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第1章 勇者の資格
伝説に出会いました ( 2 )
しおりを挟むカゴ1杯のリンゴを持って、私は家に帰りました。
この家はナオミさんのお家で、私はここに住まわせて頂いています。
「今日はいっぱい採れたね」
「そうですね。最近お天気がいいですから」
「そうだけどねぇ。ちょっと嫌な感じがしてきたよね、近くで」
嫌な感じ、というのは、最近近くで魔獣の目撃情報が相次いでいるということでしょうか。
つい先日も、イールイ村から少し離れたサァール村に魔獣が出てきて、冒険者が派遣されたと聞きました。
私も最近、ここら辺で嫌な雰囲気を感じています。
ちょくちょく夜の間に起きて、イールイ村を見回っています。
私とナオミさんはご飯の準備をします。
その時でした。
「ナオミ、エミカ、居るか?」
マオさんが家の中に入ってきました。
ずいぶんと慌てているようです。
「何かあったの?」
「それが、カナカ森で魔獣が目撃されて。危ないからここから避難した方がいいって父さんが」
「魔獣が!?」
ナオミさんが驚いた声を上げました。
あそこで魔獣の気配はしたことがなかったですけど、発生してしまったのでしょうか。
「エミカ、離れるよ!」
「はい」
ナオミさんが上着を渡してくださるので、私はそれを受け取ります。
外に出ると、むわっと魔力の渦が当たってきました。
バタバタと松明を持ちながら走っているカルさんにマオさんが話しかけます。
「どうなっている?」
「それが、異例なんですよ。魔獣が俺達に襲いかかってくると言うより、カナカ森の奥の方から逃げてくるって感じで。襲ってくる訳じゃないので、俺達にでも簡単に駆除することはできるのですけど」
「冒険者は?」
「来てます。奥の方へ向かっているって報告がきました」
逃げてくる、ですか。
こちらへ来る魔獣よりも強い何かがカナカ森の奥にいるということでしょうか。
カナカ森ではなく、そのもっと奥のカナカ平原にいるのかもしれません。
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