伸ばしたこの手を掴むのは〜愛されない俺は番の道具〜

にゃーつ

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優との買い物に行く今日は優がどうしても秘密で行きたいと言うので学校の登校日ってことにして優はランドセルを背負って俺の車に乗り込んだ。

楓君は今日が登校日だと知ると、

「今の小学生って英語の授業もあるし夏休みに登校しなくちゃいけないしで大変なんだな。」

と感心していて、その時の優の表情がママ嘘ついてごめんなさいって物語っている表情で思わず笑いそうになった。嘘だけど、ママのための優しい嘘だから俺はいいと思うけど優は・・・

「嘘ついたの知ったらママ怒るかな?」

ママに怒られるか心配している。普通の子供の場合は怒られること自体が嫌なんだと思うが優はそうじゃない。怒られることはむしろ喜んでるかもしれない。でも、ママに嫌われることを何より怖がっているからママに怒られるような人になりたくないんだろう。楓君が嫌うなんてありえないけどな。

「プレゼントのためなんだから大丈夫だろ。ほら、行くぞ。」

あらかじめ優と決めていた店に向かう。その店では写真立てを好きなようにデザインできて2~3日で完成するそうだ。その店は幹也先輩に教えてもらった店で、値段もお手頃みたいだ。俺が払うつもりだったのに優は自分のこれまでのお年玉やお小遣いで渡すと言って聞かない。昔から物欲のない子だったから貯め込んでるんだろうけど、本当こういうところは頑固だよな。

扉を開けた先にはおしゃれな空間が広がっていて1番奥にかなり美形な男が座っていた。

「こんにちは~」

「あら!いらっしゃい!!可愛いお客さんね!」

男ではないみたいだ。

「あの、ママの誕生日プレゼントの写真立てをお願いしたくて来ました。」

「あら!写真立てね!じゃあ早速デザインを考えましょう!!君が考えるの?それともそこのイケメンお兄さんかしら?」

「俺が考える!!ママのだから!」

「じゃあこちらにいらっしゃい。一緒に考えましょう。イケメンお兄さんは店内見てる?それともアタシとお話しする?」

「て、店内見てます。」

身の危険を感じたので店内を見回りながら優の様子をチラチラと視界に入れる。ニコニコしながら考えているようで心配なさそうだ。

30分ほどした頃に

「じゃあこれで承るわ!2~3日で出来るからまた取りにおいで?お兄さーん!お会計よー!」

と言う声が聞こえた。

「あ・・・あのね、俺が払うんだ。ママにあげるプレゼントだから俺が払う。」

「あら、そうだったのね。偉いわね、きっとママは泣いて喜んでくれるわよ。じゃあそのママへの思いに感動したからこれも付けてあげる。プレゼントだから割引とかは良くないでしょ?だから、ママとお揃いのキーホルダー中に好きな押し花入れられるんだけど写真立てと同じでひまわりにする?」

「いいんですか!うん!ひまわりにする!」

そんな2人の後ろから覗いてみるとデザイン用紙にはひまわりのイラストの入った写真立てが描かれていた。ママとの思い出の花だもんな。

受け取りには俺がくることになったので俺の連絡先などを書いてその店を後にした。

「いいプレゼント渡せそうでよかったな。」

「うん!!理玖おじさんありがとう!!」

「じゃあ次はケーキ見に行くか。病院の近くに美味いケーキ屋があるんだ。そこにするか?」

「うん!ママに美味しいの食べてもらいたい!!いちごがたくさん乗ったやつあるかな。」

「確かいちごがたくさん乗ったタルトとショートのホールケーキがあったはずだ。まあ見てみて無かったら別の店にしよう。ママの好きないちごがいっぱいあるのが1番大事だもんな。」

「うん!あとね!ろうそくも買う!」

「あ、ケーキは俺が買うからな。」

「えー、俺が買おうと思ったのに。」

「お前はまだ5年生だろ。そこは甘えろよ、その分ママのためにお前が当日は飾り付けとか頑張れ。な?」

「うん・・・ママがびっくりするくらいの飾り付けするんだ。俺、サプライズ仕掛けるなんて初めてだからドキドキするけど成功するといいな。」

「ママは喜んでくれるよ。お前が用意してくれたってだけで相当嬉しいはずだ。」

「うん。」

「お、見えて来た。あのケーキ屋だ。」

ケーキ屋に入ると優の希望するようないちごをたくさん使ったケーキが何種類かあった。

「ねえ理玖おじさん、どれがいいかな。タルトかスポンジケーキかシフォンケーキ。全部いちごはいっぱい乗ってる・・・ママはどれが好きなんだろう。」

松本先生の話じゃあんまりケーキは食べたことないんだよな。じゃあ食べたことなさそうなタルトとかシフォンがいいのか?それか王道のスポンジか・・・

俺だって分かんね。・・・あ、

「なあ優、お前が好きなのにしたらいいんじゃねえか?」

「なんで?ママの誕生日だよ?」

「ママはいちご好きだろ?そんで、どのケーキかはお前の好きなのにすればママもお前も好きなのになんだろ?その方がママは喜ぶんじゃないか?」

「ママが喜んでくれるならそうする。」

優が選んだのはスポンジケーキ。ケーキと蝋燭を予約して車に戻った。

さて、今日1番の難関だ。

「優、フードかぶってろ。本家の近くになったら外から見えないように体小さくしとけ。」

優にそう言って本家へと車を走らせる。
父さんには今日行くことを伝えてあるから日和と陽介も本家にいるはずだ。3か月の間優は妹と弟に会っていなかったから今日は会わせようと思ってる。

いつか楓君と優たち3人が暮らせるといいんだけどな。

「優、そろそろ本家だ。かがんどけ。」

「うん。」
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