盲目の剣聖はドラゴンの家族になりました

いいたか

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第十話

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騎士達の訓練場に連行された俺は致し方なく、この子と手合わせをすることになった。
訓練場は思った以上に広く驚きが隠せない。

「さぁ! 始めますわよ!」

俺の準備がまだだというのにもう仕掛けてきたか。
だがこの程度の動きなら全く問題ない。
猪突猛進か。 悪くはないが愚直過ぎないかと思ってしまう。

「シッ!」

ギィィィィン!

一瞬反応が遅れそうになったが何とか攻撃をいなす。
その回転を利用し俺は木剣をマルグリットの首に突き付けた。

「どうしてこの攻撃がいなせるのかしら? というか木剣で金属みたいな音が出るのよ!」

「目が見えていたら直撃だったかもしれない。 けれど、その剣は不思議だね。 正面で振っても真横から剣が来るんだから。 他の人なら一撃でしょ。 この木剣、特殊な付与を掛けてもらってあるんだ。 山に行く時には一回武器を新調するけどね」

「規格外ですわね。 たったの所撃、何合と打ち合わずに私が負けてしまうなんて」

「はは! 俺は剣しか握って来なかったんだ。 馬鹿の一つ覚えってやつだよ」

「それでも解せませんわ。 まぁ良いです。 貴方、態度がフランクになっていますわよ?」

危ない危ない。 閣下に見られたら殺されてるかもしれない。

「すまない、癖でな…」

「そちらの方が似合ってますわ。 私は父と共にこの国に伸びる他国の魔の手を振り払います。 必ず生きて帰って来てくださいまし?」

この子は世話焼きなのか?
だが、別にそこに悪意も感じなければ嫌な感じもない。 むしろ心地いい様な。
家族を取り戻せた様な不思議な気持ちが抜ける事は無さそうだ。

「あぁ、そっちも。 健闘を祈るよ」

「ありがとうございますわ」

「あぁ、少し鍛錬をしていようと思うんだ。 閣下に呼ばれるまでは自由な時間だからね」

「見てても?」

「いいよ」

木剣を振り始める。
丁度身体の感覚が良くなってきた頃合いで頭の中で仮想敵を作り出す。
敵を俺と見る事で良い打ち合いが出来ている感じになる。
想像の中の俺はスキルをしっかりと使ってくる。
だが、それは予備動作で全て対処出来る様にしなければいけない。
同じ技をノーモーションで出されたりするのなら正直対処出来るかは不明だ。

「す、すげぇ」 「俺達より鋭くないか?」 「あの子は騎士見習いか!?」

周りが騒がしくなってきた。
そろそろ騎士団の訓練の時間だったか。 邪魔だったかな…。

「ユーグス君、待たせたね」

「いえ、身体を温めておりました」

「よい、渡す物の準備が出来たから着いて来ると良い」

用意にこれだけ時間が掛かるってどれだけの物を用意したんだろうか。
剣を振って忘れていた緊張がどんどん戻ってくる。

「見てくれ、これだ」

「え?」

剣が三振り、そして大量の金貨。

「この剣は我が家の家宝達だ。 それぞれ、火の竜、氷の竜、風の竜の鱗や牙が使われている。 本来なら一本と言いたいところだが、三本を渡そう」

「よろしいのですか?」

「あぁ、今我々には個々に見合った剣があるのでな」

なるほど、これは合わなかったと。

「では、あり難く頂戴いたします!」

「うむ、もう何時向かってもらっても構わんよ。 今すぐだって構わんが、準備はするだろう?」

「と、当然です!」

今すぐ行ったら食料無くなってしまうだろうて!!!
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