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しおりを挟む「セド!今日のご飯もおいしかったね!!」
「おいしかったね。今日のメニューなら何が1番好きだった?」
「お魚のサクサクしてたやつ!!」
「ムニエルかな?衣が付いてたから少しサクッとしてたもんね。」
「うん!おいしかった!!」
「最近は食事量も少しずつ増えてきたね、まだ僕と同じ量は食べれないけど以前よりたくさん食べれてる。偉いね。」
「本当?僕偉い?」
「うん、偉い偉い。」
今日のお夕飯は楽しかったな。いつも楽しいけど、今日はお父様もお母様も僕のことたくさん褒めてくれた。
お母様がお父様はルイ君に甘々なのよ~って言ってた。甘々の意味は分からなかったけど多分甘いって意味。
甘いと言う言葉はたくさん意味を持つが、おそらく---厳しさに欠けているさま。また、くみしやすいさま。---という意味の甘いだと思う。
お父様は何度も何度も欲しいものはないのかって聞いてくれるし、アスバルの家で暮らせばいいと言って、それは無理ですと断言したセドと少し言い合っていた。
僕の取り合いをしてくれてるようで嬉しくて仕方なくなったんだ。
数時間前まではもうみんなに会えないと思っていたのにこんなに楽しい時間を過ごせるなんて、セドにありがとうって何回言っても足りない。
「ルイ、寝る前にちょっとだけいい?」
「う、うん。」
僕の手を取り城の中をぐんぐん進んでいく。僕がまだ来たことのない場所を進むのでここがお城のどの辺なのかが全く分からない。
僕が行ったことがあるのは僕の寝ている部屋とセドの執務室、食堂、お庭、図書室だ。そのどれの方向とも違う。
18年以上お城というものに住んではいたけど、あの部屋しか知らない僕はお城というものがどれくらいの広さのものなのか分からない。今住んでいるこのお城がルーチェより広いのか狭いのかもわからないし、構造もよく分かっていない。
「セド?どこに行くの?」
暗いところは嫌だなあ。
あんなに長く暗い部屋で過ごしてきたのに、1度光を知るともう2度と光のささないあの部屋に戻りたくないなってそう思うようになった。
「ここだよ。」
大きな部屋、、、家具がほとんど置かれていない。
中にはふかふかしてそうな椅子が一つだけ。
大きな部屋にポツンと一つだけ椅子があるのは違和感がある。不思議な光景に思えた。
「ここ、どこ?」
「ここに座って?」
セドに誘導されるまま椅子に座ると真ん前に円形にライトが当たり、周りが真っ暗になった。
セドは?周りをキョロキョロ見渡すと、コツコツと靴音が聞こえライトが当たる場所の真ん中にセドが現れた。先ほど着ていた服とは違い、少しヒラヒラとした白い服に水色の太めのズボンに金色の装飾品がついたかっこいい衣装。
ライトの真ん中にセドが立った姿は神々しくて、キラキラしていて、視線を外すことが出来ない。
「僕は今日、演舞をする予定だったけど誘拐事件が起きて大会は無くなった。でも、僕はもともとルイのためだけに舞うと決めて大会に出ることにしたからルイが見てくれるのなら場所はどこでもいい。他の人なんていないこの場所で、今からルイのためだけにルイを想って舞うよ。」
僕のためだけに、わさわざ?
この場所で?
お客さんは僕1人だけ?
「ルイ、僕の込める想いはただ一つ。君のことが好きでたまらないという恋心だけ。君に僕からの好きを伝えるためだけに舞う。見ててくれる?」
「見る!!僕のためだけに踊ってくれるの?」
「そうだよ、ルイのためだけだ。ここには僕とルイ以外誰もいない。僕ら2人きりの空間だ。こんなに広い部屋だけど、この部屋にだってルイへの想いは入りきらないくらい僕の気持ちは大きいよ。」
「え!入りきらないの!?お部屋壊れちゃう?」
「ふはっ!比喩表現だよっ。気持ちは目に見えないから、僕はこれからこの舞に想いを乗せてルイの目に映す。だから目に焼き付けて欲しい。これから先一生僕が舞うのはルイのためだけだ。」
「うん、見てる。僕に好きを頂戴?」
「あぁ。ルイ、君のためだけに。」
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