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第一章 まさかの幽霊

お金を稼ぎたい(1)

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 交換所を出て、私は噴水に腰掛ける。ホムラも私の横に座る。

「何買おっかなー。というかこれだけのお金で何が買えるのかな? 魔袋って幾らなの?」
「魔袋なら……銀貨1枚だったかな?」

 じゃあ銀貨1枚は魔袋に使おうかな。残りは銀貨1枚、銅貨20枚か。
 まあここで考えるよりも、実際に見た方が早いかな。

「そういえば、お金の基準ってどんな感じなの?」
「銅貨50枚で銀貨1枚と同じ価値になる。ちなみに銀貨20枚で金貨と同じ価値だ」

 なるほど……。つまり銅貨を100円に例えると、銀貨は5000円ってことか。金貨は……5000円が20枚で10万円!?
 金貨やべー。金持ちになれるじゃん。

「魔袋は、装備屋に売っているってナホさんは言ってた。とりあえず装備屋行こう。装備屋ってどこだろう?」
「着いてきて」

 ホムラが立ち上がって歩き出す。私も彼に着いていく。
 ビガストギルドがある方を西だとすると、今行く方向は東。あ、ちなみに迷宮は南。王都は北。
 歩いて行き、家を6件ほど通り過ぎたら、お店みたいなのが見えてきた。
 外にも装備品みたいなのが並んでいる。きっとここが装備屋だ! 看板にもそう書いてある。

「おー着いた」

 お店は、老舗って感じがする、木造の家だ。

「僕は外で待ってるね」
「分かった」

 ホムラは店の外の石垣に腰掛ける。
 私がお店の中に入ると、イカついおっちゃんが「いらっしゃい!」と声を上げた。
 装備屋の中には、冒険者の姿もちらほら見えた。
 入口の一番近くには、鎧みたいな服が置いてある。重そう。しかも可愛くない。

「嬢ちゃん、何をお探しで?」

 イカついおっちゃんが話しかけてくる。店長さんなのかな? さっきそんな会話が聞こえたもの。

「魔袋ってありますか?」

 そう聞くと、おっちゃんはニカッと笑って「着いてきな」とかっこよく言う。やだイケおじ。
 案内された先の机に、カラフルな巾着みたいなのが幾つか置いてある。大きさは全部違う。
 巾着をじっと見つめる。
 んー。これとか可愛い。赤と黄色のストライプ巾着。でも派手だな……。
 私的なことですが私は水色が好きです。
 水色の巾着を探すと、あった。めっちゃ可愛いの。
 白い背景に水玉があるシンプルなやつ。でも可愛い。シンプルイズザベスト。サイズもちょうどいい感じ。
 これ欲しい。

「これ幾らですか?」
「ええっと、このサイズだと……銅貨40枚だな」

 私の所持は、銅貨20枚。30枚も足りない!
 あ、いや。銅貨50枚で銀貨1枚だから、銀貨出せばいいのか。
 ポッケをごそごそ漁っていると、おっちゃんはそうだと呟きどっかへ行ってしまった。
 おっちゃんー? どこ行くん?
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