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第一章 まさかの幽霊

転生(4)

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 空を飛べることを発見した。
 まあ幽霊なので宙に浮いていると言う方が正しいのだろうか。
 宙に浮きながら地上を見下ろして、プカーと旅をする。
 発展してる都市に行くと、でっかいお城があってビビった。王様とか貴族とか、そんな世界なんだと思う。都市別格。初めの街よりも絶対都会。
 そんででっかいお城の近くにはでっかい教会らしき綺麗な建物があってビビった。教会がお城の近くにあるってことは宗教の影響が強いのかな?
 国全体を見渡してみたいと思って、お城の上に立ってみようとする。
 罰当たりかなぁ? お城のてっぺんに立つなんて。でも私幽霊だしなぁ。誰にも気づかれんやろ。
 ヒョイッと城のてっぺんに足を乗せて立ってみる。
 圧巻。
 城の周りにも立派な屋敷が沢山並び、王都というのだろうか? この辺りの都市には大きな建物が多い。よくよく目を凝らしてみると、アンティークみたいな学園らしきものも見える。
 近辺だけでなく、奥の方も見てみる。王都から遠くなるにつれ、都会度は薄れていく。
 てっぺんに座り込んで、ぼおーっと景色を眺める。
 ベリービューティフル。
 ……私、世界を旅するのが夢だったんだよね。
 こんな風に、広い世界を眺めてぼーっとすることなんて、初めてかも。感慨深くなってくる。
 世界は広いねぇ。私なんて、ちっぽけな存在に感じる。
 このまま幽霊のまま世界を旅するのもいいのかなぁ。
 ……。
 …………。
 ………………。
 なんか腹が立ってきた。
 幽霊で旅しても、買い物を楽しんだり美味しいもの食べたりモフモフに触ったりできないじゃないか!
 それは旅と言えるのだろうか。
 答えは否!
 画面の向こうで見てるのと変わらない!
 というか私はなんで転生直後に死んだんだろう。異世界に転生したのは何故?
 ――神様が、いるとか?
 それなら余計神様とやらに言ってやりたい。
 なんで私を直ぐに殺すねん!
 私はもっと生きたいわ!
 ……まあ、神様に怒ってもしょうがないよね。いたとしてもいなかったとしてもきっとこんなちっぽけな存在の声は聞こえない。
 …………。
 もうちょっとふわふわの旅でもしようかなー。
 と、思って立ち上がろうとしたその時だった。

『承認しました。天村麗花に固有スキル『検索』を付与します』

 頭の中に、こんな声が響いた。
 ……もしや神様? 今の私の心の叫び聞こえたとか?
 そうだったらこれこそ罰当たり!? 神様だったら幽霊の私にも罰は与えられる!
 ごめんなさい! あなたを責めるつもりは特にないです! 逆に感謝しています! こんなに広い世界を見せてくださったことに……。
 必死に神様に謝る。すると。

『承認しました。天村麗花にスキル『翻訳』を付与します』

 再び神様の声が聞こえた。
 ん? スキル?
 さっきは急な神様の声でビビりすぎてスルーしてしまったけど、なんか、スキルとか聞こえたよね?
 一回目は固有スキル『検索』、二つ目はスキル『翻訳』。
 まずらスキルとは何ぞ?
 不躾ながら、ヘルプミー、神様!
 …………。
 沈黙! 
 神様ー? スキルありがとうございます。このスキルとやらの説明をして頂けないでしょうか? 神様に質問なんて失礼ですが。
 …………。
 沈黙! 
 あれ? まさか神様帰っちゃった?
 スキルってどうやって使うの!? 強く願ってみるとか?
 えーい、ままよ!

 スキル『検索』!!

 …………。
 恥ずかしっ!! 何も起こらない! 厨二病みたいになってしまったでは無いか!
 スキルをもらったけど使い方がわからないので猫に小判状態な件。
 誰かー。ヘルプミー。スキルの使い方を初めこの世界のこととか教えてくれないですかー?
 まぁそんな都合よく誰か現れたりしないよねー。
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