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4 それぞれの。
里見と水谷
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途中から泣いていた。多分。
今日は再テスト。この二週間の成果を小西さんも里見さんも遺憾なく発揮してほしいものだが。里見が明らかに泣いている。
採点のために、今日は、橋本先生にも来てもらっているが、橋本先生は気がつかないのか。
「時間です」
放課後居残りでやっているテストだから、チャイムは鳴らない。時間が来たことを告げると、小西は意気揚々と、里見は憔悴した様子で答案を持ってくる。
橋本先生は受け取るとすぐに採点に入った。小西の分は、最初からこれくらい出来ていて欲しかった。
82点。ギリギリだが、合格だ。小西は、居残り勉強から解放。隣の橋本先生の手が止まり、僕と顔を見合わせる。あまり良い顔ではない。
「里見さん」
名前を呼ぶと、ビクンと飛び上がるように顔を上げる。目が赤い。
「どうしましたか?」
ここで、大丈夫ですか、と聞いてはいけない。大丈夫かと聞かれると、大丈夫でなくても、はい、と言ってしまうものだ。これは、教頭の教え。
「・・・・・んです」
消え入りそうな声で何か言っている。思わず近付いてしまった。
「もう一度聞いても良いですか?」
「わからなかったんです。二問」
必死で泣くのをこらえている。ショックだったのか。
「橋本先生?」
「62点」
不合格。しかも惜しいというには、点が足りなさすぎる。
「最後の二問がわからないというのは、ちょっと困りました。うーん」
橋本先生も眉間にシワを寄せて考え込んでいる。
「愛莉ちゃん、もう一回頑張ればいいだけじゃん」
小西がそっと励ましている。そう。もう一度頑張ればいいだけのことだ。
「そう。あと一週間がんばってみましょう」
「一週間?」
「もう夏休みに入りますから、今回は短縮しましょう。そのかわり、半日で授業が終わるので、勉強の時間を長くして」
橋本先生が提案する。それは良いアイデアかもしれない。
「わかりました。では、あと一週間、がんばってみましょう」
「はい」
力のない返事をする。こんなに落ち込んでいる里見を見るのは初めてではないか。
「寮まで送ります。帰り支度をしてください」
「はい」
「僕は職員室に荷物をとりに行ってきます」
門限まで、まだ時間はあるが、この状態でひとりで返すのはさすがに心配だ。
寮に送り届けて、自分は自宅に。あと一週間をどうするか。思案のしどころ。
今日は再テスト。この二週間の成果を小西さんも里見さんも遺憾なく発揮してほしいものだが。里見が明らかに泣いている。
採点のために、今日は、橋本先生にも来てもらっているが、橋本先生は気がつかないのか。
「時間です」
放課後居残りでやっているテストだから、チャイムは鳴らない。時間が来たことを告げると、小西は意気揚々と、里見は憔悴した様子で答案を持ってくる。
橋本先生は受け取るとすぐに採点に入った。小西の分は、最初からこれくらい出来ていて欲しかった。
82点。ギリギリだが、合格だ。小西は、居残り勉強から解放。隣の橋本先生の手が止まり、僕と顔を見合わせる。あまり良い顔ではない。
「里見さん」
名前を呼ぶと、ビクンと飛び上がるように顔を上げる。目が赤い。
「どうしましたか?」
ここで、大丈夫ですか、と聞いてはいけない。大丈夫かと聞かれると、大丈夫でなくても、はい、と言ってしまうものだ。これは、教頭の教え。
「・・・・・んです」
消え入りそうな声で何か言っている。思わず近付いてしまった。
「もう一度聞いても良いですか?」
「わからなかったんです。二問」
必死で泣くのをこらえている。ショックだったのか。
「橋本先生?」
「62点」
不合格。しかも惜しいというには、点が足りなさすぎる。
「最後の二問がわからないというのは、ちょっと困りました。うーん」
橋本先生も眉間にシワを寄せて考え込んでいる。
「愛莉ちゃん、もう一回頑張ればいいだけじゃん」
小西がそっと励ましている。そう。もう一度頑張ればいいだけのことだ。
「そう。あと一週間がんばってみましょう」
「一週間?」
「もう夏休みに入りますから、今回は短縮しましょう。そのかわり、半日で授業が終わるので、勉強の時間を長くして」
橋本先生が提案する。それは良いアイデアかもしれない。
「わかりました。では、あと一週間、がんばってみましょう」
「はい」
力のない返事をする。こんなに落ち込んでいる里見を見るのは初めてではないか。
「寮まで送ります。帰り支度をしてください」
「はい」
「僕は職員室に荷物をとりに行ってきます」
門限まで、まだ時間はあるが、この状態でひとりで返すのはさすがに心配だ。
寮に送り届けて、自分は自宅に。あと一週間をどうするか。思案のしどころ。
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