錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

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第二百六十二話

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広場に着くと周囲の人々からの視線が一層強くなった気がする。
なんでこんな所に領主が居るのかって言うのもあるだろうが…。
さて、人目は多いが俺の能力は割と知れ渡っている事だし、このペンダントに付与を行う事にしよう。

何を付与するか…って言う所も大きいんだがとても悩んでいる。
魔石の性能上刻印はすぐ残存している魔力が無くなってしまうので、付与魔法による付与が一番良いだろう。
これならば発動条件や魔力の供給源は指定出来るから正直楽ではある。 難易度としては高いのだが。

とりあえずは状態異常無効とかが汎用性が高いだろうか。
基礎魔力は装備者からの供給にしても、状態異常が発生した瞬間の起動自体は魔石の魔力でどうにか二回~三回は耐えられそうではある。

「じゃあ、一人ずつペンダントを貸してくれるかな?」

「「「はーい!」」」

一人ずつ付与を施して行く。
魔石自体に個体差は無い様なのでとても簡単だった。

「あれ、なんか余計に綺麗になった…?」

「パパー! これすごーい! きれーい!」

「そうだね。 なんでだろう」

「パパ? これ神様の力入ってるよ…?」

あっ…。
多分余計な事を考え過ぎていて付与の行使時に神気が混ざったのかもしれない。
結果的には成功したから良しとしよう。

「きっと神様も守ってくれてるって事だよ」

「う、うーん。 そっか!」

子供とは純粋である。
罪悪感が凄い。
遠くから護衛の冷たい視線も感じるが…。
と言うかなんであの人は屋根の上に居るんだろうね。
相手が上司であってもそれは注意して良いと思うんだ。

「さ、これ付けて他にも色々見て回ろうか」

「「「うん!」」」

「あ、王都から色々来てるみたいだな。 なんでこんな豪華な演奏会やってるんだろうね。 吟遊詩人って言う規模を超えてるけど…」

俺達を見かけた一人の領民が声を掛けて来た。
本当だったら多分領民が領主に声を掛けるなんてあっちゃいけないらしいけど。

「こちらはとある吟遊詩人の方がマーガレット様の活躍を歌われていらっしゃったのですが、王家の方々の目に留まり…。 宮廷楽団と共演して下さっているんです。 とっても素晴らしい演奏なのですよ!」

この人ただの領民じゃないだろ。
平民風の服を着ているが、明らかに…。
良く顔を見たら知ってる人だった。

「そうだったのですね。 これは嬉しいやら恥ずかしいやら…。 子供達が楽しんでくれると思うので少し観て行きますね。 我が領で英気を養っていって下さいね」

「ッ!? あ、ありがとうございます…!」

騎士爵のレイン家の現当主だよね、あの人。

いや、まて。 チラホラと知ってる顔が…。
何かそっとこの場を離れるべきか…。

「ご清聴ありがとうございました! それでは本来ならば…もう一曲このまま行きたいところでしたがこの場に英雄爵様がいらっしゃるのです。 宜しければ皆さまに何かお言葉を頂戴してから曲の方に移らせて頂きたいと思います!」

わああああああああ!!! と盛り上がりどんどん人が押し寄せて来る。
おいー!!!

あの吟遊詩人良く見たら…。
デラ・シャンティマ…。 シャンティマの里の長でナナのお父様だ…。
エルフの吟遊詩人とか良くある話だけれど、俺を巻き込みやがって…。

狸爺はまだまだいらっしゃる様です。
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