錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

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第三百二十七話

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向けられるそれは殺意に近い敵意。
そして、何よりの警告。 ただ、一つだけ俺は思った事があった。

これには…。

「またも敵襲です!!!」

その声が届くも俺の予想が正しければ…きっと。

「外れた…!? あれだけの長距離を狙っておいて外すのか!?」

違う。 意図して外している。 まるで、近づけない様にしている様に。
だとしたら何故だ…。 何が目的だ?

「見えてきました! 目的地には…人らしき存在が複数!!!」

「そっか。 そのまま岸に寄せて」

そして岸に寄せられていく俺達の船。 船の大きさに見合わぬ人手ではあったが何とかやってこれたのはヴァンパイア達がコウモリとなってついて来てくれていたからだろう。 感謝してもしきれない。

岸の人影はこちらに向かい頭を下げている様だった。 なぜだろうか。

「着きました」

「ありがとう!」

そう言って陸の方に向かうと彼らの歓迎を受ける事となった。

「異世界より来たり新たなる神と『元』大罪、並びに、冒険者の方々、そしてヴァンパイアの御一考とお見受け致します。 我々、元アストレア王国王家の…今となってはただのゴーレムである我らが一族で生き残りに御座います」

「…やっぱり、あの錬金術師のせいか」

「流石はテイル様で御座いますね。 良くお分かりで…」

「ここまで精密なゴーレムに魂の移植、となるとあの人しか考えられないよ。 もしくは他の転生者か、だけどね」

「流石に御座います。 元王家としてはその知略は是非欲しかったところですが。 いや、今はその様な事は関係ありませんね」

ここで俺は一つだけ疑問をぶつける。

「何故、元大罪に対して敵意をぶつける様な事をしたのか、聞かせてもらっても?」

「…お答え致します。 それは…」

そう言って元大罪に目をやるそのゴーレムと名乗った美男はまたすぐさまこちらにまた向き直り真剣な顔で言った。

「ただの警告だったのです。 その程度で引け目を感じ、帰路に着くのならばこの地に踏み入る資格は無い。 それだけの事でした。 この地は…彼の者に存在を弄られた後に創造神様から頂いた土地です。 易々と踏み入れて貰っては困ります。 例えば…これ、何でしょうかね?」

ぎいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!

俺の大絶叫がその場に全員の耳を貫いた。
鼓膜が破れなかったのは流石としか言えないと思うが。

「そ、それって!!!」

「そうです。 貴方の大嫌いな黒光りするカサカサした虫です」

「サイアクだ。 最低だ」

「でしょうね」

あれ? なんで俺がその虫が嫌いって知ってるんだ?
と言うか何故その虫がここに居るんだ。
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