錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

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第四十一話 ドーラの独り言

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後払いで良いなんて良心的な宿だなぁ...。 ボロいけど。

「ドーラ様は初めて人間の街に来るって訳じゃないらしいからトラブルとか起こさないとは思うけど心配だなぁ」

生まれたての赤子が急に大人になっちゃったみたいなもんだもんね…。

「そ、そうですね…。 私もちょっと心配です…」

そんな会話をしながら帰宅しいつものように食事の時間になり食卓に集まる。

母上は調子が悪そうなので声を掛けてみたがやはり無視をされてしまった。
見かねたルルファが母上を寝室へと送り届けてくれた。

父上はそれを見て見ぬふりし、兄上も同様に見て見ぬふりをしている。

俺は声を掛ける間も無かったのでまた喋る機会があれば体調を心配しておこうと思う。

そんな食事も終わり、俺はまた剣の手入れをして眠ることにしたのだった。


一方その頃ドーラは。


「腹が...へった...」

ロビーで腹を空かせていた。

部屋が思いのほか狭くて寒かったのでロビーに居たのだ。

「お腹が空いてるなら余りもので良ければ食べてくかい?」

優しい声がドーラの耳に届く。

「いいのか? 我はお金を持ってないのだ…」

「困ったときはお互い様さね。 今持ってくるよ」

見かねた女将が食事を持ってきてくれるそうだ。

「いかんな、テイルに加護のこと詳しく話せばよかったかもしれん」

ふと独り言ちるドーラ。

「テイルにこっそり渡した強力な加護は使い方を誤れば呪いともなりうるからの。 ちゃんと話さねば...の」

ちょっとだけ抜けている性格なのだ。 大事な事を忘れてしまっていた。

龍は神に近い存在なので他人に加護を渡すことが出来る。
それをテイルに施していたようだが忘れていたようだ。

そんなこんなで女将がご飯を持ってきてくれた。

「ご飯だよ。 お代とかは要らないからいっぱい食べな!」
なんとも結構な量を女将は持ってきたのだ。

「ありがとう! 助かるぞ!」

ドーラはいただきますと言うとパンを口いっぱいに頬張る。

「美味い! 美味いぞ!」

「そうかい、ゆっくり食べて行くんだよ」

そう声をかけると女将は中に戻っていった。

「人間は暖かい者も居て存外良いモノだなぁ…」

沢山口に入れながらドーラはまた独り言ちるのだった。
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