黒魔女さんは炎狼を捕まえたようです。

豆丸

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簡単なこと

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 足りねえ、全然足りねえ。もっと甘い匂いが嗅ぎてえ。フーフーと牙を剥き出し唸るガイル、まるで獲物を前にした獣のようだ。 
 右手を添えた肉棒は三回吐精しても衰えをしらず、ビキビキと血管が怒張し、いきり立つ。 

おかしい、こんなのおかしい……コレットは番じゃない。 

 両親は初めて会った時、お互いに番とわかり引かれあって結婚した。6人子供がいても今だにお互いを尊敬しあい仲睦まじい、ガイルの理想だった。 

 半年前、コレットに初めて会った時には、派手な美人だなとは思ったが、それだけだった。 
 だから、一緒に飲みに行った夜、コレットに彼女を作らないの聞かれた時、俺は番を探し求めている、他の奴なんていらないと冷静クールに言えたのだ。  

 今さら、番じゃないコレットに欲情してる!あんたの甘い匂いを嗅がせてくれ……いや、匂いだけじゃなく、あんたの小さな体に俺の肉棒をぶちこんで、アンアン喘がせて中を子種でパンパンにして貪り尽くしたい――なんて言えるか!

 今の俺はヤバい、何が仲間には発情しないだ?思いっきり発情して襲う自信がある。 

 コレットは大切な仲間だ、俺が邪な気持ちで見てると知ったら傷つくだろう、悲しませたくない。 
 なにより、ガイルはコレットの前で頼れる兄貴分で居たかった。    

 そういえば、前にスバルと娼館に行ってから4ヶ月間女を抱いていない。だから見た目好みのコレットに発情したんだ……そうだ娼婦を抱きに行こうガイルは夜の町に飛び出して行った。  




 
 コレットは上半身を起こすと壁に立て掛けてある姿見に顔を映した、髪の毛が乱れ目の下に薄く隈がある。 
せめて小綺麗にしてからガイルに逢いたかったな、コレットは布団の中に潜り膝を抱えてガイルの事を考えた。  

 今日のガイルもカッコよかったな…私のお腹をもっと触りたくなるって、どういう意味で言ったのかな? 
少しは女の子として見てくれたら嬉しいなー。 
月経の匂いを嗅がれた時は恥ずかしかったけど、ガイルあんなに真っ赤になって慌てて可愛いかった。ガイルの体大きいし温かいし逞しかったなー。
 リリアカの変わりに、月経中魔力のない私の世話をしてくれるっていうし、毎日会えるなんて嬉しい。頑張って甘えてみよう。
 まさか、ガイルが自分に発情して襲いたい衝動と戦っているとは知らないコレットは呑気なものだった。





 ガイルは一人娼館街にたどり着いた。色とりどりの看板が目に痛い、下着のようなセクシーな服を纏った美人の客引きの娼婦に次々と声を掛けられる。娼婦達はガイルのたくましい胸にしなだれかかり、自分の豊かな胸を押し付ける。  
「お兄さん鍛えているのね、ステキ。サービスするから私と遊ばない?」  
「ダメよ。わたしと」
「いや、俺は!」   

 彼女達からは香水の匂いに混じりオスの匂いがした、ガイルは思わず顔を反らした。 娼婦を抱くつもりだったが気持ちが萎えてしまった。彼女達を抱いても自分が欲しい甘い匂いは手には入らないだろう。 

 
 娼婦達を断り歩き始めると「あれ?ガイルじゃん、やっぱり娼婦を抱きにきたの?」とチェスナに声を掛けられた。

「あ、ああチェスナか?お前お気に入りの娼婦に会えたのか?」  
「うん!久しぶりにアリアちゃんの豊乳に埋もれたよ~。3回も出してさっぱりしたー」チェスナは思い出したのかニヤニヤが止まらない。 
 
「ガイルはこれから行くの?」  
「いや、俺は萎えたから帰ろうと」 
「萎えた!嘘だろここ娼館街だよ。ビンビンに立ち上がる所じゃないか!ガイルもう枯れたの?」 
「枯れてたまるか!」 
「枯れてないのに萎えたって…性癖に合わなかっただけじゃない?ガイルの好みの種族は?」 好みと言われてコレットの顔が頭に浮かんだ。
「……魔女」ガイルはぼそりと呟いた。 
「ま、魔女?この街に魔女の娼婦はいないよー。人数少ない貴重な種族だからね」   
「すまん、変なこと言った忘れてくれ」    
「……ガイル、コレットちゃんと何かあった?」
「がっ、な、何でわかるんだ?」 
「やっぱり!ガイル分かりやすいから。ほらほら相談に乗るから話しなよ」 
チェスナは嫌がるガイルをぐいぐい居酒屋に引っ張って行く。 


 

「ふーん。コレットちゃん素の姿に発情したんだ、それの何が問題なの?」居酒屋の狭いカウンターで並んで飲む、もちろんガイルの奢りだ。 
 ガイルは、コレットが月経中で魔力のないことを伏せてチェスナに話した。 
「…しかし、コレットは仲間だ」     
「仲間に発情したらいけないの?僕だったら会うたびに発情するよー。」  
「コレットは番じゃないんだ。俺は番を大切にしたい。」 
「番じゃなくても大切にしたらいいじゃないか!そんなに番って重要?これから先、探して会えるかわからない番より、今目の前にいるコレットちゃんが大事じゃないの?」 
 ガイルはハンマーで頭を叩かれたような衝撃を受けた、衝撃に頭を抱える。 
「俺は…コレットを傷つけたくないんだ」  
「はあ?何言ってるの?ガイルが傷つきたくないだけじゃんか!仲間にも番以外にも発情しない自分を高尚だと思ってたから、本質から目を反らしてるよ。」チェスナは容赦なくガイルに詰め寄る。 
「俺が目を反らしている?」
「ガイル認めなよ。ガイルはコレットちゃんが好きなんだよ。」         
チェスナの言葉はガイルにすんなり浸透した。        
好きだから発情して当たり前、簡単なことだった。 
「俺はコレットが…」
「やっと気付いたか?馬鹿だねガイルは…」チェスナは心底呆れた顔だ。 
「それで?ガイルはどうするのさ!仲間だ、番じゃないって諦めるの?尻込みしてるうちに、コレットちゃんが知らない男にやられちゃっていいの?」 
ガイルの知らない男にコレットの細い体が組みしかれているのを想像し、虫酸が走る――あれは俺のだ!
「だめだ!」奥歯をギリギリ噛みしめる。 
「じゃあ、どうするのさ?」 
「口説いて口説いて押し倒す!」 
「よし!それでこそガイルだよ!」チェスナはガイルの背中を叩いた。



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