母校に就職したら指導教官が大好きだった先生でした

風花鳴海

文字の大きさ
63 / 112
4 それぞれの。

里見と水谷

しおりを挟む
結局、希帆ちゃんの個人面談は昨日だった。初めての面談だったそうで、昨日は一日中緊張しててなんかかわいそうだったけれど。やっぱり叱られはしなくて、明日から放課後、居残りで勉強することになったとか。水谷先生と居残りなら、ちょっとうらやましいかも。
わたしの方は、今回ばかりは叱られるような気がする。でもちょっと、前回の水谷先生みたいに優しくアドバイスくれて終わりなことを期待してもいる。
「里見さん、今日は放課後面談です」
「はい」
4時間目の国語の授業の終わりに声をかけられてから、落ち着かない。
終礼が終わって、自分の荷物を片付けて、職員室に向かう。職員室のなかの面談室は、教頭先生の席から近くて、わたしと水谷先生の会話は聞かれているんじゃないかなと思っている。
「先生、面談」
「あ、お願いします。じゃ、面談室へ」
水谷先生が先に立って面談室へ。なんだかとても。怖いような、楽しいような、いろんな感情が頭をグルグルしてて、騒がしい。
先生に促されて座ると目の前に先生の顔がある。
「今回は、中間試験の倍以上の点はとれたんですね」
倍以上と言っても、前回が12点だし、32点しかとれていませんが。ん?先生がじっとわたしを見て、黙っている。わたしが何か言わなくちゃいけないのかな。なんか、落ち着かない気持ちになって、つい目をそらしてしまう。
「前回の面談のアドバイスどおりに勉強できましたか?」
ここは正直に。
「ごめんなさい。答えをうつして、それで終わりにしてしまっていました」
「どうして?」
だって、数学なんかやりたくないんだもん。なんて言えない。うーん。なにか言い訳を考えなくては。
「里見さん、僕、おととい教頭先生にすごく叱られてね」
ん?急になにを言い出すの??水谷先生がわたしに言ってるのかどうなのか。机に目線を向けたまま話し始める。
「小西さんが赤点だったのに、全然、なんで赤点をとられてしまったのか、考えてなかったからで」
ますますわからない。なぜこの話??
「僕は最近、弛んでいたんです。以前なら、みなさんの試験の採点をしたら、問題ごとの正答率をだしたり、誤答の傾向を分析したり。みなさんがどこまで授業を理解してくれたのかを、真剣に読みとろうとしていた。でも、最近は、採点して、なんとなく把握できた気になって、それでよしとしていたんです」
水谷先生は顔を上げたけど、恥ずかしそうに顔を赤らめて、すぐまたうつむいてしまう。
「教頭先生には、僕のその弛んだ精神をすぐに見破られて、それで叱られたんです」
ああ。これは。来る。
「里見さん、あなたも弛んでいたのではありませんか?」
来た。やっぱり叱られるんだ。
「明日からしばらく、放課後居残り勉強をしましょう。小西さんも一緒に」
へ?
「では。なにか言いたいことありますか?」
首を横にフルフルと振る。
叱られはしなかったけど、サボっていたことがバレたのはわかった。


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

処理中です...