錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

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第三百六十六話

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この石にも名前を付けないといけないのかな。
いや、まぁおいおい考えれば良いか。

「おい、テイル…この音って?」

「セイレーンの歌声かな。 聞き入ってしまうと流石に危ないから気を付けてよ。 特にマックス」

「いや、お前が言うなよ」

艦内が爆笑に包まれる。
なんでや。 どうしてこんなに酷い扱いになるんだ。

「おいおい、今度はなんだよ…。 あれは…オロチの親戚か?」

「あれがスキュラだよ。 実物は初めてかな?」

「スキュラなんて多分、勇者パーティくらいだろ見た事あんの。 俺はねェよ。 様子が変じゃねぇか…?」

「そうだ、しかし何故か悲しそうな表情をしている様に見えるが…。 主様は何か知っておいでで?」

(おかしいですよ、先輩…)

そう、全てがおかしい。
何かがおかしい気がしていた。

だとするなら。

(もしかして…)

魔神王が別の世界から魔王を召喚した様に…。
そんな事が有り得るのだとしたら、もしもこれに他の世界の神が関与していたら?

(先輩…それはまずくないですか…)

(テイル殿…朕らもそれだけは考えたくはないのであるが…)

そう、利点が無いから考えられない。
だとすると他に考えうることで一番可能性が大きい事。
“何か特別な強制力が発動してしまった” のだろう。

思い当たる節しかないので少しだけ頭が痛いのが困りものだが。

((…))

「「テイル(君?)」」

「なんでもないよ。 知ってるか知ってないか…の問いだと知ってるが一番近いだろうね」

しかし、どうしたモノか…。
いや、待てよ。 俺は錬金術師だぞ。
毒を中和する事だって容易だ。 しかし、材料はあるのか…。

「ニア! リア! 調合室を船の中に作るぞ! 大急ぎだ!!!」

「「分かった!!!」」

「マックス、邪魔になるかもしれんが手伝えることはあるだろう。 行くぞ!」

「あいよ!」

そう言って駆け出した、俺、ニア、リア、マックス、団長。
客室の一つを調合室に改造すると言う作業を行う理由は簡単だ。
スキュラに盛られた毒を中和し、元の姿に戻す事。

「リア、ニア! この万能薬と解毒薬、この解呪薬を混ぜて沸騰させてくれ。 それでうまくいくはずだ」

「錬金術では出来ないのかい?」

「まぁ、そうだね。 詳しい事は追々」

「まったく…無茶苦茶な…」

「それが英雄君だろう? さ、男共は力仕事は任せたよ?」

ということでこの場は任せて俺はちょっと危険な甲板に向かいますか。

「なんだコイツ!!! つええ!!!」

「数の利が効きませんか…」

「なんなのじゃ! こやつは一体!!!」

まだまだ本命の海女帝までは遠いと言うのにこれか。
スキュラ相手で大苦戦である。
剣聖達は波を剣戟や盾で押し返し、バーンやロリータニア達が甲板に現れたスキュラと対峙しているのか。
良い役割分担だが少し脳筋が過ぎないか…?

「バーン達、よく持ちこたえてくれたね。 ここは任せてくれて良いよ」

「陛下!? いくらアンタが強くてもコイツ相手に一人じゃ無理だ!!!」

バーン君? 君は一体俺を誰だと思っているんだ?
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