錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

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第三百話

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先行集団速すぎないか? いや、先に行かせた人達は…そうなってもおかしくないか。
じゃあ仕方ないか。 後は他の国の進行度合いはどうなっているやら。
何かあったら連絡が入るだろうし、そうなれば俺が向かえばすぐだろうから今は気にする事でもないか。

「キング! 集合場所まであとどのくらいになってる?」

「あと一刻程度かと思いますぞ」

「そ、そんな近かったのか」

「結界用の魔道具で索敵が届かないのでしょうな」

ここまで効果が強いとは思わなかったな。
最悪は誰かが改良してるか…。
何かあったらどうするつもりだったんだ。

しかし、今回は良い方向に転んでいるので不問で良いだろう。
うちの従業員が作った物だったらこれは売れるか?
各首都に置けば最高の商品だろう。 メンテナンスとかも込々で売れば…。

「坊ちゃま、顔が小悪党みたいでしたぞ」

「げっ、まじか。 それはまずい。 これでどう?」

「あまり変化はありませんな。 もしや、元々そんな腹黒商人の様なお顔でしたか?」

「おい、そろそろほんとにぶっ飛ばすぞ」

「ほっほっほ」

それはさておき…。 この魔物の感覚は知っている。
しかし、一切こちらに気付く様子が無いどころか気付く前に何者かによって倒されている。
あまりの違和感にキングの方に顔を向けると俺の隣にちょこんとティナが座っている。

「ふぅ! 良い仕事しました!」

「…あれ、ティナがやったの?」

「え、駄目でしたか?」

「いや、ゴブリンの上位種なんて美味しくもないから倒しちゃってても全然良いよ。 むしろ良くやった! それにしても、よくもまぁあの距離の敵に気付いたね」

「ふっふっふー! 企業秘密なのです!」

そうですか。
まぁ、異常なほどの魔力制御なんでしょうね、それは。
俺で気付けてるのだからキングや他にも気付けた人は多そうだな。
無視しても問題ない程度の小物だったか。

「坊ちゃま。 どうやら賊が現れた様ですぞ。 これは…おそらくはまだ改造される前の者ですが、強い洗脳を受けている様です」

「そうか。 なら捕縛で良いか」

そう言葉にした瞬間に駆け出したティナが吹き飛ばされる。

は?

「アヒャヒャ! 賊だと? そうだな? 他人様の首を頂く俺様は盗賊みたいなもんかもな! あいつらに着いて行かなくて正解だなぁ? あの英雄様の首がコレクションに加わるんだから…よっ!」

無詠唱で撃ち放たれる俺の魔法を軽く避ける殺人鬼。
その異様な反射神経には流石の俺も肝が冷える。

「危ねぇじゃねぇかよ。 俺様はようやくここを探し出したんだ。 魔力とかが遮断されていたからよ…この車輪の跡を追ってきたんだぜ?」

「ここまでの悪人ならば捕縛の必要も無いな。 どうせ、コイツが捕まったら記憶が消されるか自害してしまうんだろうし。 軽い運動と行きますか」

刀を抜き放ち、其の煌めく刀身を殺人鬼へと向ける。
ゆっくりと構え、お互いに間合いを取り合う。

「英雄様よぉ…そんなに隙が無いと殺せねぇだろうが」

「お互い様だな。 でも、もう遅いよ」

刹那、相手の持っているナイフが細かく切り刻まれる。

「なっ! 俺様が一つしか武器を持ってないとっ!」

気付くのが遅い様だ。 長らく痛みを知らなかったであろうその身体に痛みが走っている様だ。

「俺様の右手が…!!! 右手があああああああああああああ!!!」

武器を幾つ持っていた所で遅ければ意味が無い。

「安心しろ。 一瞬で楽にしてやる。 無駄に苦しめるのは良い予感がしないからね」

ビュン! と、血払いを行う。

「な、なにを…」

もうそれ以上の言葉は奴からは発される事は無かった。
其の亡骸は燃やし、土魔法で埋めた。

まぁ、決して良い気分では無いけど。
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