錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

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第二百七十三話

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それからほぼ毎日メイカや団長と打ち合いの訓練をする事になった。
これ自体がただの打ち合いって言う訳では無い。
今後複数人で戦闘する事になっても連携が出来る様にお互いの立ち回りを把握しておかないといけないからと言うのもある。


「ふむ、この剣技は連携出来る様に応用する事も出来るのか…興味深い」

俺とメイカで団長と戦っている。
正直それに関しては俺とメイカの経験による物でしかない。
しかし、それを顔色一つ変えずに対応して来るのは本当に戦闘センスの差を感じてしまう。
まだお互い慣れていないので錬金術や、魔法は使用していない。

「オイ。 何面白そうな事やってんだよ?」

「【暴食】…。 むしろ今までどこに居たんだ…」

「あ? 冒険者やって毎日美味い飯食ってたんだよ! 昨日なんて隣の領の盗賊を捕まえてガッポリだぜ」

それは何よりで。
だが食への探究心は相変わらず凄いなぁ。

「あ、そう言えばテイル! いつ美味い飯食わせてくれるんだよ?」

「これが終わったらね? 流石に今は無理だよ」

「ケチくせぇな。 ほら、構えろ」

急に俺対元【暴食】のタイマンが始まる事になった。
団長もメイカも空気を読んで下がっている。
合図も無しに突っ込んできたのは相手だった。

「戦場じゃ開始の合図なんてアテにならねぇぜ?」

「知ってるよ!!!」

俺は攻撃を全て受け流しながら、隙を伺う。
攻め手が無いと攻めに転向するのが難しいのだよな。
錬金術や魔法が使用出来れば容易に攻め手が作れると思うのだが。

「流石の速度だな…。 テイル…前より速くなったか? 全部完璧に見切られてるって気味が悪いんだぜ?」

「さぁ…? 全力を出す事が少ないからあまり実感は無いかな。 でも、褒められるのは嬉しいね」

「ポジティブな奴だぜ…」

ここら辺で決めて来ようとしているのかどんどん大振りになってきた。
速さは一切変わらずに…だ。

「それは悪手だったね」

「はっ!?」

完全に捉えたと思ったその攻撃は…俺には当たっていない。
残像が見えるレベルの速度で俺は避けていたのだ。
そして、歩法を変え、背後を取る。

「ちっ!!!」

「チェックメイトだ」

顔面に木刀を突き付ける。

「テイル様…いつからあんなに戦闘狂に…」

「戦いながら笑っていたな。 あれはまさしく戦闘狂だ」

酷い扱いを受けているな。
まぁ仕方ない。

「なんじゃそれ…」

「まぁ、速く動いただけだし?」

「その速度が異常過ぎるっての…。 テイル、多分この世界で最速だぞ…」

「いや、今は身体強化使ったし…」

「それでも、速えよ。 常識を覚えろ」

非常識の塊みたいな奴にすら非常識と思われているのは途轍もない心外ではある。
まぁ、何か…周りの反応を見ていたら致し方ないと思ってしまうのはなんでだろうか。

「お前はほんとぶっ飛んでるな」

ソ、ソウデスネ。

ちょっとは気を付けておこう…。
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