懐かしの鉄道旅

かき氷はイチゴ味が一番

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1991年12月「大垣夜行」

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 青春18きっぷは、何も青年だけでなく、大人も使える。
 昔も今も貧乏学生の安旅行にはもってこいの切符だが、近年は地方が、新たな
新幹線の開業に伴い、非常に使い勝手が悪い。
 私が初めて使ったこの1991年時点では
「横川~篠ノ井の信越本線」「盛岡~青森」「金沢~直江津」「新八代~西鹿
児島(現鹿児島中央)」などの基幹大動脈本線を通しで使えたが、それらが
別料金扱いなど本当に不便である。
 とはいえ、例えば東京から熱海まで往復しただけでも十分元が取れるこの切符
の存在価値はまだまだ高い。
 
 1991年、私は中二であったからもう十分一人で国内であれば乗りたい区間に
一人か友達が連れならば十分乗れる。
「冬の京都を観てみたい」
ということで、1991年12月の冬休みに青春18きっぷで東京を出て京都に向か
った。
 使うのは青春18きっぷで、使うのは「東京23時25分発大垣行普通列車」で
ある。
 友人と3人で使い早くから並んだのでボックスシートで確保できた。
 当時は戸塚から日付が変わるから横浜までは乗車券を買い、戸塚からは18
切符だ。
 冬休みのウキウキさに包まれる夜景が流れていく。
 結構幻想的だ。
 大垣夜行は、のちに「ムーンライトながら」になって快速列車扱いに格上げ
されて東京~小田原間は指定席必須になるなど変遷もあったが、近年静かに
廃止されるまで、鉄道史に燦然と輝く存在であった。
 調べてみるともっと昔は大垣でなくて大阪まで走っていたらしい。
 当時は
「普通列車」扱いで小田原までは、通勤客利用も兼ねてるところはあったので
神奈川県内の「藤沢」「茅ヶ崎」「平塚」と言った駅にもいちいち停車して、
小田原から、深夜&ローカルエリアに入るということで、「普通列車」であり
ながら、「急行列車」くらいの停車駅に絞っていく。
 単に外は真っ暗だが、我々はいずれも「鉄道好き」で初めてのこういう夜行
の旅(私は寝台特急さくらの乗車経験はあるが)で、興奮してなかなか眠れ
ない。
 早川、根府川・・・と通過するたびに寂しくホームのライトだけはついて
いるが、ホームは誰も居ず、寂しい感じの小さい通過駅を過ぎていく。
 湯河原は昼間は多くの特急踊り子が停車する駅だがそこも通過。
 湯河原駅内は明るくて亜希前より奥に見えるホテル群のきらめきも美しい。
 熱海には停車する。
 時刻表上は2分ほどの停車時間だ。すぐ発車する。
 三島・沼津・富士・・・と停車していくが、驚くのは深夜ひっきりなしに
貨物列車と行き違うことだ。
 本当に数分ごとにすれ違う感じだ。
 静岡に近くなった証拠に、はっきりとホームに
「清水(しみず)」
と表示された島式一ホームしかない駅を通過していく。
 静岡は停車駅時間がやや長い。
 我々は交代でちょっと降りて探検してみる。
 面白い!なんとこんな深夜二時半くらいなのに、立ち食いソバ屋が営業中
だ!!
 常連でそういうのは知ってそうな乗客たちが熱々の蕎麦を啜っている。
 静岡を出ると次は浜松まで停車しない。
 熱海の前からであるが、車内放送で繰り返し
「深夜時間帯を走行します。眠られる方も多いかと思われますので車内の
電灯は一部残して消灯し、また朝は豊橋まで車内放送はいたしませんので
ご注意ください。小田原の後の停車駅と各駅の到着及び停車時間のお知ら
せは今のうちにさせていただきます」
 というのがあった。
 静岡駅を車内放送も発車ベルもなることなく静かに滑り出すが、向かい側
の上りホームはもちろん下りホームもひっきりなしに貨物列車が通過してい
く。
 静岡を発車してもしばらくは眠れなかったが、しばらくすると貨物列車
でない電車とすれ違う。
 上りの「大垣夜行」だ。
 そしてブルートレインともすれ違う。
 最初のは「寝台急行銀河」でそして「寝台特急出雲二号」ともすれ違う。
 浜松に到着だ。ハッキリ記憶にないがここは10分弱の停車時間だったかな?
 静岡と違って眠っている友人もいたから降りなかったが、上りホームでは
静に「寝台特急瀬戸」が入ってきてて停車するがドアは開かない。
 私は時刻表を確かめてみると、上りの「寝台特急瀬戸」は浜松駅は通過
扱いだ。しかし、運転停車ってやつではないか?
 そして二分ほど停車したあとで「瀬戸」号は東京に向けて発車していった。
 次の停車駅は豊橋だ。
 ここで時間調整かかなりの停車時間があったのち、五時頃に名古屋方面
への早い朝の通勤客仕様としてか再び停車駅はほぼ各駅停車化する。
 静岡・浜松・豊橋とまだ新幹線は走っていない時間だが、新幹線ホームは
営業時間と同じように明るいホームだ(当然人はいないが)。
 暗闇の中何だか美しい。
 豊橋ではあえて二人で降りて駅近くのコンビニまで行って、確かローソン
があったのでそこでお菓子やサンドイッチを買った。
 駅弁が良いのだが、静岡で売ってたかどうかわからないが買い忘れ、豊橋
で買おうと思ったが、駅構内の駅弁屋はまだ開業してなかったからだ。
 豊橋で買うなら「豊川名物稲荷寿司」と決めていたが残念だ。
 豊橋で降りる客がちらほらいる。
 すぐに分かった。彼らの目的はここから飯田線の始発で伊那方面に向かう
ことと観光地である伊良湖方面に行く人たちであろう。
 地味だが豊橋は意外にターミナル駅である。
 豊橋を出ると車内放送が始まり
「次は西小坂井です」
 とアナウンスが入る。
 しかし冬休み中のせいか、車内はとても「平日の朝の通勤通学風景」では
全くないw
 名古屋駅に着くのは朝6時頃だったがまだまだ真っ暗だ。
 その中で名古屋駅では間もなく始発になるのか、100系新幹線が入線して
綺麗な車体を見せてくれている。
 美しいスナップだ。
 そして名古屋を出て清州を出たあたりで東空が明るくなってき始めた。
 木曽川駅あたりを出ると、終点大垣駅から先の米原・京都方面の接続の
案内が始まる。
 勿論ここまで乗ってる客が穂積駅などで降りることなどないw。
 大垣駅では俗にいう
「大垣ダッシュ」
 が始まる。
 その先の電車はローカル米原行だったかな?
 速ければ座れる、遅ければ米原まで立つことになる。
 俺らは足も速い現役中学生なので楽勝で席を確保ww
 関ケ原駅付近から見えた、雪化粧の伊吹山はもう感動モノの美しさでした。

                          <完> 
  
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