錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

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第百六十七話 神達の話

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天界から全てを見ていたその者は熟考していた。
あの精霊はなぜ異世界からこちらへと来れたのか…。
そして、この世界になぜ混沌をもたらそうとしているのか…。

「主神アレスディアよ、この件…どう思う?」

「ふむ…。 強いて言うのであれば彼奴単独と言う事はないだろう。 だが、その共犯者がこの世界の者なのか、地球の者なのか…。 この間魔神王に召喚された別の世界の魔王に近しい者かもしれない。 我々は異世界の神とは無理矢理交信しなければ話す機会などないから他の世界の神についてはほぼわからない。 この世界に敵が居ない…とは言い切れない」

「全てを見通す貴方の力でも…か?」

「創造神イナスよ…。 全てを見通せる眼があったとて、欺く方法はある。 彼奴がこの世界に来た時…気付けなかったじゃないか」

ふむ…。 考え込むイナス。

「確かに、この世界は他の世界と違って神が少ないな。 地球に至っては様々な文化に合わせた神々が居る様だし」

「そうだね。 千年程前に邪神に滅ぼされたと言う世界から神をこちらに呼んでみる…というのも手かもしれないが…」

「もしその者が悪意に染まっていたら…か」

軽く頷くアレスディア。

「ならばこの世界から神を更に生み出せば良いとは思わないか?」

「私達は異世界の神々の様に子を為したりする存在では無いぞ? 我々の根源は無から始まった物だろう?」

「そうだ。 だが一人だけ人類に、それに溺れずに世界を守っている存在が居るのを忘れていないか?」

驚くイナス…それが誰を指しているのかなんてすぐに分かってしまったからだ。

「だが彼は人族…! ましてや転生者だぞ!? 人を神格化すると言うのか?」

「そうだ。 彼らの寿命は短い。 だから、彼の寿命が尽きた時に私は彼を新たなる神族として迎え入れたいと思う」

「その提案、朕は悪くはないと思うぞ」

スッと現れた龍神王。

「だが問題点が一つある」

「ほう? それは?」

「見ても分かるだろうが、地球の神がテイル殿を慕っている事にある」

納得したようなアレスディアであったが、イナスは納得していない。
そもそも人族を神に昇華させるなどかなり困難だからだ。

「なら、かの神も交え話し合うとするか…。 いや、断られるだろうか…」

「私は反対だがな。 許可を取り付けても易々と昇華なんて出来ないだろう? 彼の根源を操作でもするつもりか?」

「いや、彼は地球の神々の加護や龍の加護、精霊の加護によって少し神格化が進んでいる。 私達が迎えなくてもいずれはどこかの神になるかもしれない」

このまま偉業を為していけばだが、と一言添えたアレスディア。

「朕が思うにまずはあの邪悪な精霊をどうにかする事が優先だと思うが」

「彼の妻達に私達が加護を授けるのはどうだ? 主神の加護、創造神の加護…最初は二つも加護があれば良いだろう」

イナスが提案する事は確かに的を射るものだった。

「確かに彼だけ強くなっていくのに、他の者も強くしなければいずれは彼自身が世界に脅威とされてしまうからな」

「ならば朕は三賢者に加護を授けよう」

「名案だ。 神がこんな働くなんてな。 地球で言ったっらブラック企業ってやつか?」

(そう言えば、この世界って天使が居ないよね。 だから龍神王はこの間下界に来たのかな?)

幾つかある遠見の宝玉の一つから聞こえたそのテイルの言葉にその場にいた上位神達がハッとした事をテイル達は知る由もなかった。
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