【完結】18年間外の世界を知らなかった僕は魔法大国の王子様に連れ出され愛を知る

にゃーつ

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小窓から差し込む光の当たる場所で今日もまた本を読む。


---バサバサッ

すぐ近くで音がしてすぐさま振り返る。



鳥、、、?

でも、本で見たことない種類だ。
僕と目が合った途端に僕の肩に飛んできた。

びっくりして動けなくなってしまった。
動物に触れたことなんてもちろんないから、どうしたらいいのかわからない。餌が欲しいのかな?

もう少ししたら昼食が運ばれてくるはずだから、何か食べれるものがあるといいな。

白に近い金色の羽、青色の瞳。

まるであの青年みたいな色だ。


「セド、、、」

そう呼ぶと鳥はこちらを覗き込んできた。


「・・・ごめん、君に似た人がいて、そう呼んでもいい?」

そう言うと羽をバタバタいわせて僕の周りを何周か飛んだ。

たぶん、いいってことだろうな。
鳥って人の言葉がわかるんだ。
本にはそんなこと書いてなかったから、実際に目にしてみて初めて知ることだ。

きっと外の世界には僕の知らないことがたくさんあるんだろうな。

僕には見ることはできないけれど、外の世界ってどんな感じなんだろう。太陽全身に浴びながら歩いてみたい。雨に触ってみたい。雪にも触ってみたい。

あと、ルーチェは沿岸に位置する国。海っていうものを見てみたい。山も、谷も。全て、文字でしか知らないから。

その日は食事が来てもセドは食べようとしなかった。どうして僕のところに来てくれたんだろう。
僕は初めての存在に戸惑っていた。

セドは毎日毎日やってきた。
昼間に来る時もあれば夜に来る時もあった。毎日数時間だが僕と過ごしてくれた。

アンナがいなくなってぽっかり空いていた僕の心を埋めてくれる存在だ。



---コンコン


あ、ノックがされた。昼食が運ばれた合図だ。
5分経ってから扉を開ける。

今日のメニューは、パスタと海老のサラダ、か。


僕が昼食を食べる間、セドは僕の肩の上でずっと待ってくれる。

一通り食べ終わると不思議そうな顔をするセド。
いつも残さず食べる僕がエビを全て残しているからだ。

エビを食べるには少し覚悟がいる。
一度深呼吸をして一気に口に入れる。そして食器を素早く扉の外に運び、ベッドに潜り込む。

セドは不思議そうに僕について回っていたが構っている暇がない。


「はぁ、、はぁ、、、、ぅ、、」

エビを食べると少し苦しくなるんだ。呼吸がしづらくなって、体に少し発疹もできる。アンナが言うにはエビのアレルギーなんだそうだ。だからアンナがいる間は口にすることはなかった。アンナは両親にも報告したと言っていたが僕に興味などない、いや、僕のことが嫌いで仕方ない両親がそんなこと覚えているはずもないし、配慮してくれるはずもない。
だから今はこうして時々エビが食事に入っている。

残せばいいのかもしれないが、僕の中にまだ少し残っている嫌われたくないという気持ちが残したらもっと嫌われるって思ってしまって残すことができないでいる。

きっと今夜は熱が出る。

誰も見舞いなどこない。医者も来るわけもない。ただ1人、苦しみと戦うんだ。
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