錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

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第三百二話

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可能性は捨てては居なかったが教皇まで…。
先手を打たれてしまったのは正直痛い所だな。

「坊ちゃま。 これは本物の教皇ではない可能性がありますぞ」

「だとしたら本物はまだ生きているかもって事か」

「仰る通りですな。 だとするなら…」

アイコンタクトでこちらに訴えかけて来るキング。
やる事はもう目に見えている。
眷属達が動くんだろう。

「頼むよ。 俺はあれを…」

「オイオイ! テイル。 俺にもちゃんと出番をくれよっ!」

俺の前に割って入る二つの影。
良く知った彼らは、さも当然の様に構えを取る。
マックスと団長。 この二人って地味に仲が良い様な気がする。

「オイ、ブチ切れ野郎…! 俺の出番を取るってのか?」

「黙れ無駄飯喰らい。 たまには団長としての責務を勤めさせろ」

その光景を見ている教皇の姿をした者はゆっくりと拍手をする。

「実に素晴らしい。 友情と言うのは儚いものだ。 さて、どちらから来るのか? それとも両方か?」

「馬鹿にすんじゃねェよ!!!」

先に駆けたのはマックス。
正面からぶつかる様に突撃をする。

「その首! 貰うぜェ!!!」

「ふん。 この程度か」

マックスの攻撃を軽く避けるアレは確かに人の域は飛び出してると思う。
…だが。

「どこを見ているのかな? 教皇殿」

「死角からだと? それも甘い!」

団長のあの死角から放たれる鋭い一閃すらも躱す。
だが、それは団長の偽動作である。

「甘いのはどちらだ?」

かなり鋭角で振るわれた剣の勢いを利用し、蹴りをアレの腹部に叩き込む。
それを待っていた様子のマックスはもう動いていた。

「てめぇは不味そうだから食わねぇぜ。 流石に俺でも腹壊しそうだからな」

マックスはそのがら空きになった顔面に思いっきり正拳突きをしているが、お前…武器どこに置いて来たんだよ。
やっぱりゴリラか何かだよね、あれ。

「不覚…不覚であるぞ…。 しかし、貴様らの動きはもう記憶した」

「そうかい? 俺の動きを記憶したのか。 たったの一瞬で」

「そうさ。 これこそが我が力であ…うがあああああああああ!!!」

何が起きたのか全く分からなかった。

「すまねぇな。 俺はついさっき武器をどっかに放り投げちまったみたいだったがそんな所にあったなんてなぁ???」

マックスの表情はあからさまに悪意に染まっており、相手を弄んでいる様にしか見えない。
どっちが悪役なのか分からないレベルだ。

「足が!!! 足が!!!」

「だからどうした? 貴様はそれくらいでは死なんのだろう?」

追い打ちを掛けてゆく団長。
いや、幾ら再生能力があろうと痛覚あるみたいだし、あれは見てて気持ち良くはないな。

「ふふふ、ははは! これが痛み! 生み出された理由! そうだ、なればこそ…今、これの真価が問われる! 反転」

「ぐっ!!! てめェ!!! 痛みを俺に飛ばして来たな!!!」

「ちっ、俺も激しい痛みが来ている。 俺達は奴の術中に嵌っている様だぞ」

受けた痛みを反転…いや、相手に返しているのか。
一種の呪詛返しの様なモノだろう。

「なぁ、アンタ…。 それで俺達が苦しむと、恐怖すると思ったか?」

冷たく吐き捨てるマックス。

「え…? は…?」

人ならざる者とはいえ混乱するよね。

「この程度ならいくらでも喰らって来てるんだよ。 経験の差を舐めるなよ。 で、コレ…なんだと思う?」

マックス? どうやって取ったのアレの核。

「あ…あ…」

「言い残す事は? 内容によっては生かしておくぜ?」

「言えば死ぬ…言わなくても死ぬ…ならばこの口からは何も言えぬ」

「そうか。 じゃあな」

バリィンと核の砕け散る音が辺りに響き渡った。
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