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第二百三十話 ニア
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「これは流石に状況が悪すぎるのぅ…。 久々に死にかけたわい…」
撤退しつつ独り言ちるマーリン。
「正直アレが暴走するとはね。 とりあえずこのポーションガブガブ飲んでてよ。 と言うか【暴食】? 君、こうなる事分かってたでしょ」
「多少はな。 でも、あそこまで狂ってるなんて思わなかったぜ。 でも良かったじゃねぇかよ」
「何が良いって言うのさ」
少し怒りの籠った声色で【暴食】に詰め寄る【怠惰】
「わかんねぇのかよ。 お前の元パーティーリーダー様と元サブリーダー様が動いてんだよ。 この意味分からねぇか?」
「まさか彼が聖剣を!?」
「あの聖剣は聖剣とは名ばかりの武器さ。 装備した者の怒りの感情を増幅するんだからよ。 でもこの気配…」
「流石は僕のリーダーだよ。 僕みたいな奴にも手を伸ばして、迎え入れてくれただけあるね」
「ったく。 これだから英雄に憧れるガキってのは困るんだよ」
「…良いじゃないか」
「だったら口よりも身体動かせや。 こっちは二人も運んでるんだぞ。 それより遅いってどういう事だよ」
「喧嘩はやめてくれ…。 凄く響くんじゃ…」
「まぁ、骨何本か逝ってるからだろうよ。 もうじき他の賢者に合流出来る。 そこでテイルの薬貰えばすぐ直るだろ」
「老体は労わっても良いんじゃよ」
「俺の方が長生きしてるからその理論だと大事にしてほしいんだが?」
ジャービルが見えて来た。
向こうもこちらに気が付いている様だ。
「アレが賢者か。 悪くは無い…か」
「【暴食】それ以上言ったら君でも許さない。 彼らは友人だ」
「そいつはワリィな」
【暴食】は少し嬉しかった。
あの【怠惰】が誰かを友人と呼ぶ日が再び来るだなんて。
あんな笑顔がまた見れるだなんて。
「マーリン! どないしたんや! 【怠惰】! アンタ傍に居ったんちゃうんか!?」
「すまない、一瞬の隙に暴走した【嫉妬】にやられた。 今はテイル君が時間を稼いでくれてる」
「まぁ、万能薬は腐りそうな程にあんねん。 大丈夫やろ」
マーリンに万能薬を飲ませるジャービル。
「骨はマシになってきたわい…。 自力で何とか立てるぞ」
「テイル君の万能薬ちょっとおかしいよね、これ」
マーリンが自力で立ち上がり、大きく呼吸を始めたその瞬間…。
「ガハッ! ぐ…ぐぁ…」
「【色欲】!?」
急に【色欲】が苦しみ始めた。
これはテイルの妻達に残された呪刻龍の呪いを一人で背負い込んだ事による症状だろう。
「まさか…」
「あのクソ龍のせいで狂ってただけで記憶はあったんだろ。 罪悪感からやっちまったって感じだな。 ここまで魂に絡みついた呪いは喰えねぇぞ」
「なら、ワシらがやるしかないじゃろ(ガイル!)」
「もう居るわ」
「…じゃあ始めるぞ」
解呪系統の魔法を儀式で幾つも行使し始める。
だが全て効果は無い。 いや、手応えはあるのだが力負けしているのだ。
こんな時もっと力があれば…。
「この状況なら私が加勢した方が良さそうだね」
「【傲慢】じゃねぇかよ。 全く神出鬼没過ぎてわかんねぇよ」
「まぁ良いさ。 で、後輩君達? 力を貸すんだけれど。 この杖は見た事あるかな?」
「魔杖アロガンス…初代賢者の…」
「な! そんなモンなんで大罪が持ってんねん!」
「博識なのは良い事だね。 私の名は【傲慢】...個体名で言えばニア。 賢者ニアだ。 さて、私が来たからにはもう大丈夫。 この魔法陣に魔力を注いで、浮かんでくる詠唱文を唱えてくれるかな?」
その純白の魔法陣は誰もが初めて見る魔法だったのは、きっと太古に失われてしまったからだろうか。
撤退しつつ独り言ちるマーリン。
「正直アレが暴走するとはね。 とりあえずこのポーションガブガブ飲んでてよ。 と言うか【暴食】? 君、こうなる事分かってたでしょ」
「多少はな。 でも、あそこまで狂ってるなんて思わなかったぜ。 でも良かったじゃねぇかよ」
「何が良いって言うのさ」
少し怒りの籠った声色で【暴食】に詰め寄る【怠惰】
「わかんねぇのかよ。 お前の元パーティーリーダー様と元サブリーダー様が動いてんだよ。 この意味分からねぇか?」
「まさか彼が聖剣を!?」
「あの聖剣は聖剣とは名ばかりの武器さ。 装備した者の怒りの感情を増幅するんだからよ。 でもこの気配…」
「流石は僕のリーダーだよ。 僕みたいな奴にも手を伸ばして、迎え入れてくれただけあるね」
「ったく。 これだから英雄に憧れるガキってのは困るんだよ」
「…良いじゃないか」
「だったら口よりも身体動かせや。 こっちは二人も運んでるんだぞ。 それより遅いってどういう事だよ」
「喧嘩はやめてくれ…。 凄く響くんじゃ…」
「まぁ、骨何本か逝ってるからだろうよ。 もうじき他の賢者に合流出来る。 そこでテイルの薬貰えばすぐ直るだろ」
「老体は労わっても良いんじゃよ」
「俺の方が長生きしてるからその理論だと大事にしてほしいんだが?」
ジャービルが見えて来た。
向こうもこちらに気が付いている様だ。
「アレが賢者か。 悪くは無い…か」
「【暴食】それ以上言ったら君でも許さない。 彼らは友人だ」
「そいつはワリィな」
【暴食】は少し嬉しかった。
あの【怠惰】が誰かを友人と呼ぶ日が再び来るだなんて。
あんな笑顔がまた見れるだなんて。
「マーリン! どないしたんや! 【怠惰】! アンタ傍に居ったんちゃうんか!?」
「すまない、一瞬の隙に暴走した【嫉妬】にやられた。 今はテイル君が時間を稼いでくれてる」
「まぁ、万能薬は腐りそうな程にあんねん。 大丈夫やろ」
マーリンに万能薬を飲ませるジャービル。
「骨はマシになってきたわい…。 自力で何とか立てるぞ」
「テイル君の万能薬ちょっとおかしいよね、これ」
マーリンが自力で立ち上がり、大きく呼吸を始めたその瞬間…。
「ガハッ! ぐ…ぐぁ…」
「【色欲】!?」
急に【色欲】が苦しみ始めた。
これはテイルの妻達に残された呪刻龍の呪いを一人で背負い込んだ事による症状だろう。
「まさか…」
「あのクソ龍のせいで狂ってただけで記憶はあったんだろ。 罪悪感からやっちまったって感じだな。 ここまで魂に絡みついた呪いは喰えねぇぞ」
「なら、ワシらがやるしかないじゃろ(ガイル!)」
「もう居るわ」
「…じゃあ始めるぞ」
解呪系統の魔法を儀式で幾つも行使し始める。
だが全て効果は無い。 いや、手応えはあるのだが力負けしているのだ。
こんな時もっと力があれば…。
「この状況なら私が加勢した方が良さそうだね」
「【傲慢】じゃねぇかよ。 全く神出鬼没過ぎてわかんねぇよ」
「まぁ良いさ。 で、後輩君達? 力を貸すんだけれど。 この杖は見た事あるかな?」
「魔杖アロガンス…初代賢者の…」
「な! そんなモンなんで大罪が持ってんねん!」
「博識なのは良い事だね。 私の名は【傲慢】...個体名で言えばニア。 賢者ニアだ。 さて、私が来たからにはもう大丈夫。 この魔法陣に魔力を注いで、浮かんでくる詠唱文を唱えてくれるかな?」
その純白の魔法陣は誰もが初めて見る魔法だったのは、きっと太古に失われてしまったからだろうか。
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