだけでフラグだよ。
確認したくない。クラスに帰りたい。ほら、二十四時間オンラインなんだろ。内緒でゲーム持ってきてんだろ。やろうよ。
「間田、そろそろ休み時間終わる」
「近寄ってみよ!」
「ぐぇッ」
俺の話全く聞いてないねぇ。制服を引っ張られて首が締まる。お前の今年の抱負は遠慮だ。
間田の後ろに隠れて顔半分だけ出してそっと眺める。だ~~~めだ。由奈だった。間田正解。
さすが学校一の美少女と言われていただけある。今回の人生でも言われるのかな。
「多分、あの髪の毛くるっとしてる子じゃん? 違くても俺あの子にする」
「間田があの子にするって思っても、あの子がOKしない限りは実現しないね」
「親友が冷てぇよぉ~俺の心が泣いちゃうじゃん」
「泣いてていいよ」
俺には俺の事情がある。嫌がっている人間に無理強いする奴にはこのくらいの対応でいい。うそ。本気で嫌がってないから間田は分からないだけだ。俺の態度が中途半端なのが原因。間田だってそうだったら止めると思う。ごめんね、後ろめたい大人で。
ただし、見知らぬ子に対して妄想強めなのは賛成しない。そういうのはストーカーの素質がある。ストーカーはきついぞ。被害者辛いぞ。
「名前呼ばないかな。誰か山川って呼んでくれぇ!」
間田の願い虚しく予鈴が鳴り、廊下にいた由奈は教室に帰っていった。七組だった。七組か。要注意だな。
「ちぇッ。俺の初カノかもしれないのに」
「その楽観志向いっそ尊敬に値するよ」
「褒めてもなんも出ねぇぞッ」
「褒めてない」
文句を言う間田を追い抜いて先に教室へ入る。自分の教室がこんなに落ち着くとは。
「何部に入ってるんだろ。あ、帰宅部かも? あ~~~俺も部活入らなきゃよかった!」
「いや、帰宅部かどうか知らないでしょ」
俺の周りは突っ走る奴しかいないのか? 間田はとりあえず部活頑張れ。まだ入って二日じゃん。
「堀塚、おかしくね? なんで美少女に興味示さないのさ」
ドキッ。
俺の内心など分かるはずない。のに、間田に言われて焦ってしまった。絶対言えない後ろめたいことがあるからだ。
「おかしくない。単に噂に流される軽い男じゃないだけ」
「はぁぁ!? なら、この間田君が軽いってわけ!? 分かった。女だ。すでに相手がいるんだろ!」
「いない。全然いないから。フリーオブフリー」
「信じらんねぇ」
信じようが信じまいがフリーなものはフリー。今フリーを満喫してんの。そこに元凶ぶっ込まないで。
「学校では間田といて、夜は間田とオンラインしてんじゃん。どこに彼女いる要素あんの」
「そうじゃん! これからもぼっち同盟壊すなよ!」
「それだとお前も彼女出来ないけど」
「うわぁぁん!」
ちょうど先生が教室に入ってきて間田は出席簿で小突かれていた。
その後も休み時間になるたび行こうと騒がれたが、一切誘いに乗らなかった。フラグが立つ前に全力で逃げてやる。
「ちぇッ学校の角で食パン加えた山川さんとばったり会ってぶつかったりしねぇかな」
「食パン加えながら走る女子とはお近づきになりたくない。また明日ね」
「あッ堀塚!」
物理で走ってフラグから逃げた。
しかし困った。間田に由奈情報が渡ってしまうなんて。万が一二人が知り合ったら、自動的に俺も顔見知りになってしまう。間田には早々に血迷ってさっさと振られてほしい。
どうしようかな。せっかくフリーなのに、逆戻りなんてしたくない。これ以上悪いことが起きないといいけど。
「堀塚ァ~! 山川さんって知ってる?」
「んぐぅッッ」
ジュース飲んでる時に破滅呪文唱えないでほしい。俺にその名前は何よりもキく。
「知、らないけど、間田の友だち?」
十五歳の俺は知らない。そんな名前聞いたこともない。ぜ~~~~~んぜん知らない。
「ん~ん。山川さんっていう美少女がいるらしいってことだけ噂で聞いたんだぁ」
「へー」
生温い返事をしておく。
この高校に山川が何人いるのか調べたことないけど、山川で可愛いってなると多分一人なんだなぁ……。由奈の名字なんだなぁ……。
やる気が無さ過ぎて、間田に体をがくがく揺らされた。止めてジュース吐いちゃう。
「見に行こうよ!」
「うーん、俺は興味ないかな」
「俺はあるぅッ。行こ行こ!」
強引だね間田! 普段ならついていってもいいけど、山川案件だけはやむを得ない事情があるんだよ! 言えないけど!
ズルズル引っ張られていく俺を道端が不安気に見送る。道端としょっちゅういるようになって、真顔の感情理解できるようになったんだよね。って言ってる場合じゃない。
「ごめん。ちょっと用事が」
「さっきまで暇だって言ってたじゃぁん」
「そうだけどぉ」
言っちゃってたわ。会話をやり直したい。気軽にループ出来たらいいのに。でもそういうのってオチがたいていホラーだよね。一日だけのループが止まらなくなってその日に閉じ込められるとか、死ぬ瞬間死ぬ前に戻って死ぬまでをやり続けるとか。
「えーとね、確か上の階だったって聞いたような聞いてないような。忘れちゃった。とりあえず上だ~」
「適当人生楽しそうで何より」
間田はきっとこのまま大人になるんだろう。大学は別で仕事は都内じゃないって言ってたから、卒業してからはあまり会ってない。久々に会いたいと思うけれども、すでに本人に会ってた。若くても間田だもんな。なんか変な感じ。
うわ~うわ~ッ由奈がいる階に来ちゃった。誰だよ間田に由奈情報与えた奴。出てこい、やっつけてやる。ほら、あの、次の定期テストの良い点勝負で。ヒーローやらせて頂いておりますがケンカの経験はゼロです。
「あ」
あって何? 日本語の文章で説明して? 「あ」だけじゃ何かあったかと思うじゃん。
「あれじゃない!?」
ほら何かあった~~~~!
間田君、「あ」はダメだよ。それだけでフラグだよ。
確認したくない。クラスに帰りたい。ほら、二十四時間オンラインなんだろ。内緒でゲーム持ってきてんだろ。やろうよ。
「間田、そろそろ休み時間終わる」
「近寄ってみよ!」
「ぐぇッ」
俺の話全く聞いてないねぇ。制服を引っ張られて首が締まる。お前の今年の抱負は遠慮だ。
間田の後ろに隠れて顔半分だけ出してそっと眺める。だ~~~めだ。由奈だった。間田正解。
さすが学校一の美少女と言われていただけある。今回の人生でも言われるのかな。
「多分、あの髪の毛くるっとしてる子じゃん? 違くても俺あの子にする」
「間田があの子にするって思っても、あの子がOKしない限りは実現しないね」
「親友が冷てぇよぉ~俺の心が泣いちゃうじゃん」
「泣いてていいよ」
俺には俺の事情がある。嫌がっている人間に無理強いする奴にはこのくらいの対応でいい。うそ。本気で嫌がってないから間田は分からないだけだ。俺の態度が中途半端なのが原因。間田だってそうだったら止めると思う。ごめんね、後ろめたい大人で。
ただし、見知らぬ子に対して妄想強めなのは賛成しない。そういうのはストーカーの素質がある。ストーカーはきついぞ。被害者辛いぞ。
「名前呼ばないかな。誰か山川って呼んでくれぇ!」
間田の願い虚しく予鈴が鳴り、廊下にいた由奈は教室に帰っていった。七組だった。七組か。要注意だな。
「ちぇッ。俺の初カノかもしれないのに」
「その楽観志向いっそ尊敬に値するよ」
「褒めてもなんも出ねぇぞッ」
「褒めてない」
文句を言う間田を追い抜いて先に教室へ入る。自分の教室がこんなに落ち着くとは。
「何部に入ってるんだろ。あ、帰宅部かも? あ~~~俺も部活入らなきゃよかった!」
「いや、帰宅部かどうか知らないでしょ」
俺の周りは突っ走る奴しかいないのか? 間田はとりあえず部活頑張れ。まだ入って二日じゃん。
「堀塚、おかしくね? なんで美少女に興味示さないのさ」
ドキッ。
俺の内心など分かるはずない。のに、間田に言われて焦ってしまった。絶対言えない後ろめたいことがあるからだ。
「おかしくない。単に噂に流される軽い男じゃないだけ」
「はぁぁ!? なら、この間田君が軽いってわけ!? 分かった。女だ。すでに相手がいるんだろ!」
「いない。全然いないから。フリーオブフリー」
「信じらんねぇ」
信じようが信じまいがフリーなものはフリー。今フリーを満喫してんの。そこに元凶ぶっ込まないで。
「学校では間田といて、夜は間田とオンラインしてんじゃん。どこに彼女いる要素あんの」
「そうじゃん! これからもぼっち同盟壊すなよ!」
「それだとお前も彼女出来ないけど」
「うわぁぁん!」
ちょうど先生が教室に入ってきて間田は出席簿で小突かれていた。
その後も休み時間になるたび行こうと騒がれたが、一切誘いに乗らなかった。フラグが立つ前に全力で逃げてやる。
「ちぇッ学校の角で食パン加えた山川さんとばったり会ってぶつかったりしねぇかな」
「食パン加えながら走る女子とはお近づきになりたくない。また明日ね」
「あッ堀塚!」
物理で走ってフラグから逃げた。
しかし困った。間田に由奈情報が渡ってしまうなんて。万が一二人が知り合ったら、自動的に俺も顔見知りになってしまう。間田には早々に血迷ってさっさと振られてほしい。
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