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5 飛び込む勇気
吉谷と榊
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「最近、平井先生なんか可愛くなりましたよね」
吉谷先生にもそう見えてたのか。
「可愛くなったというより、腑抜けてるんですよ。婚約したからって浮かれやがって」
「へっ!婚約したんですか?」
「一緒に住んでるそうですよ。もう、一年目にして婚約とか、最近の若い奴は」
「ちょっと待って。若い奴って、榊先生もそんなに年はかわらないでしょ?」
「まあ、3個しか違わんですけど」
「あ、じゃ、平井先生と私、同い年か。わー、同い年で婚約とかもうそんな年だっけー?」
吉谷先生は、俺と廣瀬の次の年採用で、学部卒だから、修士を出て今年就職した平井と同い年らしい。平井とは落ち着きが違うのは、就職してからの積み重ねの差か。
「廣瀬より若いんなら本当なら里見さんのシスター、吉谷さんがやる予定だった?」
「教頭先生から打診はありました。でも、里見さんが寮監もやるなら、廣瀬さんの方が良いって話になって」
「たしかに、一緒にいる時間長いもんね」
「本当は、わたし、後輩の面倒見るとかそんな余裕全然ないので、ほっとしてます」
なんか、ちょっと恥ずかしそうに微笑んで下を向く。初めて顔見たような。こんなかわいかったんだ、吉谷さん。電車の吊革を握ってる腕ほっそっ。華奢っていうか、折れそう。いかん。俺、なに後輩をそんな目で見てるんだ。
「先生と電車一緒になるのって、初めてですね」
「なんでだろね。路線一緒なのにね」
「多分、わたし仕事いつももっと遅いから」
「あんまり遅くならない方が良いよ。ちゃんと休んで体力回復させんのも、仕事のうち。授業のクオリティ下げないためにも、夜はしっかり寝ないと」
「はい」
「て、平井がいつも鈴木さんに説教されてる」
「あ、ときどき聞こえてます」
しばらく無言になる。そういえば、どこまで一緒なんだろう。
「それじゃ、明日またお願いいたします」
えっ。最寄り駅一緒?
「なんかごめん。俺もここ最寄り」
「えっ!知らなかった。先生御実家です?」
一緒に改札まで歩く。
「そ。家は紅葉台」
「わたし、青葉台」
まさかの通り道。
「じゃ、お家の近くまで送りますよ」
「ありがとうございます」
いや。送っていいのか?俺が?えっ。
「吉谷さんも実家?」
「いえ。一人暮らしです。この辺駅近いし、スーパーとか、病院とかいろいろ揃ってて便利なんで」
知らなかったなあ。後輩がこんな近くに、ってここ??
「じゃ、また明日お願いします」
さっきと同じようなあいさつをして、アパートに消えていく。
いかんいかん。ただの偶然だ。それだけだ。
吉谷先生にもそう見えてたのか。
「可愛くなったというより、腑抜けてるんですよ。婚約したからって浮かれやがって」
「へっ!婚約したんですか?」
「一緒に住んでるそうですよ。もう、一年目にして婚約とか、最近の若い奴は」
「ちょっと待って。若い奴って、榊先生もそんなに年はかわらないでしょ?」
「まあ、3個しか違わんですけど」
「あ、じゃ、平井先生と私、同い年か。わー、同い年で婚約とかもうそんな年だっけー?」
吉谷先生は、俺と廣瀬の次の年採用で、学部卒だから、修士を出て今年就職した平井と同い年らしい。平井とは落ち着きが違うのは、就職してからの積み重ねの差か。
「廣瀬より若いんなら本当なら里見さんのシスター、吉谷さんがやる予定だった?」
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「たしかに、一緒にいる時間長いもんね」
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なんか、ちょっと恥ずかしそうに微笑んで下を向く。初めて顔見たような。こんなかわいかったんだ、吉谷さん。電車の吊革を握ってる腕ほっそっ。華奢っていうか、折れそう。いかん。俺、なに後輩をそんな目で見てるんだ。
「先生と電車一緒になるのって、初めてですね」
「なんでだろね。路線一緒なのにね」
「多分、わたし仕事いつももっと遅いから」
「あんまり遅くならない方が良いよ。ちゃんと休んで体力回復させんのも、仕事のうち。授業のクオリティ下げないためにも、夜はしっかり寝ないと」
「はい」
「て、平井がいつも鈴木さんに説教されてる」
「あ、ときどき聞こえてます」
しばらく無言になる。そういえば、どこまで一緒なんだろう。
「それじゃ、明日またお願いいたします」
えっ。最寄り駅一緒?
「なんかごめん。俺もここ最寄り」
「えっ!知らなかった。先生御実家です?」
一緒に改札まで歩く。
「そ。家は紅葉台」
「わたし、青葉台」
まさかの通り道。
「じゃ、お家の近くまで送りますよ」
「ありがとうございます」
いや。送っていいのか?俺が?えっ。
「吉谷さんも実家?」
「いえ。一人暮らしです。この辺駅近いし、スーパーとか、病院とかいろいろ揃ってて便利なんで」
知らなかったなあ。後輩がこんな近くに、ってここ??
「じゃ、また明日お願いします」
さっきと同じようなあいさつをして、アパートに消えていく。
いかんいかん。ただの偶然だ。それだけだ。
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