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第一章 まさかの幽霊
レベルを上げたい(8)
しおりを挟む看板には「交換所」とだけ書かれている。シンプルイズザベストだね。
冒険者達と紛れ込みながら交換所の中に入る。
ここでもカウンターらしきところがある。冒険者達を見ていると、そのカウンターに魔石を置いてお金と交換してもらっている。
おー。私も交換して欲しい。
カウンターの前にいく。
「ご利用初めてですか?」
緑の髪のお姉さんが話しかけてくれる。私はこくんと頷いた。
「では、少々説明させていただきます。こちらの交換所では、主に魔石や素材、薬草等を、貨幣に交換することを行っています。こちらで鑑定し、魔石等の価値は決めさせていただきます。今日は何の交換に来られましたか?」
私はポッケからごそごそと魔石を取り出し、カウンターに並べる。
全部出したら15個にもなった。
「これは……。ナメとスライムの魔石ですね。交換料は銀貨2枚と銅貨20枚となりますが、よろしいでしょうか?」
銀貨って何ぞ? 銅貨って何ぞ?
と思いつつも「はい」と頷く。お姉さんはにこりと笑って、魔石をトレーに入れて奥に行く。
そして直ぐに戻ってくると、カウンターに銀貨らしきものと銅貨らしきものを並べる。
「どうぞ」
お姉さんの顔を見ると、持って行ってという顔だったので、私はいそいそとお金を持って、ポッケに突っ込む。
「お客様は魔袋をご利用になっていないのですか?」
その様子を見てか、お姉さんが驚いたように声を上げた。魔石をポッケから取り出したのもお金をポッケに突っ込んだのも気になったのかな?
というか魔袋って何?
「魔袋というのは、迷宮に行く際にほとんどの者が持つ装備品です。ものによって量は異なりますが、魔石等の収納が簡単に行えて、大きさに見合わず多くの量を入れることができます」
すげー。そんなのあるんだ。
知ってた、という思いを込めてホムラを見ると、勿論という顔をされた。
私が世間知らずなだけなのか……?
というかほしい。
「どこで買えますか?」
「装備屋で売ってますよ」
装備屋行こう! 魔袋はもっておいて損は無いと思う。
「ありがとうございます、色々教えてくださって」
お礼を言うと、お姉さんはいえと言って笑ってくれた。
「あなたみたいな可愛い子が来てくださったら私も嬉しいですよ」
か、可愛い子!? いやこれはあれだよあれ。お世辞ってやつ。
お姉さんは優しいんだなー。
「これからもお世話になると思います」
「あら。でしたらお名前を聞いてもよろしいですか?」
「レイカ・アマムラです。あと私には敬語じゃなくて普通に話してください」
「分かったわ、レイカ。私はナホ・オズワーよ。これからもよろしくね」
私達はにこりと笑いあって、手を握った。
これはこの世界の同性初友達では無いか……! 嬉しい!
ホムラはと言うと、何も言わずに私を見守っていた。少し微笑ましそうな顔をしていたから、なんか恥ずかしかった。
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