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第七話 初級魔法
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メーティル先生に初級魔法を教えてもらうこととなった。
「ファイアボールはプチファイアの応用です。 それを大きくして早く飛ばすイメージで『炎よ、爆ぜろ』と唱えてください」
下級魔法以上には大抵詠唱があり、国家魔法師の一部は無詠唱で魔法を放つことが出来るのだとか…。
「はい! 炎よ、爆ぜろ!」
掌から握りこぶしより少し大きな炎弾が射出される
「いいですよ! その調子です。 コツは毎回同じ大きさくらいになるようにイメージすることです」
「はい!分かりました!」
何度も繰り返し的に当てていくとどんどん大きさが安定してくる。
まだまだ魔力は余裕がありそうだ。
「凄い魔力量ですね。 辺境の魔法師や魔導士はもう軽く越していますよ」
魔法師とは杖等の媒介を使わずに魔法を行使し戦や魔物討伐に赴く者で、魔導士とは魔法の行使には杖等の媒介を用い、魔道具の作成や魔法師と同じく戦や魔物討伐に赴く者のことである。 基本は魔法師を選ぶ人が多い。
明確な違いは杖の有無くらいなので魔法師も魔導士も、魔法師団や冒険者ギルドに所属するのが主だ。
「ありがとうございます。 ただ、魔力の多さには自信がありますが、繊細な魔力コントロールはまだ僕には難しいです」
「最初から出来る人なんて居ませんよ? その歳にしてはかなり優秀な方だと認識しています。 魔法学院には通うご予定で?」
魔法学院も騎士学院も貴族が多く平民らには風当りが冷たいのが特徴だ
「はい、通いながら冒険者ギルドにて仕事をして学費を稼ごうかと思っています」
「それは良いですね。 王都には安くて良い宿も沢山ありますし、とても楽しいと思いますよ」
「もしその時になったらお勧めの宿を教えてください」
「えぇ、その時はぜひ」
俺達は講義の合間にたまにこういった日常会話もしている。
メーティル先生は21歳で一級宮廷魔法師だ。
わざわざ時間を見つけて週に一度家に来てくださっている。
ご実家は男爵家で次女で二つ名はその綺麗な銀髪から【純白の旋律姫】などと呼ばれている。
「メーティル先生は純白の旋律姫と呼ばれているとのことですね。 純白は分かりますけど旋律姫ってなんですか?」
「それは私の杖は代々受け継がれる物で、霊樹の枝から作るタクトなのです。 あとは私の家系の固有魔法の詠唱が歌うようなリズムになっているからですかね」
へぇ、と感心するがここで固有魔法の存在を思い出す。
「固有魔法は血縁者でないと使うことが出来ないのですか?」
「確か引き継ぐ物なので血縁で無くても師弟関係などであれば使える様になるとは聞いたことがあります。 私の家系の固有魔法は行使に使用する魔力が多く再現性が低いということらしいです」
「そうなのですね。 機会があったら一度拝見してみたいです」
「戦略級の魔法と同等の殲滅力を有していますのでおいそれとは見せるわけにはいきませんがテイル様が冒険者や魔法師になられましたら任務でお見せする機会もあるかもしれませんね」
戦略級魔法は村一つくらいなら消し飛ばせるレベルの魔法だ。
とてもじゃないがおいそれと使用していい代物ではないことはまだ子供の俺にも分かる。
ただ、戦略級魔法はいつかは生で見てみたい魔法の一つだ。
その後もメーティル先生と他愛もない会話をし時が過ぎてゆく。
まだ魔力には余裕があるが、あまり言いふらすべきではないと思いメーティル先生にも家族にも言っていない。
ファイアボールが使える様になったため魔力コントロールも上達することだろう。
そんな楽しい時間も夕刻には終わりを告げてしまう。
一応はまだ家を出されていないので家族と一緒に晩御飯を食べる。
話しているのは父、母、兄だけで俺は何を喋っても無視だ。
メーティル先生と話してる時が今は一番楽しいかもしれないなどと思いながら毎日同じような日々を繰り返すのだった。
「ファイアボールはプチファイアの応用です。 それを大きくして早く飛ばすイメージで『炎よ、爆ぜろ』と唱えてください」
下級魔法以上には大抵詠唱があり、国家魔法師の一部は無詠唱で魔法を放つことが出来るのだとか…。
「はい! 炎よ、爆ぜろ!」
掌から握りこぶしより少し大きな炎弾が射出される
「いいですよ! その調子です。 コツは毎回同じ大きさくらいになるようにイメージすることです」
「はい!分かりました!」
何度も繰り返し的に当てていくとどんどん大きさが安定してくる。
まだまだ魔力は余裕がありそうだ。
「凄い魔力量ですね。 辺境の魔法師や魔導士はもう軽く越していますよ」
魔法師とは杖等の媒介を使わずに魔法を行使し戦や魔物討伐に赴く者で、魔導士とは魔法の行使には杖等の媒介を用い、魔道具の作成や魔法師と同じく戦や魔物討伐に赴く者のことである。 基本は魔法師を選ぶ人が多い。
明確な違いは杖の有無くらいなので魔法師も魔導士も、魔法師団や冒険者ギルドに所属するのが主だ。
「ありがとうございます。 ただ、魔力の多さには自信がありますが、繊細な魔力コントロールはまだ僕には難しいです」
「最初から出来る人なんて居ませんよ? その歳にしてはかなり優秀な方だと認識しています。 魔法学院には通うご予定で?」
魔法学院も騎士学院も貴族が多く平民らには風当りが冷たいのが特徴だ
「はい、通いながら冒険者ギルドにて仕事をして学費を稼ごうかと思っています」
「それは良いですね。 王都には安くて良い宿も沢山ありますし、とても楽しいと思いますよ」
「もしその時になったらお勧めの宿を教えてください」
「えぇ、その時はぜひ」
俺達は講義の合間にたまにこういった日常会話もしている。
メーティル先生は21歳で一級宮廷魔法師だ。
わざわざ時間を見つけて週に一度家に来てくださっている。
ご実家は男爵家で次女で二つ名はその綺麗な銀髪から【純白の旋律姫】などと呼ばれている。
「メーティル先生は純白の旋律姫と呼ばれているとのことですね。 純白は分かりますけど旋律姫ってなんですか?」
「それは私の杖は代々受け継がれる物で、霊樹の枝から作るタクトなのです。 あとは私の家系の固有魔法の詠唱が歌うようなリズムになっているからですかね」
へぇ、と感心するがここで固有魔法の存在を思い出す。
「固有魔法は血縁者でないと使うことが出来ないのですか?」
「確か引き継ぐ物なので血縁で無くても師弟関係などであれば使える様になるとは聞いたことがあります。 私の家系の固有魔法は行使に使用する魔力が多く再現性が低いということらしいです」
「そうなのですね。 機会があったら一度拝見してみたいです」
「戦略級の魔法と同等の殲滅力を有していますのでおいそれとは見せるわけにはいきませんがテイル様が冒険者や魔法師になられましたら任務でお見せする機会もあるかもしれませんね」
戦略級魔法は村一つくらいなら消し飛ばせるレベルの魔法だ。
とてもじゃないがおいそれと使用していい代物ではないことはまだ子供の俺にも分かる。
ただ、戦略級魔法はいつかは生で見てみたい魔法の一つだ。
その後もメーティル先生と他愛もない会話をし時が過ぎてゆく。
まだ魔力には余裕があるが、あまり言いふらすべきではないと思いメーティル先生にも家族にも言っていない。
ファイアボールが使える様になったため魔力コントロールも上達することだろう。
そんな楽しい時間も夕刻には終わりを告げてしまう。
一応はまだ家を出されていないので家族と一緒に晩御飯を食べる。
話しているのは父、母、兄だけで俺は何を喋っても無視だ。
メーティル先生と話してる時が今は一番楽しいかもしれないなどと思いながら毎日同じような日々を繰り返すのだった。
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