錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

文字の大きさ
84 / 385

第八十三話 魔王覚醒

しおりを挟む
トレント達は大人しくなったのでそっと通り過ぎようとしたところ、トレント達から

「ありがとう、たすかった」

と声を掛けられる。 トレントは魔物とされているが魔素が濃く、進化し自我を持ったのだろうか…
不思議に思いながら奥へ奥へと進んでいくとだんだんと視界が悪くなり、進行ペースが遅くなる。

「テイル君、これは里の緊急事態時に外敵を寄せ付けなくするための大規模な魔法じゃ。 ペースを上げるぞ」

「はい! わかりました!」

皆一斉にペースを上げる。
すると、意外と近くに里が見えて来た。 門には誰も立っておらずそのまま入る事にした。

「誰も…居らん?」

そのまま突き進み里の中心へ行くと、一人の男性エルフが倒れているのが見えたのでサリィ王女殿下に回復魔法をかけてもらう。

「…我が森の民が魔族に連れていかれた…じきに森が焼かれる…」

そう言って眠ってしまった。 一命は取り留めたので大丈夫だろう。
良く辺りを見回すと荷車の跡があったのでこれを追いかけることにした。
木々を魔法で吹き飛ばして大きな道を作っていた様だ。

サーチを使いながら走っていると相手は馬などを用いて居ない事が分かったので十分追いつけそうだ。
かなり近づいてきた時には敵も気付いた様でこちらに反転し臨戦態勢の様だ。

敵は上位の魔族が四体の様だ。
交戦開始だ。 俺、マーリン様、ガイル様が無詠唱で魔法を放つ。
他の子たちは詠唱を開始したりしている。
ドーラ様とメイカは前衛を勤める為距離を詰める。

ドーラ様自身は龍魔法、聖魔法を使えるが人型の時は根本的に物理で殴る方が強いのだ。
そして、メイカは魔法が使えない為前衛しか出来ない。

二人とも先制の魔法があった為怯んでいるとは言え上級の魔族相手に一歩も引かず押している。
冗談じゃなく強いのだ。
だが、敵も上級なので喰らい付いて来る。 けれど、幹部との戦いを経験した俺にとってはその程度でしかなかった。

詠唱の終わった魔法を察知しドーラ様とメイカが素早く避け魔族達に直撃する。

様々な属性が同時に飛び交いそれが交じり合う形でぶつかり合ったソレは合成魔法にも似た物で威力は当然単体よりも強くなっていた。
そして魔族の内二人は魔石を残して消滅していた。

「お、おい、どういうことだよ! 俺は聞いてねぇよ! あのお方からエルフを攫って来いって言われただけの簡単な仕事だったのによ!」

「それだけで悪魔石が貰えるって聞いたのによ!!!」

魔族達は悪態を付いているので尋問する価値はあるのだろう。

「あのお方って誰だ? それに、悪魔石ってなんだ?」

「あのお方って言うのは…」

魔族の言葉はそこで途絶えた。
何者かの手によって。

「関心しませんね。 飼い主の情報を喋るなどと言う愚行は。 お久しぶりですねぇテイル様、ドーラ様、マーリン様、メイカ様、そして初めまして皆さま。 此度こたびの首謀者である魔神のオルナと申します」

「お前! 学院の時の! あの時は魔王軍の幹部だったじゃないか!?」

「えぇ。 ですが、魔神王様に神格を与えられ魔神へと昇華する事ができたのですよ。 今ではこの通り魔神として生きております」

「目的はなんだ!」

「あのお方の目的はお話出来ませんね。 私自身もあのお方の目的に助力しています。 が、私自身の目的は貴方達の苦しむ顔ですよ? 特にテイル君? 君の様な転生者・・・は実に良い、この世界の秩序を沢山歪めてくれる。 ならば、私は貴方のその美しい顔を歪めて差し上げましょう。 あのお方の命には背くことにはなりますが。」

兄のサイドが現れる。

「兄上!?」

「テイル! 近づくなっ!」

黒い電流の様な物に弾かれ飛ばされる。

「これが魔神の力ですよ。 ですが、そうですね。 この器…。 貴方の兄に良い物を差し上げましょう」

オルナが取り出したのは黒い玉。 そこにオルナが魔力を注ぐと禍々しく光りだし、宙に浮く。

「さぁ、器よ、これを飲み込みなさい」

「…」

兄上が無言で飲み込むと黒い魔力が全身を覆いつくし、叫び声がこだまする。
エルフ達は隙を作り逃げれたのかもう荷車には居ない。
後ろへの被害は考えずに俺達も魔法は打てる。

黒いモヤが晴れる。 出てきたのは紛れもない兄上だ。
だがその姿は伝承に出て来る魔王と類似していた。漆黒の二本角、漆黒のマント、漆黒の鎧、血の様に赤い瞳、そして、生気の無い顔色。
まさか…。

「これが、余の器か。 未成熟だな」

「魔王よ、致し方ないじゃないですか。 ですが、負の感情は器の中では一番大きいのです。 使い勝手は良いでしょう」

「魔神様…とは言いましても…良いでしょう、楽しそうだ」

魔王になった兄上はこちらを見る。

「さて、うぬらは魔神様と余を相手取って戦う事になるのだが、言い残す事はあるか?」

「兄上…兄上!」

感情のままマジックバッグから剣を取り出し、俺は縮地で詰め寄った。
しおりを挟む
感想 48

あなたにおすすめの小説

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

異世界亜人熟女ハーレム製作者

†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です 【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...