錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

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第三百五十四話

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『蛇の国より先…? 知らん。 虹蛇は?』

「これらより先は神すら知らぬ未開の地…。 何があるかは分からんのじゃ…」

「どちらにせよ海を渡る必要があるし海蛇王に会いに行かないといけないんだよな?」

俺がそう言うと二人共押し黙ってしまう。
あれ? 俺何かまずい事言ってしまったか…?

「海蛇王って少しだけ引きこもり気質で…」

そんな事あります?

「強そうなのに?」

「実際陸ではオロチが、海では海蛇王が覇権を持つのじゃ。 じゃが、その…。 海蛇王は【怠惰】 殿に教えて貰ったコミュ症と言うやつで…。 しかも人前ではかなりイキるタイプじゃ...」

俺の海蛇王に対するイメージが雪崩の様に全て崩れ落ちた。

『実際に会えば分かる、オロチと虹蛇の知り合いだ! と言っても多分会ってすらくれないのでな…。 ちゃんと取り次ぐぞ…』

「優しいね…」

『対価として酒は貰う』

「がめついね…」

『当然だ』

全部の頭が同時に喋るから少しと言うか割とキモイんだが、意外と慣れてきてしまった。
自分の適応能力の高さを表彰したい。 したところでと言う話なのだが。

「あれ? ところで…。 マックス―!!! 剣聖達はーーー!!!」

「あーーー? あいつらなら獣人達と修行してるぞ??? なんか気に入られたみたいでな、何人かの雌が剣聖に求愛しようとしてたぞ!!! それを見て始祖の嬢ちゃんがゲラゲラ笑ってたぜ!!!」

何をしてるんだあいつらは???
もう俺は頭が痛いよ…。

「上に立つ者は苦労が絶えないのじゃ」

「俺は色々勘弁してほしいよ…」

「え? もう、今更なのじゃ…」

『多分それは本人も自覚してるから言ってやるな虹蛇。 トドメを刺してるだけだ…。 見てるこっちまで辛くなる』

それを言われてるこっちはもっと辛いですよ?

「ところで、あの海沿いにあるあれは何…」

「あぁ…あれは…」

『馬鹿な海の低能共が海蛇王に襲い掛かって死んだ。 それが打ち上げられて腐った。 慣れの果て』

え、良く見たら動いてるし。
臭い…。 なんじゃアレ。
アンデッドか?

「不死者の類では無いはず。 しかし、動いている。 襲い掛かってくるでもなく、ただ腐ってあるくだけの謎の物体。 生き物ではなく動く物と私共は認識しているのじゃ」

なるほど。
海蛇王の力が強過ぎて死体に力が残っちゃってエネルギー保存の法則が~ってんな訳あるか!

「なんで動くんだろうね」

「わからんのじゃ」

『無視して行くぞ…。 アレが近くにある時には何故か海蛇王は近くに居る』

「ふむ」

ざっばあああああん!!!

青よりも蒼く鋼鉄の様な鱗に覆われた巨大な蛇【海蛇王】
そのスケールの大きさに俺は声を失うばかりだった。

『虹蛇にオロチよ久しいな』

『あぁ』

「久しぶりなのじゃ」

『で、そこの小さき者は…』

「お初にお目に掛かります、マーガレット王国が国王。 テイル・フォン・マーガレットと申します。 偉大なる海の王である海蛇王様にお目に掛かれて光栄です」

『そう。 “神” にそんな事言われるなんてな。 気分が悪いので、帰る』

しくじった!

「ちょ! お、美味しいもの持ってきたんです! 良ければ食べませんか!!!」

人の心を掴むのならまず胃袋から…である。
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