18 / 24
第十八話
しおりを挟む
ドラゴンの家族になるっていう事の大きさは実際俺には良くは分かっていないが…。
まず、聖草の効果が俺にも流れ込んできた事も良く分からないし。
あれ? 今思うと余計に不思議だな。
「ところで、裁判の方は…」
「うむ。 ルインツァルトが此方に居るだろう? 一回目の裁判は滞りなく。 しかし油断は出来んかもしれんな」
「他国と繋がっている奴らのせいで…ですか?」
俺は彼らの表情の些細な動きも見逃さなかった。
「まさにその通り。 むしろ、繋がってないのは陛下、及び一部王族と一部の王族派貴族達だけだった。 もう腐り落ちているのだよ。 この国は」
「それでも、俺の力が必要ですか?」
押し黙ってしまった。
これではどうもあれだ…。
「おい、人族よ、この国に拠点を置く我らエンシェントドラゴン全てをユーグスの元に集わせる。 意味が分かるか?」
何を勝手に言っているんだ!
「その様な事をしても…」
「知らぬ様なので教えて教えてやろう。 いや、良い。 この事は知る必要は無いか。 所詮は人族だものな」
「それはユーグス君だってそうであるのではないか?」
「貴様は我が子を唯の人族如きであると言いたいのか? こいつはもう龍の子だ」
「龍の子であると何があるのですか?」
「その様な事すら知らないのか…」
大きく呆れた様な声をあげているのできっと大切な事であったのだろう。
しかし…。
「いえ、ドラゴンと言うのは家族に多いなる祝福を与えると…曖昧な事なら知っているのです。 ですが、宰相の前宰相、前陛下の策にて全ての貴族に詳しい内容は伏せられ、それを示した書物すら焼き払い打つ事を…」
「なんと愚かな…」
「致し方なかったのですよ。 一部の貴族を沈める為にそうするしかなかった、と」
「人族と言うのはおろかにも程がある。 ちなみに、貴様らは我が子がこの場に居らぬ事に気が付いた者は居るか?」
その瞬間空気がグラスの冷気程冷たく凍った。
「一体何処に!!!」
「アルブル・ドラグニカ…木々を司るエンシェントドラゴンである彼奴だ。 丁度彼奴が弱っているのが見えてな。 我が”息子” を送らせて貰った」
「それは有難い…。 エンシェントドラゴンの喪失はかなりの痛手になりうるものですかな」
「何を言っている? 我が”息子” と言ったであろう」
「まさか!?」
「先程から喋っていないこのユーグスはグラスによる氷像だ」
一同がまさに氷の様に固まる。
フレイニアはしてやったりととても嬉しそうな表情で徐々に存在が露わになっていく。
それは龍と言うよりも人に近く、なんとも形容しがたい状態になってしまった。
「こ、これは一体!」
「家族を回収…いや、増やしに行くのだ。 貴様らの顔を立てて少しだけは”居てやらせた”んだ。 感謝すると良い」
その言葉を聞いても誰も剣を抜く気すら起きなかった様であった。
まず、聖草の効果が俺にも流れ込んできた事も良く分からないし。
あれ? 今思うと余計に不思議だな。
「ところで、裁判の方は…」
「うむ。 ルインツァルトが此方に居るだろう? 一回目の裁判は滞りなく。 しかし油断は出来んかもしれんな」
「他国と繋がっている奴らのせいで…ですか?」
俺は彼らの表情の些細な動きも見逃さなかった。
「まさにその通り。 むしろ、繋がってないのは陛下、及び一部王族と一部の王族派貴族達だけだった。 もう腐り落ちているのだよ。 この国は」
「それでも、俺の力が必要ですか?」
押し黙ってしまった。
これではどうもあれだ…。
「おい、人族よ、この国に拠点を置く我らエンシェントドラゴン全てをユーグスの元に集わせる。 意味が分かるか?」
何を勝手に言っているんだ!
「その様な事をしても…」
「知らぬ様なので教えて教えてやろう。 いや、良い。 この事は知る必要は無いか。 所詮は人族だものな」
「それはユーグス君だってそうであるのではないか?」
「貴様は我が子を唯の人族如きであると言いたいのか? こいつはもう龍の子だ」
「龍の子であると何があるのですか?」
「その様な事すら知らないのか…」
大きく呆れた様な声をあげているのできっと大切な事であったのだろう。
しかし…。
「いえ、ドラゴンと言うのは家族に多いなる祝福を与えると…曖昧な事なら知っているのです。 ですが、宰相の前宰相、前陛下の策にて全ての貴族に詳しい内容は伏せられ、それを示した書物すら焼き払い打つ事を…」
「なんと愚かな…」
「致し方なかったのですよ。 一部の貴族を沈める為にそうするしかなかった、と」
「人族と言うのはおろかにも程がある。 ちなみに、貴様らは我が子がこの場に居らぬ事に気が付いた者は居るか?」
その瞬間空気がグラスの冷気程冷たく凍った。
「一体何処に!!!」
「アルブル・ドラグニカ…木々を司るエンシェントドラゴンである彼奴だ。 丁度彼奴が弱っているのが見えてな。 我が”息子” を送らせて貰った」
「それは有難い…。 エンシェントドラゴンの喪失はかなりの痛手になりうるものですかな」
「何を言っている? 我が”息子” と言ったであろう」
「まさか!?」
「先程から喋っていないこのユーグスはグラスによる氷像だ」
一同がまさに氷の様に固まる。
フレイニアはしてやったりととても嬉しそうな表情で徐々に存在が露わになっていく。
それは龍と言うよりも人に近く、なんとも形容しがたい状態になってしまった。
「こ、これは一体!」
「家族を回収…いや、増やしに行くのだ。 貴様らの顔を立てて少しだけは”居てやらせた”んだ。 感謝すると良い」
その言葉を聞いても誰も剣を抜く気すら起きなかった様であった。
0
あなたにおすすめの小説
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる