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勇者凱旋

LV178 再戦そして勇者の出番

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 フミヤとベレッタがブリズエラとゼウスと戦った明くる日、フミヤは早朝より『モンペロ』に出勤。家事を終えたヴィオラは、外へ出て背伸びをした。

「ん-、いい天気」

 ゴン、バキ、ゴン。

「何この音?」
 聞きなれない音を耳にしたヴィオラは、その音のなる方へ歩き出す。

 辿りついた先にはベレッタの姿がある。

「ベレッタどうしたの? えっ? えーー!」

 *ヴィオラは雄たけびをあげた。

 なんとベレッタはゼウスの体の上で馬乗りになり、タコ殴りにしているのだ。

 実はゼウス、メロの体で回復した後「至上神とも在ろう者が、一介のの魔王に負けたとあれば、神の威厳にかかわる」と、ベレッタに再戦を申し込んだのである。
 結果、惨敗。ベレッタにマウントポジションを取られフルボッコにされていたのである。

「ベレッタ! やめなさい」
 ヴィオラが必死にベレッタをゼウスから引き剥がす。

 *ゼウスはピクピクしている。

 *ヴィオラはメガヒールを唱えた。

 ゼウスの体はみるみる内に回復していく。

「ワシは至上神ゼウス、お主の夫のフミヤに用があり参った」
 ヴィオラの治癒魔法により全回復したゼウスは何事もなかったかのように、偉そうな素振りでヴィオラにそう言い放つ。

 ドン。

「グフッ」

 ベレッタはゼウスの態度にイラっとし、腹部に裏拳を入れた。ゼウスはベレッタの顔をチラッと見て「オホン」と咳ばらいをし、ヴィオラに丁寧な口調で再び話しかした。

「いやいや、初対面で申し訳ありません。実はお主、いやあなたの旦那様であるフミヤ殿に……」

 ゼウスがフミヤと話をさせて欲しいとお願いしようとした刹那、突如上空より巨大な氷の塊がヴィオラを襲う。

 ヴィオラは素早く剣を抜き、巨大な氷の塊の方へ跳躍すると

「エアースレイーーブ!」と、叫ぶ。

 氷の塊はヴィオラのスキル『エアースレイブ』により一刀両断された。

「やるではないか勇者よ!」

 地上に降り立ったヴィオラが再度頭上を見上げると、空に一匹の魔人が浮かんでいる。魔王ブリズエラである。

「だが、次はどうかな?」

 ブリズエラは笑う。

「氷結の刃!」

 ブリズエラが魔法を唱えると、ヴィオラに上空より無数の氷の刃が襲い掛かる。
 
 しかし、ヴィオラは難なく氷の刃をスルスルとすり抜け躱していく。

 そして、ヴィオラは氷の刃を躱しながら
「ライトニング」と叫び、ブリズエラに雷魔法を放つ。


「ぐああーーぁ!」

 放たれたライトニングは見事直撃し、ブリズエラの動きが一瞬止まる。

 間髪入れずヴィオラは『ライトニング』を連発した。ライトニングはブリズエラに全弾命中。

 ヴィオラの雷魔法を何度も受けたブリズエラは次第に黒焦げになっていき、地面に落下する。地面に強く体を打ちつけたブリズエラはふらふらしながら立ち上がる。

「なんだこの威力は、ライトニングは雷魔法の中で最下級ランクの魔法だぞ……」
  

 ヴィオラの『ライトニング』は既に魔法LVがMAXのLV10に達している。つまりそれは、ヴィオラのライトニングが他者が使う最上位雷魔法と同等の威力を持つ事を意味していた。


「გამოდი ხმალი」
 ブリズエラが聞いた事のない呪文を口にすると両手に剣が現れる。

「俺は元々、剣術が得意なんだよ!!」
 
 双剣で襲い掛かるブリズエラに、ヴィオラも剣で応戦する。


 しかし、ブリズエラがどれだけ攻撃を仕掛けてもヴィオラの体に傷一つ付ける事ができなかった。
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