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第1章 勇者の資格

伝説に出会いました ( 4 )

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 龍。
 それは、魔獣とは違って、魔族に分類される生物です。
 龍人と龍族とがあり、龍人は人に変化できる種族のことで、龍族は人に変化することはできない種族です。
 他の種族でも同じで、代表に獣人と獣族などがあります。
 龍というのは、S級の魔獣よりも厄介と言われています。
 普段は温厚な龍が多くて、暴れたりしません。
 だけど、この冒険者さんの話では、龍が出てきたと。
 龍が暴れて、魔獣が逃げてきたのでしょうか。

「龍って……伝説じゃないの?」

 ナオミさんが呆然と呟きます。
 マオさんとカルさんも、同じく呆然としています。

「何人かカナカ森に向かった」

 ぼそっとカルさんが呟きます。
 その呟きに、ナオミさんがばっと顔を上げます。

「うちの村の者だけで、龍を倒せるわけないじゃない!」

 マオさんも顔を真っ青にしています。

「助けに行かないと!」
「俺達が行っても何にもならないだろ!」
「でも……じっとなんてしていられないわ!」

 ナオミさんが森に向かって走っていきます。
 私は彼女を追いかけました。
 マオさんとカルさんも追いかけてきます。


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