DNAの改修者

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第33話 領主会議ーカプランド領編1

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簡単な修正はしていこうと思っていますが更新を優先して進めます。
読み難くいところは流してくださいね。

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僕は今、魔動力車に乗ってカプランド領に向かっています。

カプランド領は昨年行った湖よりも更に向こうにある領で、道中の視察も含めて行くのに8日ほど掛かるそうです。
初めてエルスタイン領から外に出るので楽しみで仕方がありません。

「天気が良くて気持ち良いね~」

『そうねぇ。毎年、この季節は天候も安定しているので領主会議も行われるのよ』
と向かいに座っているお母さんが答えてくれます。

『いつもならシエラとメルモア、運転係として来てくれるヌエットの4人だから、今回はシャルルとトリスが一緒でにぎやかで嬉しいわ』

そう、今回は6人で旅行なのです。
お父さんがいないのは残念だけれど…。

昨年、僕が7歳の時にエルスタイン領都で領主会議が行われた時に、領主様達が僕に自領に遊びに来て欲しいと言われたのです。
必死な顔でお願いされたので、お母さんもしぶしぶ了承したみたいでした。

今はヌエットお姉ちゃんとトリスお姉ちゃんが魔動力車の運転席の方へ行っているので、乗客室はお母さんと僕とシエラお姉ちゃんとメルモアお姉ちゃんだけです。

「メルモアお姉ちゃんと一緒なのも湖に行った以来だね」

「そうなのです。シャルル様と遊べなくて寂しかったですよ」

そう言いながらメルモアお姉ちゃんが頭を撫でたり、手を握ったりしながら引っ付いてきます。
朱色の瞳で一見怖そうだけど垂れ目がかわいいんだよね。

「シャルル様、メルモアは体型も良いし垂れ目が魅力的かもしれませんが、シャルル様に触りたいだけなんですよ」

「なっ!? シエラ、何を言って…」

「そんなにベタベタ触って、シャルル様に触っていると若々しくなれると思っているんじゃないですか?」

『メルモア、あなたまで…』

「い…良いじゃないですか。私はシエラと違ってめったにシャルル様と触れ合う機会がないんですよ~。シャルル様はこんなにかわいいのに、触れないなんてひどすぎます。ねぇ~、ルーシャ様?」

『えっ、え~っと、シャルルが嫌がらない程度なら許します』

「やった~!」

「ル、ルーシャ様、メルモアはきっとよからぬことを考えていますよ」

『もちろん、シャルルが嫌がるようなことをしたら…、分かりますね?』

「は~い! じゃあシャルル様、旅行を楽しみましょうねぇ~」

メルモアお姉ちゃんは腕を僕の頭の後ろから回し、ぎゅう~っと抱き寄せてくるのでした。

ちょっと苦しいけどメルモアお姉ちゃんの胸が柔らかくて気持ち良かったりもします。
お母さんには言えませんね。

「う、羨ましい…(ボソッ)」
シエラお姉ちゃんがこちらを見てそうつぶやいていました。



しばらくして、魔動力車が速度を落とし止まりました。

外を見ると道のそばに小さな町があり、町の入口の近くにはいくつもの魔動力車が止まっています。

「ここでしばらく休憩をとろうと思います」
トリスお姉ちゃんが乗客室の扉を開け、そう伝えてきました。

『分かりました。お願いします』
お母さんがそう言うと、僕たち4人は順に魔動力車から降ります。

「この町はね、領を行き来する人々の休憩所になっているんですよ。町の周辺は穀倉地帯にもなっていますから、商人も多く来ています」
とシエラお姉ちゃんが教えてくれました。

「すごいねぇ。荷物を運ぶ用の魔動力車は大きいなぁ」
僕たちの魔動力車以外はすべて荷物を運搬する為のようでした。

「シャルル様、こちらに…」
トリスお姉ちゃんがお茶とお菓子を並べたテーブルの方へ呼んでくれています。

すでにお母さんは座っているようです。

ベンチに座ると、トリスお姉ちゃんの横に立っているヌエットお姉ちゃんと目が合いました。
顔と名前は分かるのですが、ほとんど話した事がありません。

「ヌエットです。シャルル様…」
「今回、シャルル様のお供が出来てとても嬉しいです」

ニコッと笑う彼女はとっても愛くるしい感じのお姉ちゃんでした。
トリスお姉ちゃんより年下だそうで、少し小柄です。

『シャルル、ヌエットとは話したことがなかったかしら?』

「うん、屋敷の中で挨拶ぐらいしかしていなかったかな…」

『ヌエットはね、メンテールと同じ土属性の魔法を使えるのよ』

ヌエットお姉ちゃんはメンテールお姉ちゃんと同じ土属性の魔法を使えるそうですが、瞳が両方とも茶色なのでカラードではないみたいです。

シエラお姉ちゃんやメルモアお姉ちゃんに比べれば細い体つきですが、決して貧相な感じはしません。
肩まである金色の髪がサラサラしていてちょっと良い香りもします。

「ヌエットお姉ちゃんの髪はキラキラしててとても綺麗だね」

僕はつい思ったことを口にしていました。

「えっ、…はい…あの…」
「あ、ありがとうございます。シャルル様。褒めていただいて感激です!」
ヌエットお姉ちゃんは顔を真っ赤にして俯いてしまいました。

ふと横を見るとトリスお姉ちゃんがふくれていたので、「トリスお姉ちゃんもかわいいよぉ~」と言っておきました。

「シャルル様、嬉しいです~!」

そう言いながら抱きついて頬ずりしてきます。
ふぅ~、トリスお姉ちゃんはすぐに機嫌を直してくれるので助かります。



道中、お母さんに頼んで魔動力車の運転席に乗せてもらえることになりました。

「シャルル様、足元のこちらのバーで速さを調節して、反対のこちらが止まる為のバーとなっているんですよ」
ヌエットお姉ちゃんが丁寧に教えてくれます。

「そして、私が握っているこのハンドルで進行方向を変えるのですっ!」

ちょっと得意げな顔をしています。

この運転席はベンチと同じような椅子になっているので、ヌエットお姉ちゃんの足元を見ようとすると顔が太もものところに、そして身体が自然にくっついてしまいます。

それに、ハンドルを少し左右に動かして、どう動くか見せてくれる時もヌエットお姉ちゃんの腰に抱きつくことになってしまいました。

僕はすごく楽しかったですが、ヌエットお姉ちゃんの顔はずっと赤いままでした。



『シャ…ルル…、どうでした? 楽しかったですか?』

「うん!」

「運転席に初めて乗せてもらったけれど、あんなふうに動かしていたんだね。ずっと運転席にいたかったよ」
「僕も早く運転できるようになりたいなぁ~」

そうはしゃぐ僕をよそに、みんなは黙っていて顔は少し青くなっていました。

ヌエットお姉ちゃんに魔動力車の速度を上げたり下げたり、左右に振ったりしてもらっていたので魔動力車酔いをしてしまったようでした。

ごめんね、みんな。
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