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第二章 強くなろう

恩返しがしたい(4)

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 宿屋なう。
 とりあえず今日は暗いから別れて、明日噴水広場に集合して色々話し合うことになった。
 ベッドにダイブして、少しうだうだする。
 あー。生きてるー。
 そういえば、刺される前に『危機感知』に反応してなかったよね。何故だー。故障か?
 まだあまり使ってないからかな。それとも反応しない系の攻撃だった?

「レイカ、大丈夫? 怪我、痛くない? 僕、これからは絶対レイカに怪我をさせないから」
「頼もしいホムラさん」

 ベッドに腰掛けて、検索をするためにケンパトを取り出す。

「聞きたいことがあるんだけど」
「どうした?」
「スキルに、強化とか覚醒とかあるの?」
「は?」

 ホムラが私を見て、ぽかんとした表情になった。
 ――なんかこの展開、経験した覚えが。

「まさか、レイカ、覚醒スキルをてにいれたのか!?」
「え、何か凄いやつだったりする?」
「凄いやつも何も……。覚醒スキルを手に入れるのって、本当に難しいんだよ」

 まじっすか。

「手に入れちゃったよ。大怪我をしたからかな?」
「したからかな? って……。助かったから良かったんだけど……」

 ホムラの呟きを聴きながら、ケンパトで検索する。

『実体化・強』『実体化』の強化スキル。半実体の状態になれる。
〈強化条件〉『実体化』持ち、実体化中に大きな怪我を負う
『透明化』触った物を透明にできる。
〈獲得条件〉霊体である、『実体化・強』持ち
『強靭』『身体強化』の覚醒スキル。意識がある際に、常に身体強化を行う。
〈覚醒条件〉『身体強化・強』持ち、『剣神』持ち、一度死の淵に立ち、生き残るのどちらかに当てはまる
『感知(危)』『危機感知』の覚醒スキル。自らの危機を必ず感知する。
〈覚醒条件〉『感知・強』持ち、大きな危機に見舞われる
『痛覚無効』『痛覚軽減』の覚醒スキル。痛みを感じなくなる。ただし、感じなくなるだけで怪我が治るわけではない。
〈覚醒条件〉『痛覚軽減・強』持ち、激しい痛みを体験する
『完治』『自己治癒』の覚醒スキル。怪我をしても直ぐに傷が癒える。ただし、急所は直ぐに治せない。
〈覚醒条件〉『自己治癒・強』持ち、又は瀕死の重症を負い、助かる

 これを見た時、思わず口をあんぐりと開けちゃったんだよ。
 一言感想。
 ……ヤバくね? 強くね?
 スキルの確認の前に、単語で調べておこう。「きょうかすきる」「かくせいすきる」で。

【強化スキル】スキルの使用状態がある一定値に達すると行える。また、例外はある。
【覚醒スキル】スキルの覚醒。スキルの使用状態がある一定値に達すると行える。また、例外はある。覚醒スキルがあるかどうかはスキルにより異なる。

 私はほとんど例外だな。まず持ってなかったスキルもあるもん。
 すげー。大怪我してみるものだな。
 いや、前言撤回。あの痛みは二度と感じたくないし、死の恐怖も二度と感じたくない。
 考えてみたら、強化スキルって、最後に「強」って付いているだけじゃん。なのに、普通に検索しても出てこない。
 その理由は、もしかしたらこれか? 
 普通に調べたら、スキルとか単語の色は黒太文字なんだけど、【強化スキル】と【覚醒スキル】は、青色。
 もしや、別のサイトに飛ぶようなあれか? と思ってタップしてみると、飛びました。
 別の検索ボックスが出てきた。
 おー。これで検索したら、強化スキルとか覚醒スキルは調べられるんかな。

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