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四郎、冷徹冷血に8頭目の捕獲に協力する

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 「・・・可愛い女の子だな♪」
 マルクから今回の指令対象の女の子を見た時に喜んだ。
 四郎の好みのタイプの美少女だったからだ。
 

「そのメスの名は恵理(えり)で14歳だ。育ちも良く、いいエサを食べてきて
最高の素材になっている。これがまた三咲のように近い将来命を絶たれる運命
(さだめ)になっているのだ。ならばお前に肉食動物になってもらいこの
娘をハントしてもらいつつ残りの体を俺が貰って培養し、半永久的にその
魅力を活かし続けるほうがようじゃろうて」
 マルクの言う内容は恵理とやらの少女自身や周囲の家族はじめ彼女を愛する
者たちからは受け入れられない論理であろうが、エプール星人での地球人の
メスの活かし方を考えれば四郎は納得いくものである。
 このような美少女が間もなく冷たい死を迎えて、その肉体は無残に遺族に
晒されて悲しみを覚えさせ、火葬されて肉体をただ無駄にするよりはその
体を半永久的に増産続けて宇宙の食物連鎖に役に立ち、その姿や命を永遠
に宇宙の中で残し続けることは全体のプラスになると思った。
 例え元の本体は無残な死を迎えるとしても・・・。
 マルクが言うにはこの恵理は4日後に四郎の手によって落命する予定だが
仮にその不幸を避けられたとしても、半年後に変質者によって拉致されて
性的暴行された挙句に惨殺、それすら避けられたとしても2年後に交通事故
死、それを避けられても4年後に彼女を好きになった男達によって彼女の
あずかり知らぬところで勝手に男の妄想で殺害されてしまうなど20歳に
なる前に死から避けがたい運命にいるという。
 美人過ぎて魅力が多い女の子ってのもそれだけでもう不幸のリスクとの
引き換えなのかもしれない。
 恵理を4日後に四郎の手で落とすための綿密な打ち合わせをしてマルクは
一旦四郎の前から去っていく。
 四郎は4日後のことを思うと興奮して寝れない気分であった。

 3日後に四郎は彼には珍しく航空機を使って乗り継ぎ、日本のある場所に
向かっていた。
 4日後の決行時刻の3時間前には四郎は現場近くで深呼吸をしている。
「はっはっは!随分気合が入っているようだのw俺もお前が我らエプール
人並の冷徹さ・残虐性で恵理を仕留めるのを楽しみに見ているぞw」
 一方、恵理はこの頃ワクワクしながら今日の朝を迎えていた。
 日本の南方にあるこの離島は美しいサンゴ礁でカラフルな熱帯魚も多い。
 サンゴ礁のため岸より比較的遠浅の上に波も穏やかだ。
 恵理は豊かな家庭に生まれて、小さい頃よりバレエ、ピアノ、テニスなど
習い健康的な体でまあまあ成績も優秀な私立の女子校に通う上品なお嬢様
である。
 三姉妹の末で下に弟のいる恵理は、弟はお母さんや伯父さんと釣りに
行きたいといい、下の姉はホテル内のテニスをおばさんとしてから昼に
海に行くと言い、上の姉は大学のサークルやバイトで家族と一緒に観光
に来ていない。
 そのなかで恵理は朝からこの貸し切り状態の白妙広がる美しいビーチの
やや沖合で潜って泳ぎながらサンゴ礁や熱帯魚、それに運が良ければ
見れるというウミガメを見たいと考えていた。
 シュノーケリングは何度かしたことがあるが、今回はもう少し沖合の
深いところで豊かな生物を観察したいと考えた。
 地元の人たちの話では
「ここは一般的な観光地化されておらず、観光地で有名な近くの山垣島と
同じく穏やかな海で、しかも危険な生物はウツボかウミヘビかイモガイ
だから海底で脚を付けたり、泳いでいるウミヘビにちょっかいを出さなけ
れば安全だし、海水が何より綺麗で汚染されてなく透明度も高い」
とのことである。
 恵理は父親の操縦する小舟に乗って海に出る。
 誰もいない、そして人の手が入っていないような美しい無人島を独り
占めしている気分だ。
 恵理は水着姿になっている。
 

 まだ女子中生である恵理は姉が勧めるようなビキニや華やかなワンピー
ス水着を着る気にはなれなかった。
(お姉ちゃんみたいにまだブラで自慢できるくらいのおっぱいじゃないし
・・・)
とは思っている恵理だが胸の膨らみの成長も順調で既にバストは79㎝まで
はあり普通に2個の小山を普段着の上からも表している。
 父親は少し沖合にこぎつけると恵理の胴体にロープを付けて
「息苦しくなったり異変を感じたらすぐ知らせるんだぞ」
と言った。
「うん、無理しないから」
と言って恵理は透明度が高く普通に10m下の海底までくっきり見える海に
ゴーグルを付けて潜った。
 父親は穏やかな天気の中でポットに沸かしたコーヒーを飲みながらのんび
りビジネス書を読むつもりだ。
 恵理は海の中を泳ぎながら
「うわー、綺麗!」
と夢中になって見ていた。
 

 
 その頃、四郎はマルクからの支援を受けて海の中にじっとしていた。
 遠方から若い女の子の匂いがしてくる。
(恵理が海に潜ったぞ)
とマルクがささやく。
(さあ、お前の手で恵理を地球でのこの世のしがらみから救うのじゃ)
とけしかけて来る。
 言われるまでもなく既に半分野生化している四郎の本性が血肉に飢えて
恵理の匂いに反応して獲物のいる方向に向かい始めている。
 獲物は海水中を良く動いているようだが魚よりは動きが鈍重で鈍いよ
うだ。そして微電流を流ししているから決して視力がとびぬけていいわけで
ない今の四郎でも手に取るように恵理の今の状態がわかるのが不思議だ。
 獲物に200mまで近づき濃厚な肉の匂いがしてくる。
 周囲にいる小魚や甲殻類より断然に美味そうな獲物である。
 しかも大物である。
 四郎の本能はウキウキしながらも同時に冷静なハンターになる。
 獲物の様子を探る。
 どうやら海の中での動きに慣れていない様子で小魚より泳ぎが遅い。
 大物の獲物だが骨が多くて大きさの割に肉の量は少ないようだがそれで
もウミガメ程度くらいの可食部分はありそうだ。
 獲物がこちらに気付かないように顔の死角に回り込み、下方から一気に
隙を突いて襲うつもりだ。
 四郎の半分人間の意識が残っている本能が高まる。
(若くて可愛いどころの健康的な肉体の女の子の体に食らいつく・・・、
どんな気分だろう?その生肉はどんな味だろう?)
 四郎の体は約5mの700㎏以上の巨体であり、獲物になる恵理は1.5m
少しで40㎏の体である。
 恵理の胴体にロープが一本付いているのがわかりあれが邪魔だと理解
する。
 恵理が息継ぎで一回海上に浮かび、再び潜り始めた時に四郎は決起し
てこのタイミングと自分の意志とは無関係の野生の勘で恵理に襲い掛か
っていった。
 恵理が何か水流の動きか視界の隅に巨大な黒い影が見えたのか、不意に
四郎の方を見て目が大きく見開いて、顔が歪み海上に慌てて浮かぼうと
するときにはもう遅かった
「ガブリ!」
四郎の大きな口と鋭い鋸のような無数の歯が恵理の体を挟み、そしてロ
ープを断ち切った。
 ロープだけ切ると、四郎は恵理を咥えたまま素早くその場から離れた
ほうに向かって泳ぐ。
 咥えられた恵理は体中に四郎の・・・いや大きなホオジロザメの歯が
刺さり失血しだし、そして恵理は咥えられた時のショックで既に気を
失っている。
 ホオジロザメに化けた四郎は安心して獲物を食べれる場所に来ると
一旦恵理の体を離す。
 何か所からも血を流した恵理の体が海中に放り出され沈みかかるところ
を再び四郎が狙っていた乳房から下腹部までの胴体の前面をできるだけ
表面積広くなるように
「ガブリっ!」
と強く一気に咬み砕くように歯を閉じた。
 すると殆ど抵抗しないかのように恵理の両乳房から下腹部の生殖器ま
で胴体の中の殆どすべての内臓や腹筋などの筋肉、それに腰の赤身肉
などがごっそりと胴体から切り取られてサメの口の中に入った。
 何というホオジロザメの獲物の肉を切断する力。
 14歳の女子中生の健康な肉体の大半を難なく一噛みで一瞬で食い千
切ったのだ。
 四郎の口の中にはバラエティ豊かな様々な味の恵理の肉が転がってい
る。四郎はかみしめながらそれを味わう。
(うん!美味い~♪)
 同じ人間なのに若くて可愛い女の子の肉がこんなにも美味しいものだ
とは知らなかった。四郎は感動した。
(生でなく焼いたり煮たり陸上でもっときちんと料理したらさらに美味
しく食せたんだろうな)
 今度は艶めかしい脚のうち、左足に噛みついた。
 コロンと一噛みで骨ごと股の付け根から切断されて恵理の脚がまるごと
一本口の中に転がる。太ももとふくらはぎの肉を咀嚼してからごくり
と丸呑みした。
 普通の人間ならもう残酷で悲惨で正視できない母床所の変わり果てた
姿が海中に沈み、流れた血や細かい肉片のおこぼれを求めて小魚が集まり
始めた。
 恵理の顔は切なさそうな悲しい目をしている。
(ごめんな)
と人間ベースの四郎が恵理の顔に向けて謝りながらも
(恵理ちゃんのその首級(しるし)をあげあせてもらうよ)
と四郎は恵理の首に噛みつくと、その首も鋭利な刃物で綺麗に切断された
ように胴体から離れる。
 このとき四郎はマルクの手によって人間の姿に戻された。
 海中に沈む恵理の首級に手を伸ばして掴み、恵理の残りの体を脇に抱え
ると四郎と恵理の体は海中の深いところから一瞬で消えて、恐らくはこの
海域のどこか人の気配のない無人島の陸地にワープする。
「ぷはぁー」
 っと四郎は自分も水の中で息苦しくなっていたところなのでまずは荒い
呼吸をし、そして
「ここはどこだ?」
と思いながら周囲を見るとさっきと同じような絶景の南海の海が見える
どこかの島の陸地のようだが人の気配はしない。
「さっきのは夢か?」
と思ったのはすぐに右手に持っているものの重さで否定できた。
 四郎の右手には恵理の頭部が握られている。
(人間の生首って結構重いんだな)
と思いながら右手の恵理の生首を上にあげてその顔をチェックする。
「確かに4日前から何度もその顔を見て確認した黒薔薇中学の恵理ちゃん
の顔だ。目や鼻や耳の形、眉毛に顎にある小さなほくろ・・・、間違い
ない」
とまるで戦国時代の武士が討ち取った首実検をするように恵理の頭部を
くまなくチェックするとそれを高々と掲げて
「マルク殿、貴殿のお望み通りの恵理の首級、及び肉体の残りをここに
今捧げ奉る!」
とこれをどこかで見守っているに違いないマルクに向かって宣言する。
 恵理の顔は四郎に高々と天高く掲げられて南国の日光を受けて頬に
反射して輝いている。
「はーっはっはっは、でかしたぞ、四郎よ。見事な狩りであった。感想
はいかがだ?」
「ワクワクした、興奮した、美味しかった」
と箇条書きのように短くまとめて四郎は答えた。
「ほほう・・・可哀そうとかためらうとかそういう感情はなかったか?
お前も随分変わったなw。よしよし、ではお前に食われずに残った恵理
の体をすべて回収させてもらおう」
とマルクが言うと、恵理のボロボロの首の無い体が宙に音もなく浮き上
がりマルクの脇に抱えられ、四郎の右手から恵理の頭部は離れて宙に
舞い上がりマルクの右手に掴み取られていた。
「ふむふむ、いい顔をしているメスだな。これはちょうど彩子や美波の
いいライバルとして我らの間に人気を博そうぞ」
とマルクは満足そうに言って
「ではまた会おうぞ、お前は3日分の食事をしたようなものだから、今日
明日は何も食べる必要はない。自宅で安静しておれ。お前も今すぐ自宅
に送ってやろう」
と杖の光をかざされると四郎はいつの間にか東京の自宅に戻っている。
 時計の時刻を見るとまだ11時14分、恵理の命を奪ってからまだ一時間
も経っていないのだ。
「不思議なことだが、マルクと出会ってからは大概の不思議なことは
もう驚かなくなったな」
と思ってから急に自分のお腹がパンパンで気持ち悪いくらいにだるいこと
に気付いた。
 どうやら恵理の肉を食べたのも現実だったようだ。
 お腹の中で生肉を沢山食べたあとのような感覚がする。
「美味しかったな・・・、あと2日間くらい何も食べずにこの余韻に浸っ
てるのも悪くないな」
 四郎にとって今日恵理を肉食動物の立場で獲物として襲った前後始終は
自慰行為のおかずとしてもずっと使えそうな感じであった。

                          <完>
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