1 / 20
第一話 「特急ひばり」で仙台へ
しおりを挟む
私はまだ4歳くらいだったろうか?
当時埼玉県在住の私は東北新幹線開通直前とさえ知らぬまま、母親に手を引かれ大宮駅の
ホームにいた。郷里が宮城にある父は事情により先に現地にいる。
大宮駅は今は更に駅ビルも立派になった一大ターミナル駅だが当時も埼玉県最大の交通の
要衝として、東北・上越・信越方面への特急や急行など優等列車の大部分が停車していた。
駅の雰囲気は今よりだいぶみすぼらしかった(笑)
子どもながらに普通列車よりも湘南色の急行列車、その急行列車よりもクリーム色に赤
ラインが横に入り先頭部がいかめしい「国鉄特急」は列車の王様、虫で言えばカブトムシ
のような存在だと思った。
ホームに響く列車到着案内も微かに覚えている。
「まもなく五番ホームに、ひばり〇号仙台行が到着します。停車駅は宇都宮、黒磯、郡山
・・・、足元の白線の内側に下がってお待ちください」
近づいてくる列車を見て興奮して母親が、危ない!と言わんばかりに手を引いたのも
覚えている。
興奮気味に指定席に座ると列車が動き出し更にわくわくする。
まもなく上越線と分岐して北路を走る、が光景は見慣れた住宅地が続いていく。
小さい駅を通過するたびに確認しようとするがそもそもひらがなしか読めないw。
「ね、仙台は次の次位なの?」
「まだまだずっと先よ」
と母親が言う。
やがて住宅地を抜けて緑の風景や田畑が見え始める。
利根川を渡った記憶はないが、水戸線が右手から近づいてきて比較的大きな小山駅を
通過したのは覚えている。
そこから線路に沿って上に高速道路?高架道?みたいのが並行していて母に
「あれ、東北高速道路?(正しくは東北自動車道)」
と聞いたはずだ。
母が何て答えたかは知らないが、それは間もなく開通になる東北新幹線だ。
宇都宮に到着するとホームで駅弁の立ち売りの声が響いた。
「お腹空いた」
と言ったが母親は自分で弁当を作ってきたので駅弁を買うことはなかった。
後日自分が一人で旅をすると駅弁マニアになったのは言うまでもないw
宇都宮前後から遠くに高い山が見えてきたのを覚えている。
それは間違いなく方向からして日光連山だ。
そして宇都宮を出てしばらくすると、高い山がそびえてるので
「あれが那須だね~」
と言った記憶があって数年それを那須と勘違いしていたが正確には
「高原山」
であった。
黒磯に着くがよく覚えていない。
黒磯を出てから何だか山の中を走っている気がして小雨が降ってきたのだけ覚えている。
しかし恐らく下って白河付近を走っていると再び晴れてきた。
「山の天気は変わりやすい」
をこの旅行で初めて知ったw。
郡山に着く。
結構人が降りていった。
後日思ったのは恐らく会津方面への乗り換え客の多さでもあろう。
またあとで時刻表見ると、二本松にも停車したはずだが記憶にない。
郡山から福島、そして白石あたりまでひたすら奥羽山脈に見とれていたと思う。
季節的に丁度まだ雪の残る(というか山中は普通にまだ雪が降る時期だったろう)
「あれが蔵王?あれが蔵王?」
としつこく母に聞いたものだ。
何せ蔵王しか知らなかったからw
多分磐梯山や安達太良山なども入っていたに相違ない。
そして白石付近では「蔵王」を見たはずだが山が多すぎて結局どれが蔵王山だかわからな
かった。母も知らない。
道中トイレに二回は言ったはずだが、トイレはなんか汚くて臭くて失望した記憶はあるが
岩沼あたりであろうか?かなり線路が真っすぐで先ほどの白石よりも田んぼとか目立って
平地でスピードも速く動いてる気がした。
そして
「あと少しで終点の仙台に到着します」
自分が手にしていた緑色か橙色だったかの切符を母親が回収する。
乗客たちも降りる準備をする。
やがて田園風景が宅地にかわり、そして大宮みたいな都会の風景に代わってくる。
仙台駅は子どもながら
「大きい駅というかここまで停まってきた駅より風格あるな~」
と思った。
ここでも駅弁の立ち売りがホームにいて、
「買おうよ~」
とねだったが母に
「ダメ!」
と言われてしまった。
「いつか自分で買いたいな~」
と感じていた。
これが自分の鉄道旅の原点であった。
<完>
当時埼玉県在住の私は東北新幹線開通直前とさえ知らぬまま、母親に手を引かれ大宮駅の
ホームにいた。郷里が宮城にある父は事情により先に現地にいる。
大宮駅は今は更に駅ビルも立派になった一大ターミナル駅だが当時も埼玉県最大の交通の
要衝として、東北・上越・信越方面への特急や急行など優等列車の大部分が停車していた。
駅の雰囲気は今よりだいぶみすぼらしかった(笑)
子どもながらに普通列車よりも湘南色の急行列車、その急行列車よりもクリーム色に赤
ラインが横に入り先頭部がいかめしい「国鉄特急」は列車の王様、虫で言えばカブトムシ
のような存在だと思った。
ホームに響く列車到着案内も微かに覚えている。
「まもなく五番ホームに、ひばり〇号仙台行が到着します。停車駅は宇都宮、黒磯、郡山
・・・、足元の白線の内側に下がってお待ちください」
近づいてくる列車を見て興奮して母親が、危ない!と言わんばかりに手を引いたのも
覚えている。
興奮気味に指定席に座ると列車が動き出し更にわくわくする。
まもなく上越線と分岐して北路を走る、が光景は見慣れた住宅地が続いていく。
小さい駅を通過するたびに確認しようとするがそもそもひらがなしか読めないw。
「ね、仙台は次の次位なの?」
「まだまだずっと先よ」
と母親が言う。
やがて住宅地を抜けて緑の風景や田畑が見え始める。
利根川を渡った記憶はないが、水戸線が右手から近づいてきて比較的大きな小山駅を
通過したのは覚えている。
そこから線路に沿って上に高速道路?高架道?みたいのが並行していて母に
「あれ、東北高速道路?(正しくは東北自動車道)」
と聞いたはずだ。
母が何て答えたかは知らないが、それは間もなく開通になる東北新幹線だ。
宇都宮に到着するとホームで駅弁の立ち売りの声が響いた。
「お腹空いた」
と言ったが母親は自分で弁当を作ってきたので駅弁を買うことはなかった。
後日自分が一人で旅をすると駅弁マニアになったのは言うまでもないw
宇都宮前後から遠くに高い山が見えてきたのを覚えている。
それは間違いなく方向からして日光連山だ。
そして宇都宮を出てしばらくすると、高い山がそびえてるので
「あれが那須だね~」
と言った記憶があって数年それを那須と勘違いしていたが正確には
「高原山」
であった。
黒磯に着くがよく覚えていない。
黒磯を出てから何だか山の中を走っている気がして小雨が降ってきたのだけ覚えている。
しかし恐らく下って白河付近を走っていると再び晴れてきた。
「山の天気は変わりやすい」
をこの旅行で初めて知ったw。
郡山に着く。
結構人が降りていった。
後日思ったのは恐らく会津方面への乗り換え客の多さでもあろう。
またあとで時刻表見ると、二本松にも停車したはずだが記憶にない。
郡山から福島、そして白石あたりまでひたすら奥羽山脈に見とれていたと思う。
季節的に丁度まだ雪の残る(というか山中は普通にまだ雪が降る時期だったろう)
「あれが蔵王?あれが蔵王?」
としつこく母に聞いたものだ。
何せ蔵王しか知らなかったからw
多分磐梯山や安達太良山なども入っていたに相違ない。
そして白石付近では「蔵王」を見たはずだが山が多すぎて結局どれが蔵王山だかわからな
かった。母も知らない。
道中トイレに二回は言ったはずだが、トイレはなんか汚くて臭くて失望した記憶はあるが
岩沼あたりであろうか?かなり線路が真っすぐで先ほどの白石よりも田んぼとか目立って
平地でスピードも速く動いてる気がした。
そして
「あと少しで終点の仙台に到着します」
自分が手にしていた緑色か橙色だったかの切符を母親が回収する。
乗客たちも降りる準備をする。
やがて田園風景が宅地にかわり、そして大宮みたいな都会の風景に代わってくる。
仙台駅は子どもながら
「大きい駅というかここまで停まってきた駅より風格あるな~」
と思った。
ここでも駅弁の立ち売りがホームにいて、
「買おうよ~」
とねだったが母に
「ダメ!」
と言われてしまった。
「いつか自分で買いたいな~」
と感じていた。
これが自分の鉄道旅の原点であった。
<完>
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる