[完結]妹の信者達に殺されかけてましたが、逃がしたつもりだった義弟がやたらかっこよくなって帰ってきました。

雨宮ユウリ

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救出編

ウィル視点 深夜——血と肉の舞う秘密の夜会2 ※ざまぁです 残酷描写有り

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 先ほどと同様に正確に胸元を狙って攻撃魔法を放つ。対象はオヒメサマだけど……。信者の一人があっさり弾いた。流石にこれくらいは防御してもらわないと困る。夫人の時よりだいぶ威力を弱めてあるし。

「貴方、本気でメアリーを狙うなんて! 家族ですよ? 人の心がないんですか!」

 魔法を弾いたのは冴えないメガネ。そこそこ魔力はあるらしいけど、やっぱりど三流だ。

「は? 姉様に散々酷いことしてきて? 家族? 人の心? 今更何言ってんの」

 じわじわオヒメサマを狙って、少しずつ殺していこうと思っていたけどやっぱり辞めよ。はらわたが煮えくり返って仕方ない。

「メアリーは血の繋がらない弟でも愛したいと言っていたのに!」

 そう叫ぶ信者Aを突き刺して、

「先ほどのことの始末をつけさせてもらう!」

 やっぱりノロマな信者B——姉様の結婚相手は切り刻んで、

「ちょっと強くなったからって……!」

 信者C——昔よく殴ってきてたやつは、魔法で開けた大穴に引き摺り込んだ。

 で、後はさっきのメガネ——信者Dでいいか。と、オヒメサマだけになった。どちらを先に殺ろうかと、オヒメサマの方を見やると、わざとらしく震えるオヒメサマに、それを庇う信者D。

「伯爵達やギルバート達を殺すだけでは飽き足らず、か弱きメアリーを狙うなんて……! 許しません!」

 定期的にお芝居始める辺り、本当に平和ボケしているとしか思えない。

「やっぱりあんたらが一番嫌いだ」

 か弱きメアリー? 両親を味方につけ、お前らみたいな信者に囲まれたあいつが? そんなはずない。たった一人で、魔力も武力もなく、実の両親にも愛されず、お前らに命を狙われ続けた姉様の方がよっぽど——。

 ふ、っと意識が戻ったときには、あの信者Dは細切れになって死んでいた。オヒメサマは……広間から逃げ出そうとしているのが見えた。

 よかった。死んでない。無意識で殺していたらどうしようかと思った。あいつには一番苦しんでもらわないといけない。

「まだ生きるの諦めてないんだ、オヒメサマ? 伯爵も夫人も、大切な騎士達もみんな死んだのにね」

 進路を防ぐように転移する。綺麗なピンクのドレスは赤黒い血で汚れきって、顔は怯えに満ち引きつっていた。

「ウィル……。どうして? 私達、姉弟きょうだいでしょ。私は貴方のお姉様なのよ?」

 だから殺さないで、と言い募る目の前のゴミ。騎士が死んだら今度はこっちに言い寄るつもり? それも、お姉様なんて言って。

「お姉様?」

「そう、そうよ! 私もソフィーお姉様と同じ、貴方のお姉様。きっと今までは行き違いがあったのよ。だからほら……」

「黙れ」

「お前がソフィー姉様と同じ? 行き違い? 反吐が出る」

 あぁ、イライラする。最後まで残しておけば、姉様と同じだけの苦痛を味合わせられると思ったのに。味方を惨殺した奴に対してお姉様だなんて、とことん脳が腐ってる。こんなアホが、姉様の苦しみの一部でも理解できると思えない。

 一番仲が良さそうだったから、信者Dと同じ細切れにしてあげたんだけど、最後らへんは何言ってるのか全然聞こえなかったな。








 最後に、伯爵が失血で息絶えるのを見届けて、ため息をつく。大広間は血と肉と脂で汚れきっていて、見るに耐えない。あまり汚さないようにとは思っていたけど、僕の髪や手にも返り血がベタベタ付着していて気持ち悪い。

(どこかで血を落としていかないと)

 姉様が心配する。それに、万が一にでも、僕がこいつらを殺したなんてバレては困る。姉様は優しすぎるから……。

 心の中で姉様に謝る。でも、こいつらを生かしておくことはどうしてもできなかった。

(ごめんね、姉様。でも、これでもう姉様が苦しむことはないから。これからは僕が姉様を守るから……)
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