錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

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第二百九十一話

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「ッ!!! 敵襲!!! 敵は転移を用いてこちらに攻め込んできています!!!」

転移を使った尖兵なら分かるが、眼前に広がるのは大量の魔物。
いや、これは元人間だろうか。
前に見た人工魔族とは違う。 魔素だけを体内に入れ魔物化させたのだろう。
自然界では有り得ない事だ。

「迎撃しろ! 浄化の出来る者は浄化魔法を絶やさない様にローテーションを組め!!!」

俺が咄嗟に指示を出すと皆がすぐに動き出す。

「これだけ街に近付かれたら全力で魔法が撃てないなぁ。 まぁ、この程度ならどんな魔法でも大丈夫か」

と言いリアが手癖の様に魔法を放つ。

後方に控えていた魔物は一掃出来た…そう思ったが、眼前に広がる異様な光景に皆が目を疑う事になる。

「木っ端みじんになったはずなのに再生している!? 僕の魔法だよ!? なんで???」

あの再生速度は異常に見えるが、二つ程可能性が出て来た。
どちらなのか見極めなければならないが、俺を狙う殺意がビンビンと張りつめており一歩も動く事が出来ない。

ティナや、キングですらもその額に汗を浮かべている。

あぁ、そうか。
なるほどな。

「出てこいよ神族に至った錬金術師! いや、この世界に転生した錬金術師か」

漆黒から現れたのは一人の老けた男だった。

「良く分かったのう。 しかし、貴様の様な偽物の錬金術師に愚弄されるのは許せんのだよ」

「フィリップス卿とお見受けします。 俺が此処の主のテイル・フォン・マーガレットです。 侵略した理由をお聞かせください」

「何を言っているんじゃ? これは侵略ではない。 教育じゃ」

そう言うと彼は禍々しく光る石を取り出し見せ付ける。

「この世界に賢者の石を伝えたのは誰だと思う?」

「もう良いよ。 お前は人を弄び過ぎた。 ここで終わらせよう?」

俺は聖刀を抜き放ち、彼に歩みを寄せて行く。

「神が神を殺すか? 実に滑稽!」

彼がガラス片をばら撒くとそれは全て巨大な試験管へと姿を変えた。
中には液体が込められており、ぶくぶくと泡を立てている。

「…まさか」

「知っているのなら早いではないか。 我が至宝のホムンクルス達よ! 今こそめざめえええい!」

試験管から急に熱量を感じる。
これは一体…。 魔素の流れもかなり異様だ。
そして特筆すべきは試験管の中にいつのまにか人影がある事だ。

「さぁ行け我が子らよ! 完成品共よぉ!!!」

その言葉に従い奴らは試験管から飛び出す。
身構えたが、奴らは何故か動きを見せる事は無い。
俺には何が起こっているのかさっぱり分からないが。

その時奴らはフィリップス卿…いや、有力な錬金術師に視線を向ける。

「貴方は我々を失敗作とみなす。 故に、我々は貴方に反逆を言い渡す」

そう言い、腕を鋭い刃物へと変えた彼らはどんどんと歩みを進める。
そうか、彼らにも意思はあるんだ。
ならば同じ人間じゃないか。 ホムンクルスだから何だというのだ。

「待ってくれ。 君達が手を汚す必要は無いよ」

「貴方も被害者では?」

「そうだね、だけど私刑では何も解決しない。 この国の法…いや、この世界の秩序に従い、俺がやろう」

そう言って、俺は聖刀を奴の首へと一振り入れる。

「これで死なない事はもちろん知っていますよ。 なので、動きが取れなくなった今だからこそ…こうさせて貰います。 グングニル…」

俺から放たれた雷の槍は彼を消滅させるには少し過剰だったかもしれない。

土煙が晴れるとその一帯の地面ごと彼は無に帰したのが分かった。
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